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「神さま、もし、わたしがこの試練を生きのびることができたら、これからは好きなことだけを、そうです、やりたいことだけをやると誓います。ひとの思惑とか、まわりの都合とかではなく。神さま、わたしをいきさせてください。」 「いつもは、自分の帰りを家でじっと待っていてほしいくせに、たまには、はなやかなパーティーとかに、着飾った妻を連れていきたい人だった」 夫を捨て、二人の子どもと別れ、彫刻家として生きようとアトリエを探しだした フラン を襲った蜘蛛膜下出血の最中、救急車に載せられて病院へ運ばれていく車中での言葉です。
わたしはこの言葉に呼応するスウェーデン語の言葉を知っている。その人も芸術家だった。しかも作家でもあったので 「ほんとうにたいせつなものがあれば、ほかのものすべてを無視していい。そうすればうまくいく」 と自伝小説の主人公に語らせた。 自分の人生を、自分で切り開いていった二人の芸術家の言葉を、重なり合う 「ミンネ」 として書き記しているところに、 冨原眞弓 という哲学者の 「生き方の流儀」 浮かび上がってくるようです。
この作家、当時85歳の トーヴェ・ヤンソン に、わたしが最後にあったのは1999年の暮れである。
「ひみつをひとつ。いい?私はもう小説が書けない。そう、何にも書けない。これはひみつだから、だれにもいってはならない。いいですか?」 この時、彼女が耳にした、 トーヴェ・ヤンソン の最後の言葉です。この言葉をここに記した哲学者 冨原眞弓 は、おそらく、自らのたどり着くべき場所を思い浮かべているに違いありません。
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