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「シマクマさん、今日の作品は何点くらいですか?」 「お、やっぱり!」
「50点くらいかなあ・・・」 映画の舞台は イラン という国で、よく解りませんが イスラム教の聖地 の町ようでした。街角に立つ娼婦をねらった連続殺人事件が起こっているのですが、事件は迷宮入りの様相です。K察による捜査の実態を疑った ラヒミ(ザーラ・アミール・エブラヒミ) という女性のジャーナリストが現地に乗り込み、実態を調べ始めます。
「ああ、こっちなのか」 と納得しかけたのですが、結果的に サイード は絞首刑になってしまいます。
「ポカーン・・・」メディと権力 、 貧困と売春 、 宗教と司法 、 男性原理と女性差別 、数え上げ始めれば、まさに現代社会で問い直されている問題の現実的な端緒ともいうべき、まあ、社会描写としてリアルなシーンが次々と描かれていくのですが、結局、何が言いたいのかわからない、で、何が言いたいのかわからないことだけはよくわかる、そういう、気分の結末でした。
「これって、現地で撮った映画なのですかね?」 とか、何とかで、せっかく、 二人 で観たにもかかわらず盛り上がりに欠ける結末で、で、ちょっと遅めのお昼でしたが、ご一緒に そば かなんか食べて別れました。
「いや、ヨーロッパ系の資本で作っているから、ちがう感じですね。イスラムの映画って、社会の描き方によっては、とても現地では取れないということがあるようです。」
「で、こういうふうに、外れかな、という場合はどうするのですか?」
「ははは、外れは、外れですよね。まあ、小説でもそうですよね。しようがないですね。」
「はい。まあ、そうですね。」
「ただ、ボク、なんか、引っかかるんですよね。帰って調べてみますね。」
ええーっと、 本日の映画 ですが、やはり、現地で撮られた映画ではなさそうですね。よくわからないのですが、 イラン 本国では、たぶん、上映どころか、作ったこと自体が犯罪の可能性さえあるかも、ということのようです
舞台は イラン の マシュハド という有名な聖地らしいですね。映画が描ている 連続娼婦殺人事件 は 2000年 くらいに、実際にその街で起きた事件らしいです。
「悪魔の詩」 という作品を書いた サルマン・ラシュディ という作家が、当時の イラン の最高指導者 ホメイニ から死刑宣告を受けたことがありましたが、それが 1990年代 だったと思います。で、 今日の映画 は、どうも、そのころの イラン を描いていたようです。
イラン革命 というのご存知ですか?ぼくにはわけがわかっていないのですが、何派だったか忘れましたが、 イスラム の宗教原理主義を国家レベルで実行するという革命だったような気がしますが、その革命の指導者が ホメイニ ですね。
ああ、 ホメイニ は 1989年 に死んでいます。 ラシュディ が ホメイニ から死刑宣告を受けたのは 1989年 ころのようです。
イラン革命の結果生まれたのは共和主義と徹底したイスラム化の国家体制らしいです。で、ボクにでもわかるのは女性に対する宗教的抑圧というか、まあ、乱暴な言い方かもしれませんが、娼婦は殺してもいいけど、買春する男性は問題にならないというような、ボクたちの目から見れば、実に不公平な通念を宗教的には擁護している社会が生まれたということのようですね。だから、こんな例の出し方自体が、なにいってんの!という社会かもしれないってことですね。
例えば、ボクたちの目から見れば、この映画で、まあ、猟奇的な殺人鬼に見えてしまう サイード という主人公の名前ですが、 ムハンマド という イスラムの預言者 、 コーランを語った人 の 直系子孫の名前 ですね。犯人が聖人なのですね。そのあたりも面白い事実だと思います。
今日の映画は、実在の事件を題材にして 、 フェミニズム 的な、まあ、いかにも ヨーロッパ的リベラリズム の観点で見直そうとしている作品という一面もあるのかもしれませんが、どうも、それだけでもなさそうですね。。
というのは、描かれている社会そのものが、 サイード を信条的に支持する 宗教的な感覚 と、ヨーロッパ的な 近代「法」を順守する社会的感覚 、それから、助けるのかと思っていると、平気で サイード の刑を執行してしまうような、まあ、 世俗的な権力者固有の感覚 が、まあ、他にもあるかもしれませんが、重層化していて、 ラヒリの告発 の意味が映画として表現しきれていないのかもしれません。
加えていえば、 「わかるように描くとラシュディの二の舞のようなことになるのでは・・・」 という懸念も制作者にはあった可能性まであるわけで、その結果、わけがわからない映画になってしまったのかもしれませんね。
まあ、複雑すぎて、何がが焦点化されているのかわからないと思うのは、見ているこっちの責任であるかもしれません。
インチキ宗教が権力の中枢と結託していることが話題になっていますが、実は、それ以前に、天皇制という、まあ、いってみれば、謎の宗教制度を象徴というようなことばで目隠しされながら、どんよりとした平和に閉じこもり、よその宗教なんて興味ないという気分で、 外部 を見失っているのが現代の日本という社会一般の傾向だと思うのですが、そういう社会に浸りきっている ボク 自身、 イスラム社会 のことなんて、ホント、何にもわかっていないというのはよくわかりましたね。
まあ、こんなふうに、気になったことをあれこれ調べたりするのが、ボクの映画の見方ですね(笑)
小説とかの読み方にも、その傾向があります。うざいでしょ(笑)
というわけで、結局、要領を得ないのですが、感想です。 ライン
に書いたといってますが、こんなにあれこれ書いたわけではありません。あれこれ付け足しています(笑)。 Mさん
、ご容赦くださいね。
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