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「これは、ちょっと?」
「ここは、ベルリン?」 何だか、突如の訝しさのまま、実はボンヤリしながら、映像に色が付き始めたことに気づきました。別に、映されていることが平和的に変わったわけではありません。相変わらず大量生産されていく爆弾が、今度はカラーになっただけです。瓦礫の山の向うの空が青空になっただけです。
ボクは、この作品を見終えてから1週間たった今、この映画のラストシーンを思い出すことができませんが、 空中を落ちていく無数の爆弾
が、あたかも水に落ちた石のように、微妙にカーブしながら落ちていく様子を上からとったシーンが繰り返し思い浮かぶばかりです。地上には人間がいるのですが、映画に降臨した天使はどこに行ったのでしょう。
見終えた会場で、 渋谷哲也
という ドイツ映画の研究者
のレクチャーを聴きました。 ゼーバルト
というドイツの作家の 「空襲と文学」(白水社・ゼーバルトコレクション)
という作品への応答としてこの作品を見るという、なかなか、刺激的なお話だったと思いますが、レクチャーの中で、 ヴェンダース映画
との関連も出てきたのですが、天使の行方については聴き洩らしたようです。
「正義」が問い直されるべき時代 そういう時代が すでに到来していることを、 ロズニツァ は叫び続けているとボクは思います。誰か、後に続く人つづく人を期待しますが、かなり無理そうですね。
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