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「おや、カフカですか?」 で、借り出して、パラパラ、パラパラ。その昔、有名な作品は読んだ記憶もあるのですが、まあ、それぞれの作品、どれというわけではなしに面白がって、ある時は、 池内紀の全訳 とか出たりして、再燃したりもしたわけですが、だからといって、所謂 「カフカ教」 的に入れ込んだわけでもない、
「知ってる?」「知ってるで。」 なのですが、
「読んだ?」「うん、読んだで。」
「どの作品がおススメ?」 とか言われると、
「さあー、人それぞれかな?大概、短いから、はまったら、みんな読んだら?!」 なじいさんですが、今回、この本をパラパラやっていて、結構、面白かったですね。
カフカ名場面集! でした。
ある朝、グレゴール・ザムザは不安な夢から目覚めると、自分がベッドの上で巨大な○○に変身しているのに気付いた。「変身」 とまあ、こんな感じですが、この 「変身」 については、ラスト・シーンも紹介されています。
いきなり空欄補充のクイズみたいですみません。でもこの○○の箇所、ドイツ語ではUngezieferとなっていますが、日本語でピタッとくる訳語もなく、翻訳者も頭を悩ませてきたのです。辞書によるとUngezieferはシラミ、南京虫、ダニ、ねずみのような寄生的な害虫ないし害獣を意味します。シラミとねずみはかなりイメージが違いますよね。これまでの訳語を見ると、それぞれイメージが少し違っていて、「虫」、「毒虫」、「虫けら」、はては「ウンゲツィーファー(生贄に出来ないほど汚れた動物或いはむし)」といった、訳というよりもドイツ語の発音と語源の併記まで出てくる始末です。カフカ自身は、イメージの固定をよほど嫌がったらしく、本の表紙に変身したザムザのイラストだけは描かないでくれ、と編集者に頼んでいます。物語を読みながら読者が自分でザムザのイメージを作り上げてほしい、カフカはそう考えていたようです。ですから、いっそのこと、○○ならイメージがふくらんでよいかも?と思った次第です。以下略(P008)
電車が目的地に着くと、娘が最初に立ち上がり、若々しい身体を伸ばした。「変身」いかがでしょうか? 冒頭 は、まあ、あまりにも有名ですが、この ラストシーン 、お読みになったことがある方、覚えていました?元気に起ち上がるのは ザムザの妹 なのですが、
「変身」は、冒頭もそうですが、最後の場面もなかなかぎょっとさせられます。(以下略P151)
そういえば、そうだったかなあ? まあ、そういう印象で、全く覚えてなかったといっていいですね(笑)。
目次
はじめに
i こんなはじまり、あんなはじまり 冒頭の一文に引き込まれる
ii こんなキャラ、あんなキャラ 作品の登場人物たちに翻弄される
iii こんな世界、あんな世界 物語の設定に目がまわる
iv こんなカフカ、あんなカフカ 作家の素顔に驚愕する
v こんな終わり、あんな終わり 結びの一文に絶句する
年譜/読書案内/あとがき
追記
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