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50年の暮らしを描いた作品 を見ました。 高橋伴明監督 の 「桐島です」 です。
「どうしたんですか、落ち込んでいらっしゃるようですけど。」 まあ、 50年前 というのは、 そういう時代だった ということでしょうか。 「遅れてきた青年」 という言い方がありますが、妙にアナーキーで収拾のつかない生き方を選んじゃったりするんですよね。そんなことをしみじみ考えた映画でした。やっぱり 拍手! ですね(笑)。
「うん、今の映画の人、ボクと同い年で、まあ、早生まれらしいから一年上級生なんだけど、この人がやったこととか、交番の前に顔写真が張られ続けていたこととか、はじめから知ってるんだよね。ボクは浪人したから大学一年だったけど、主人公、多分、大学3年生だったんじゃないかな。あなたたちは知らないだろうけど。ほら、内ゲバの殺し合いとか、交番焼き討ちとか、ハイジャックとか、あのころ。周りに、この人みたいな人、いたんだよね。今はどうしているのか、全く知らないけど。」
「ぼくの親父は、少し年上みたいですけど、東京のW大だったようです。でも、まったくかかわりなかったって言ってました。」
「うん、いつの時代でも、関係ない人には関係ないんだよな。ボクだって、自分自身が関係あったわけじゃないよ。でも、いたんだよね、近くに。その後、50年、何の音信もないけど、そいつが置いていったホントか、レコードとか、なんとなく捨てられないで今もあったりする奴がね。なんか、心のどこかに引っかかっちゃっていて、交番の前に何十年も張り出されている、この映画の主人公の写真見たりすると、あいつ、どうしてるんだろうとか、その友達のこと思い出したりするんだよね。」
「爆弾とかの人ですか?」
「いや、まあ、完全には否定できないけど、だって、そういうきな臭い時代はすぐに終わったからね。でも、この映画、主人公をバカにしていないし、特別視もしていないところがいいんだよね。」

めだたぬように はしゃがぬように もう一度、しみじみしちゃいましたね。そういえば、映像の向こうに、ずっと響いていた ギター は 憂歌団の内田勘太郎 だったし、最後に現れたのは 関根恵子 、いや、今は 高橋恵子 か?
似合わぬことは無理をせず
人の心を見つめ続ける
時代遅れの男になりたい
みんなボクと同学年ですよね。 主人公の 桐島くん 、本気で 「めだたぬように、はしゃがぬように」 50年生き抜いたんですよね。 森田童子 だったか、誰の歌だったか、
「もう一度やり直すどんな生き方があるだろうか」 というのがあった気がしますけど、最後に 「桐島です。」 と名乗った彼だけじゃなくて、いったい誰にやり直すことなんてできるというのでしょうね。
みんな、一回きりを、生きているんですよね。 高橋伴明監督 が、 一回きり をそのようにしか生きられなかった、 主人公 を貶めることなく、普通の奴として描いていたことに、もう一度、 拍手! でした。
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