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2025.07.15
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​ニック・チェク「年少日記」シネリーブル神戸​
​​​  ニック・チェク という 香港 の、おそらく、かなり若い 監督 「年少日記」 という作品を見ました。見終えてから一月たつのですが感想に難渋しています。まあ、しかし、ボクにとっては備忘録でもあるわけで、何とか書き終えておこうと思います。​​​
​​ とりあえず書いておこうと考えたのは、この作品が、
​とてもいい作品だ!​​
 ​ と、ボクが考えているからです。
 で、その評価の理由は 二つ あります。​​その理由の 一つ は、 主人公の設定 でした。書いちゃうと叱られそうなんですよね。でも、その設定に、ボクは心うたれたんです。​​

 映画の冒頭のシーンだったと思います。可愛らしい少年が、香港全体が見渡せるらしい10階を超えるビルの屋上の柵になっているコンクリートの塀の上に座っていて、向こう向きにフッと姿を消します。​
​​ ​「あっ!?」​​​
​ ドキッとして、声をあげたくなるシーンなのですが、彼が飛び降りたのは外壁の柵になっている、その塀の向こう側にあるスペースだったことが明かされて、ちょっと、ホッとして映画は始まりました。
​​​​ そこから、この可愛らしい、その 少年 が、今のことばでいえば虐待としかいいようのない、両親からの折檻に耐えながら、何とか生き延びる方法を探すかのように書き綴った 日記 の哀しく切ない日々の情景が、 美しいピアノ曲の響き の中で繰り広げられます。​​​​
​​​「この子は、どうなるのだろう?」​​​
​​​​​​​ 無責任な観客である老人は、 両親 、特に 父親 から見れば、出来が悪くて手の施しようのない この少年 こそがこの映画の主人公で、 この少年 が、それ相応の、それこそ、今の流行り言葉でいえば PTSD とかに苦しめらながら生き延びていく姿を予想し、 両親 や、 出来のいい弟 の振る舞いに半ば呆れながら、そんなふうに見ていたのです。​​​​​​​
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ところが、全編を見終えて、この 最初のシーン を思い出し、そこから始まる、この少年をめぐるすべてのシーンは、幼くして死んでしまった兄が残した日記を、残された弟が、少年時代から、映画の今である、成年に達するまで、繰り返し読む中で、繰り返し思い浮かべた心象映像だったことに気付いて唸りました。
 最初のシーンを見ているボクの前で少年は無事でしたが、実は、この日記を繰り返し読む弟が繰り返し思い浮かべていたシーンだったのですね。
​​ 「もう、これ以上、殴るにもあたいしない。」 ​​
という 父親の発言 に、ついに耐えきれなくなって幼い命を絶った兄のPTSDを引き受けたのは弟だったのです。​
​​「あの、優しい先生のような、先生になる。」​​
​ と が書き残した を生きようとする の心の底にわだかまるこわばりを ​​
​「ことばにならない叫び」 ​​
​ ​ という形で描いた 監督のセンス に唸りました。
を失い、 が去り、 老いた父親 を見取りながら、 恋人 との間に生まれてくるはずだった 新しい命 拒絶 してしまう に、青年教員であるという主役の座を与え、同じように苦しむ生徒たちとの出会いによって 希望 を与えようとする、この 若い監督 の素朴で真摯な映画観に 拍手! でした。​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ で、この映画を評価する もう一つの理由 ですが、これが、 現在の香港の監督によって撮られている ということです。

 子どもを折檻することで、社会的な成長を促すとか、あるいは、自分にはできなかった文化的なというか、教養的なというか、例えばピアノを習うとか、文学全集をそろえるとか、学校の成績がいいとか、いい学校に行くとか、いってしまえば、自分自身には経済的に不可能だった 「カッコよさ」 を期待するとかいう態度は、成り上がりの親たちの、ありがちな特徴の一つですね。
 ボクなんかが子どもだった時代、 1960年代からの20年間ぐらい によく見かけたシーンです。そういう、今となっては 時代遅れと思われる父親像 を、この 監督 は何故描いているのかというところに、引っかかったんですね。
 答えは、 香港の監督だから ということですね。 中国による香港に対する暴力的支配の過程に対する映画的批判 とでもいうべきかもしれませんが、ボクは 主人公 香港 の街を見下ろす丘の上で、 言葉にならない叫びをあげるシーン に、ふと、そんなことを考えて 拍手! でした。まあ、牽強付会ですけどね(笑)。

監督・脚本 ニック・チェク
キャスト
ロー・ジャンイップ
ロナルド・チェン
ショーン・ウォン
ハンナ・チャン
カーティス・ホー・パクリム
2023年・95分・PG12・香港
原題「年少日記」・英題「Times Still Turns the Pages」
2025・06・09・no086・シネリーブル神戸no314


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最終更新日  2025.07.15 13:13:36
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