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「へえ、そうなんか?」という印象です。あとはよく知りません。
「ブルータリズムはどこだ?どこに書いてあるんだ?」という一心で、読み終えました(笑)。
モダニズムと日本との分断には1950年代の新しい状況も影を落としていた。それは ブルータリズム建築 と呼ばれる、新しいデザインのトレンドである。きっかけを作ったのはコルビュジエがマルセイユ郊外にデザインしたユニテ・ダビタシオン(1952)である。戦前の コルビュジエ の、平滑で質感のない白いコンクリートとは対照的な荒々しいコンクリートの外壁。巨木を想起させる太いピロティ柱。コルビュジエはこの縄文的表現を、その後、 ロンシャンの礼拝堂(1955) 、インドの チャンディーガル の作品群(1955~1962)でさらにエスカレートさせていった。 コルビュジエ はまたしても時代を先導したのである。 まあ、こういう感じです。コンクリートを素材として建設されはじめた世界中の戦後建築の、いってしまえば開き直り的な様式名のようですが、ここで、新たに気にかかるのが、 「縄文」 という言葉ですね。ついでですから、続けて引用します。
イギリスの建築家 スミッソン夫妻 は、この流れを 1953年 に ブルータリズム と名付けた。それは、20世紀の工業化社会の産物であり象徴であるコンクリートという素材を、多様な場所、多様な文化へと適合させ、ローカライズするための新デザインであり、コンクリートの延命策でもあった。工業化の波が世界の隅々へ広まっていく戦後的状況に建築家は鋭敏に反応し、コンクリートに荒々しい野生の表現を付与した。 縄文は、そのブルータリズムの日本流の言い換えであった。
日本において発明された 縄文 は、日本とコンクリートとの安易な野合の別名であった。 縄文 という便利なキーワードを発明したことによって、コンクリートは何の遠慮もなく、いかなる罪の意識ももたずに日本の繊細な都市を破壊することが許されるようになった。 縄文 は日本人を決定的に伝統から遠ざけるきっかけをつくり、この国の豊かな伝統を忘却するための言い訳になった。(P205) かなり批判的ですが、具体的にどんな建築のことを言っているのかについては、 本書 なりをお読みいただきたいのですが、 丹下健三 とか、 黒川紀章 とか、まあ、ボクでも名前だけは知っている建築家が名指しされて登場したりで、けっこうスリリングでしたよ。
なんだか、キナ臭い文化分野なんだな・・・ ということはよくわかりました。
追記
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