PR
カレンダー
カテゴリ
コメント新着
キーワードサーチ
石垣りん
の 「表札など」
という 第2詩集
です。 1968年
、詩人が48歳だった時に思潮社から出されて、その後、花神社から再刊された詩集ですが、ボクが借りたのは詩人が80歳で、まだ存命だった2000年に童話屋から復刊された本です。
シジミ 石垣りん いかがでしょう。これが 石垣りん の ユーモア ですね。
夜中に目をさましたゆうべ買ったシジミたちが台所のすみで口をあけて生きていた「夜が明けたらドレモコレモミンナクツテヤル」
鬼ババの笑いを私は笑った。それから先はうつすら口をあけて寝るよりほかに私の夜はなかつた。
この 第2詩集 を出された時の詩人の あとがき がこれです。表札 石垣りん
自分の住むところには自分で表札を出すにかぎる。
自分の寝泊まりする場所に他人がかけてくれる表札はいつもろくなことはない。
病院へ入院したら病室の名札には石垣りん様と様が付いた。
旅館に泊まっても部屋の外に名前は出ないがやがて焼場の罐(かま)にはいるととじた扉の上に石垣りん殿と札が下がるだろうそのとき私はこばめるか?
様も殿も付いてはいけない、
自分の住む所には自分の手で表札をかけるに限る
精神の在り場所もハタから表札をかけられてはならない石垣りんそれでよい。
あとがき 思えば、半世紀以上昔のことですが、ボクは70年代に読みました。ボクにとっては母親の世代の詩人ですが、激動の時代を、一人の生活者として生き抜き、女性として、人間としての誇りを自ら育ててきた 「リン」とした言葉 が響いていることにうたれた記憶があります。この詩集には教科書にも載せられていて、授業で解説したりしたこともある 「崖」 とかも入っていますが、そのあたりの作品は、いずれ案内するつもりですが、今日のところは、まず 「シジミ」 ですね(笑)。
伊豆の五郎は私と同じ年のはとこ。四十を越して、遠くたずねてゆくとムスメが三人顔をそろえる。ひとり者だからと言つて、私が何もこしらえないのは申しわけない。借金を勤め先にわずかばかり。それはいいとして、借情、借交、借手紙、そんあ言葉があろうかと思うような、身にふりつもるもので齢も心も重たくかしいできた。
これは私の、九年前に出した一冊に続く二冊目の詩集。はずかしいけれど精いつぱいでほんの少々の返済。それに価格をつけるのはどういう了簡だ、面白くもない。と言われたら。だって、働いてきた。お金ではまだあなたに借りていない。
一九六八年八月 石垣りん
追記
ところで、このブログをご覧いただいた皆様で 楽天ID
をお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
週刊 読書案内 石垣りん「女」他(「石… 2025.10.29 コメント(1)
週刊 読書案内 石垣りん「石垣りん詩… 2025.10.17 コメント(1)
週刊 読書案内 石垣りん「崖」・「弔詞… 2025.10.14 コメント(1)