殿上人日記

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2014年11月17日
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カテゴリ: 長野、山梨の旅
2007年7月5日 「生きていること。自由であること。夢を見られること。」

戦没画学生慰霊美術館1

  まるで水底にいるような、圧迫感を
  感じながら、その薄暗い空間に掲げ
  られた、彼らの生きていることの証
  夢も、希望も、喜びも、悲しみも
  憤りも、愛をもこめられたような
  作品の数々を、目でたどろうとした

  しかし、どうしても目の前にある
  作品自体ではなく、その下に書かれた
  説明文に視線が奪われてしまう


  山之井龍朗(兄)昭和20年5月○日
  フィリピンルソン島にて戦死。享年24歳  

  山之井俊朗(弟)昭和19年4月○日南方へ
  向かう輸送船爆沈のため戦死。享年21歳


戦没画学生慰霊美術館3

  画家を志した仲の良い兄弟は、生きて
  故郷の地を踏むことは無かった

  念願だった美術学校にも入学をして
  これからという時に、召集がかかり
  思うような絵を一枚も描けなかったと
  嘆きつつも、戦場に散った青年

  父には日本男子の本望と語りながら
  前線に向かう前日に、訪ねた母には
  「生きて、もっと鋳造作品を作り
  たかった」と、本音をもらした青年

  あと5分、あと10分、この絵を
  描きつづけたい。生きて帰ってきたら
  必ずこの絵の続きを描くから。しかし
  完成をすることが無かった絵だけが残る


戦没画学生慰霊美術館2

  戦没画学生慰霊美術館「無言館」に
  ついては、以前に、このブログでも
  取り上げた事があるが、先日、信州
  上田にある無言館に訪れることが出来た

  彼らの残した生きた証を、戦後も保存を
  されていたご遺族。中には、青年が亡く
  なった病院の関係者が、捨てるに忍びなく
  長らく保存をされていた作品もあるという


初夏の花2

    ああおとうとよ 君を泣く
    君死にたもうことなかれ
    末に生まれし君なれば
    親のなさけはまさりしも
    親は刃(やいば)をにぎらせて
    人を殺せとおしえしや
    人を殺して死ねよとて
    二十四までをそだてしや

  日露戦争に出兵をした弟を嘆く、与謝野
  晶子の「君死にたもうことなかれ」が
  頭の中でぐるぐると渦巻いていた

  今度は、彼らの作品を見ようと思い、また
  館内を一周をした。それでも、なかなか
  その場を離れることが出来なかった


初夏の花1

  温泉帰りの高齢の団体客が、むごい話だのぉ
  などと見学をしていたが、彼らと同じくらいの
  若い人たちにこそ、彼らの絵を見てほしい
  自由に生きることが、どれだけ幸せであり
  自分達には、限りない可能性があるのを
  自覚をしてほしい

  余談だが、硫黄島からの手紙の映画の中で
  妻子の為にひたすら帰還を願い、妻あての
  手紙を書き続ける若きパン職人の西郷を
  助け、無意味な自決、特攻を許さなかった
  栗林中将は、 真田藩のご城下である松代の
  郷士の家に生まれたという


大樹

  藤田嗣治に師事をし、二科展にも入選した
  椎野修はビルマで戦死をした。彼はつぶやいたそうだ

      空も海もこんなに美しい。それなのに
      人間はどうして戦争なんかするんだろう

                        享年31歳


           平成19年6月25日午後、上田で撮影


2009年11月9日 「人は城 人は石垣 人は堀 情けは味方 仇は敵なり」

信玄5

  昨年の大河ドラマの「風林火山」では、信州の武将で
  信玄の部下だった真田幸隆がお気に入りで、松代や
  川中島などの信州の所縁の地に出かけたりもした

  しかし武田信玄といえば、やはり甲斐の国! 八ヶ岳の
  雄大な富士を望む山麓には、大河ドラマのロケで使われた
  セットが残されて風林火山館として公開をされている

信玄2

  其疾如風、其徐如林、侵掠如火、難知如陰、不動如山
  動如雷霆

  其の疾きこと風の如く、其の徐(しず)かなること林の如く
  侵掠すること火の如く、知りがたきこと陰の如く、動かざる
  こと山の如し、動くこと雷霆(らいてい)の如し

  風林火山とは、中国の思想家である「孫子」が軍隊について
  書いたものである

信玄3

  人は城 人は石垣 人は堀 情けは味方 仇は敵なり

  どれだけ城を堅固でも、人の心が離れてしまったら
  世を治める事はできはしない。情けが人をつなぎとめ
  おのずと国を栄えさせるが、仇を増やしたとすれば
  国は滅びてしまうだろう

信玄8

  こちらは、武田の統治や軍学の書「甲陽軍鑑」によれば
  武田信玄の言葉であるそうだ。今の世もまた同じなのでは
  ないだろうか。国も、企業も、それを支える人を大切に
  してこそのものである

  住宅の減税で、高額の住宅ローンを借りた人の中には
  リストラなどで収入が激減して借金を返せず、不動産の
  価値も下落して、売っても借金しか残らない話も聞く

  大手ローン会社などのグレーゾーン廃止で、そこですら
  借りれなくなった人たちは、闇金で借りるすべしかなく
  更なる借金地獄に落ちている人もいるそうだ


信玄7

  良かれと思ってやった事であっても、時には、それが
  悪い方向にすすむきっかけになってしまう場合もある

  不安定な雇用で、払わなければならない公的なお金も
  払えず、保険証を取り上げられ、具合が悪くても全額
  負担がきつく治療を受けるのを躊躇し、重病化をしたり
  本来ならば自治体からの援助を受けれるはずの子らも
  それも受けられないとも聞く

  現役世代の為だと始めた高齢者の保険も、逆に負担金が
  重くのしかかり、今までの社会保険をやめる企業が増えている

信玄4

  国の将来を支える子らを産む女性らも、お金が払えず
  妊婦さんの定期健診も受けない人がいたりとか、いざと
  いう時に受け入れてくれる病院も無く、たらい回しで
  命の危険すらも

  将来を築く、子供たちを育てる公立学校の教育現場もまた
  教育費の削減により、安月給で不安定な立場の非正規雇用の
  先生が増えて、教育の質の低下が心配をされている

信玄9

  新聞の記事で、名古屋で今日から始まったという企画展は
  自殺に追い込まれた方のご遺書や、ご遺族のやるせない
  思いと厳しい現実を、多くの人に伝えたいと開催された

  時には連続36時間もの激務に絶えかねて、病院の屋上から
  飛び降りた医師。新しい任務を任されて思うようにゆかず
  残業続きの息子を、異常を感じながらも、会社に見送って
  しまった母。これが息子との最後の会話になってしまうとは

信玄10

  正義感が強い、真面目な人ほど追い込まれてしまう社会

  今、この日本を背負う人たちを、おめおめと死に追いやって
  しまうのは株で損失を出しただの、為替差益がどうのだのと
  いうよりよりも、多大な損失である気がする。10年間もの
  長きに渡り、年間3万人もの命が自らの意思で絶たれている

信玄12

  国を支えているのは、お年よりも、子供たちも、海外から
  やってきた人も・・・・そんな、ひとりひとりの人であり
  命である事を、今一度、考えて欲しい

  人は城 人は石垣 人は堀 情けは味方 仇は敵なり

信玄6

  空と草原と森と山しかなく、ビルも電線も見えないここで
  戦いのシーンの撮影がされた

信玄15

  甲斐国は養蚕の普及で桑畑化し田地が集約をされ、その裏作で
  麦の栽培がされ、ほうとうを始めとして粉食料理が発達した

  東部は山間部で寒冷な気候で平坦地に乏しく、富士北麓は
  季節変動が激く、水利に乏しい溶岩台地が広がっている為
  米の栽培が困難であったそうである。富士吉田はうどん
  富士宮(静岡県)は焼きそばで有名だ

信玄14

  「三分一湧水」という八ヶ岳山麓の湧き水は、水に苦労を
  していた三つの村の農民らの水争いを絶つ為、武田信玄が
  湧き水を、均等に三方向に分かれるという仕組を作った
  とも言われ、別名「武田の三分水」とも伝わるものだ

信玄13

  隣国である甲斐の武田信玄に侵略をされて、統治をされた
  信濃の国であるが、所によっては武田贔屓の人もいるそうで
  このような話一つをとっても、信玄の優れた治国によって
  農民は恩恵を享受し、生活も向上をした為ではないかとも
  言われている

信玄1

        平成20年11月2日に山梨県八ヶ岳山麓で撮影





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最終更新日  2014年11月17日 21時36分48秒
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