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2020.01.19
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第8話「うごめく陰謀」

沈四海(シンシカイ)は呉蔚文(ゴイブン)と張り合ったせいで災難続きだった。
しかし貝勒(ペイレ)から罰を受けた杜明礼(トメイレイ)にとってはそれが大きな助けとなる。
後ろめたい査坤(サコン)は沈家の敷居をまたぐのを躊躇したが、杜明礼に従うしかなかった。

杜明礼は憔悴した沈四海の味方のふりをして近づいた。
そこで亡き月生(ゲッセイ)の敵を討ち、星移(セイイ)を救出したくないかと持ちかける。
自分にその力はないが、呉蔚文の後ろ盾以上の存在がついている。
すると沈四海は敵討ちと星移の釈放が叶うならどんな代償も惜しまないと訴え、杜明礼が望む額を払うと約束した。

杜明礼はその覚悟を聞いて安堵し、星移が3日以内に戻って来るとだけ伝えて帰った。

涇陽(ケイヨウ)の役所に趙白石(チョウハクセキ)の恩師・張長清(チョウチョウセイ)が例の証拠品を持って駆けつけた。
すると張長清はひとまず沈星移を釈放するよう勧める。
困惑した趙白石は沈星移もそろそろ限界が近く、あと数日で自供すると自信を見せた。
何より赴任したばかりで2つの事件が未解決では県令としての立場がない。
ところが張長清が急に怒り出し、県令の座で満足なのかと声を荒げた。
実は沈星移を留め置けば、手柄を立てるための大きな障りになるという。
張長清は証拠品から血竭(ケッケツ)を取り出すと、実は松脂(マツヤニ)を染めた偽物だと教えた。
しかし偽物が入っていたのは古月(コゲツ)薬材の袋、これでは呉家東院の容疑は立証できない。
ただこれを使って朝廷に再調査を申請し、調べ直しになって事件が解決できれば趙白石のお手柄となろう。
「県令の職に甘んじている必要はなくなるのだ」

「(´ ・ω・)お、おう…」

一方、呉家東院の若奥様になった周瑩(シュウエイ)は別院に禁足となった。
何とか息抜きしたい周瑩は仕方なく木に登って外を眺めることにする。
春杏(シュンキョウ)が危ないので早く降りるよう必死に声をかけていると、ちょうどそこに呉聘(ゴヘイ)が帰って来た。
呉聘は周瑩の姿を見て肝を冷やすが、周瑩は放っておいてくれとへそを曲げる。

そこで呉聘は母の言う通り若奥様らしい振る舞いができるようになったら街へ連れて行くと懐柔した。
↓「じぇんだ?」「じぇんだじぇんだ!」


杜明礼の言った通り沈星移が釈放されて沈家に戻って来た。
すると沈四海は呉聘を襲った星移をいきなり引っ叩き、やるなら証拠を残さず息の根を止めるべきだったと叱る。
しかし月生だけでなく星移まで失うことはできない。
沈四海は二度と手を出すなと命じ、月生の無念は自分が晴らすと言った。

沈四海はその夜、ひとりで杜明礼を訪ねた。
そして約束通り金を渡し、今度は月生の敵討ちを頼みたいと訴える。
しかし杜明礼は金を受け取らず、敵討ちを成功させるためには貝勒の力だけでは足りず、沈四海の協力が不可欠だと言った。
「そのために人道にもとる覚悟が必要だと言ったら?」
「呉蔚文は沈家に対し冤罪から殺しまで手段を選ばない男です
 道義を貫く必要があると?敵を討てるなら何でもします!」
沈四海が改めて金を差し出すと、杜明礼は素直に受け取った。

仕事を終えた呉聘が別院へ帰ると、周瑩が猛特訓した成果を見せに来た。
裾を揺らさずに歩く練習をしていたため、裳裾にはまだ鈴が付いている。
「夫君、お戻りになったのね、お疲れでしょう?お茶でも入れましょう」
呉聘は笑いを必死にこらえ、いらないと言った。

そこで周瑩は静かに歩きながら椅子に腰掛けようとしたが、うっかり尻もちをついてしまう。
「明日も特訓ね…」
「必要ないよ?」
「ダメよ!若奥様らしくしなきゃ」

その頃、杜明礼のもとに張長清が訪ねていた。
杜明礼が張長清は李(リ)大人(ダーレン)の幕僚の中でも知恵者だと持ち上げれば、張長清も皇太后が貝勒に特に目をかけているのは杜明礼の功績だと称賛する。
実は阜康(フコウ)銭荘(銀行)の胡雪岩(コセツガン)を筆頭に大勢が調べを受けたのは張長清のお手柄だった。
今回も沈星移の解放に尽力したが、張長清は貝勒からの指示なら全力を尽くすという。
その目的は呉蔚文の息の根を止め、背後にいる者を引きずり出すためだった。
主は違ってもこの件における利害は一致している2人、そこで手を組もうと決め、手始めに張長清が趙白石から手に入れた証拠を見せた。
「欽差(キンサ)大臣が東院の蔵に入る前、家職がこの袋を隠そうとしていました
 別の場所に移そうとしているのを私の部下が発見したのです」
杜明礼はようやくなぜ計画が失敗に終わったのか納得する。
しかしこれで再調査になれば呉蔚文も左(サ)大人も弁解の余地はないと安堵したが、話には続きがあった。
実は偽物の血竭が入っていた袋は古月薬材店の品だと書いてあるという。
張長清はまだ首謀者が断定できないので詳しく調査すると言った。
焦った杜明月は役割分担しようと持ち掛け、張長清は朝廷の動向を、涇陽の調査は自分に任せて欲しいと告げる。
張長清は快諾し、確かな証拠を頼むと言って帰って行った。

あの夜、仁寿(ジンジュ)堂の蔵に侵入したのは査坤だった。
しかし予想外に沈月生が現れ、そのせいで袋を調べる間もなく偽の血竭を仕込んでしまう。
査坤は身を隠すだけで精一杯、ろうそくの火を消し忘れていた。
灯りに気づいた沈月生はろうそくの場所までやって来ると、封が開いた袋に気づいて中を調べてみる。
侵入者に気づいた沈月生をこのまま帰すわけにもいかず、査坤は背を向けた沈月生を背後からいきなり刺して殺していた。

一方、呉聘との縁談が流れた胡咏梅(コエイバイ)は食事ものどを通らなかった。
胡志存(コシソン)は心配して阿膠(アキョウ)の粥を持って来たが、娘の怒りはまだおさまっていない。
そこで黄泉にいる母が安らかに眠れないと訴えると、咏梅は反省してようやく食べると言った。

(´・ω・`)oO(でぃぇ、禁じ手を使うとは…

六椽(ロクテン)庁に呉家の当主たちが集まった。
そこで東院の家職・楊之渙(ヨウシカン)が沈星移が何の裁きもなく屋敷に帰されたと報告する。
呉蔚文は新しい県令が高潔な男だと買い被っていたと落胆したが、ひとまず様子を見ようと言った。
「だが今後、沈家の息がかかった商売は十分に用心しろ、とにかく近寄らないに限る
 それから胡家との取引は未払いがあればすぐ精算を済ませろ、以後は取引しない」
呉蔚文はそこでこめかみを押さえている呉聘に気づくが、南院の三老・呉蔚双(ゴイソウ)が三原(サンゲン)質店の前四半期の報告をすると言った。
呉蔚文は早速、孫(ソン)番頭から帳簿を受け取り確認すると、なぜかそのまま帳簿を取り上げてしまう。
次に西院の二老・呉蔚武(ゴイブ)が湖北産の綿布の値が上がっているため在庫を増やしてはどうかと提案したが、呉蔚文の鶴の一声で、買うなら値が安定している河南産だと決まった。
すると四老・呉蔚全(ゴイゼン) が中院の織物工房の資金繰りが苦しいと訴える。
呉蔚文は何(カ)先生と相談するよう指示し、そこで今日は散会とした。

呉蔚文は呉聘だけ引き止め、頼みごとがあるがその調子では心配だと言った。
呉聘はめまいと言っても少しだけだと安心させ、任せて欲しいという。
すると呉蔚文は孫番頭から取り上げた帳簿を渡し、売り上げに問題があると教えた。
呉聘が最終的な収支を見てみると、確かに利益がたったの1,852両しかない。
三原質店が開業して3年、しかしずっと売上が伸びていなかった。
しかし西安や富平、高陵あたりの質店は四半期で8千両の利益を上げているとか…。
千両程度の差なら問題ないが、さすがに数千両となるとおかしい。
そこで呉蔚文は呉聘に内密に調べて欲しいと頼んだ。
特に店を任せている三叔には気づかれないよう釘を刺し、念のため武術の達人である韓(カン)師傅を護衛につけるという。

一方、沈四海は唯一の息子となった星移に商売を叩き込むことにした。
しかしこれまで道楽息子だった星移は帳簿に目を通しても頭に入らず、すぐに飽きて遊んでしまう。
激怒した沈四海だったが、夫人は今に分かるとなだめた。
「星移は賢い子です」

つづく

( ๑≧ꇴ≦)歯を見せない周瑩の顔www





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最終更新日  2020.01.19 00:40:10
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