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第6話「仕掛けられた罠」

宋運平(ソウウンヘイ)は蘇綺(ソキ)を呼び出し、君蓁蓁(クンシンシン)を始末するよう命じた。
流石に蘇綺は躊躇したが、これも娘・錦繍(キンシュウ)の安泰のためだという。
一方、曹(ソウ)氏は蘇氏が慎重に顔を隠して馬車に乗り、尾行をまいたと報告を受けた。
蘇氏の裏切りに腸が煮えくり返る曹氏と劉(リュウ)氏。
かつて蘇綺は従兄の宋運平を頼って沢(タク)州に来たが、宋運平が賊に襲われた老爺を救った恩から蘇氏を側室に迎えていた。
すると楚九齢(ソジゥリン)が恐らく2人は結託していると怪しむ。
「焦るほど馬脚をあらわしやすいものです」


これで方家の顧客名簿が手に入るだろう。
しかし張宝塘(チョウホウトウ)が思いがけない知らせを持って来た。
実は陸雲旗(リクウンキ)が九齢の誕辰の日に姉・九黎(キュウレイ)と婚姻するという。

その頃、陸雲旗は今日もまた九齢の墓参りに来ていた。
わざわざ料理を習い、九齢の好物の菓子を作って来たという。
「初めて会った時、君は私があの子だと気づかなかった…そしてこれからも…」
幼い頃、いじめられていた陸雲旗は紅い衣を着た美しい娘に助けられた。
それ以来、毎日のように九齢を思い続け、ついに待ちわびた婚姻の日を迎える。
「やっとありがとうと伝えられると思ったのに…
 九齢や、私を恨まないでくれ、私は君の姉と結婚するよ」
陸雲旗は九齢を救えなかったことを悔やみ、せめて九齢が愛した姉弟を守りたいと涙した。


しかしその帰り道、何者かが馬に針を放ち、驚いた馬が暴走してしまう。
馬を引いていた御者は突き飛ばされ、九齢は車から出て何とか手綱をつかんだ。

朱瓚と宝塘は酒楼の2階にいた。
沢州の運送業者と商家を調べたが何も見つからず、残るは徳盛昌(トクセイショウ)だけとなる。
すると悲鳴と共に暴走する馬車がやって来た。

馬が止まっても見つめ合う蓁蓁と朱瓚。
そんな2人の姿を目の当たりにした柳児は方家に戻ると、あの男に気があるのか聞いた。
「…気があるんじゃなくて気に入っているだけよ」
九齢は例えば寧家のことは嫌いだが、実は偶然、寧公子と出会ってその人柄を見直したという。
「これが気に入るということよ」

九齢は客桟の朱瓚を訪ね、改めて感謝した。
朱瓚は馬に針が刺さっていたと教え、恨みを買ったのかと心配する。
「やっぱりね…誰かが婚礼を邪魔したがっているの」
「少爺に毒を盛っている奴らか?」
「いかにも…」
すると朱瓚は間もなく出立するため、徳盛昌の名簿が早く欲しいと頼んだ。
実は陸雲旗が九齢の誕辰に九黎公主を娶ることになり、その前に都へ行くという。
…陸雲旗、なんて奴なの…
方家に戻った九齢はその夜、曹氏と劉氏になるべく早く承宇と婚姻したいと頼んだ。

3月3日は縉雲(シンウン)楼が店を開放し、誰でも入れる日だった。
九齢は寧雲釗の文が偽物と見抜きながら出かけてみると、早速、侍女が現れ個室へ案内される。
雲燕(ウンエン)と朋友の林瑾児(リンキンジ)は自分たちの向かいの部屋に入る君蓁蓁の姿を眺めていた。
すると侍女が計画通り蓁蓁に薬入りの茶を勧めて出て行く様子が見える。
その時、蓁蓁がふいに窓の外を見た。
雲燕たちは慌てて隠れたが、九齢は2人に気づいて警戒を強める。
「…薬が入っているわ」
九齢は茶の匂いがおかしいことに気づき、柳児に侍女を探るよう指示した。

侍女は男に銭を渡し、3号室の娘を襲うよう頼んでいた。
驚いた柳児はすぐ帰ろうと言ったが、九齢は逃げてもまた狙われるという。
するとちょうど店主が余興として投壺(トウコ)で賭けをすると発表、挑戦者を募った。
九齢はこの機に決着をつけようと考え、雲燕と自分の名前で申し込んでしまう。
「小姐、いくら稼げますかねえ~」
「5千よ…まさか子供の頃の遊びが役に立つとはね」

最初の挑戦者として寧雲燕と君蓁蓁の名が呼ばれた。
ちょうど友だちと遊びに来ていた雲釗(ウンショウ)は妹と元許嫁の名に困惑していたが、実は君蓁蓁が灯籠節で見初めた小姐だったと知る。
すると雲燕から自分の代わりに出て欲しいと泣きつかれ、友だちにまで煽られ舞台へ上がる羽目になった。

一方、朱瓚も賭けで儲けたいという宝塘に連れられ、店にいた。
朱瓚は興味なさそうに帰ろうとしたが、蓁蓁の名を聞いて足を止める。
こうして投壺対決は思いがけず元許嫁同士の戦いとなった。
しかし雲釗は素直に蓁蓁と再会できた縁を喜ぶ。
「すまない、君小姐、あなたを面倒に巻き込んで…」
「噂はお気になさらず」
「何を言われようと関係ありません」



投壺では勝者が全ての賭け金を手に入れ、敗者は賭け金の2倍を返還する決まりだった。
そこへちょうど飴売りの陳七(チンシチ)も見学にやって来る。
「君小姐、どのやり方にしますか?」
「有初(ユウショ)で…」
有初は全部で3局、壺は12で最初の2局は1人6本の矢を投げる。
そして最後の1局は1人12本、多く入った方が勝ちで2局先取した方が勝利だ。
賭け金は雲釗に集中、すると期待通り雲釗は6本すべて命中する。
しかし九齢は最後の1矢を外し、1局を落としてした。

2局目、先行の九齢は全ての矢を命中させた。
雲釗は難なく命中させていたが、最後の1本を外してしまう。
これで1対1となったが、九齢は雲釗が手加減したことに気づいて負けを認めた。
すると雲釗も蓁蓁が手を抜いたことを知っていたという。
「最後は本気でやりませんか?」
「ではそのように…」
その時、朱瓚の指示で宝塘が君蓁蓁に千両をかけた。
面白くない雲燕は兄に2千両も追加、そこで宝塘はさらに千両を上乗せして賭け金を釣り上げる。
雲燕は煽られるまま5千両を賭け、陳七は思わず寧家はいつも5千両だと揶揄した。
その時、九齢が自ら自分に5千両かけるという。
「君小姐?今なんと?」
雲釗は驚いたが、店主は君蓁蓁が5千両を賭けたと宣言した。

最後の1局、先行は雲釗だった。
雲釗は見事に12本の矢を命中させ、大喝采を浴びる。
次はいよいよ九齢の出番、すると九齢は12本の矢を握り締め、集中した。

つづく



( ๑≧ꇴ≦)キィャアァァァァァ~!ここで″つづく″か!





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最終更新日  2023.04.01 21:23:02
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