2006年01月07日
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カテゴリ: Classical Music
Trisha Brown Dance Company

Samedi 7 Janvier 2006 a 20h

garnier


Deuxieme Programme - 1re representation

Winterreise

Musique : Franz Schubert
Choregraphie : Trisha Brown
Costumes : Erizabeth Cannon
Lumieres : Jennifer Tipton

Baryton : Simon Keenlyside
Piano : Pedja Muzijevic

Dancer : Jodi Melnick, Stanford Makishi, Lionel Popkin



Premiere en France

さあいよいよ、今回の「冬の旅」のトリの演目です。「冬の旅」。
オペラ座のガルニエ宮、中に入るのは今回が初めて。
係員にバカなことを聞いてしまった。
「シャガールの天井画はどこにあるんですか?」
「中です。」
中に入ったらありました(汗)。
今回の席は「バルコン」。オペラ座のガルニエもロイヤルオペラハウス同様、すごく狭い。バルコンはオルケストラ(平土間)からは段になっているので見やすいが、私の目には少々遠い。シートは年代を感じさせる豪華なもの。回りは超セレブっぽい人たちばかり(まさに上流階級?)で緊張しました。
席に案内してくれる係りの女性が、「ボン・ソワレ!」と声をかけるのが耳に残っている。チップを上げなくてはいけなかったのに、そんな心の余裕がありませんでした。

ガルニエの廊下には、パリオペが誇るエトワールたちのそれはすてきな写真が大きく引き伸ばされて白黒で展示してあった。ジロ、オスタ、プジョル、イレール、マチュー・ガニオ、ジャン・ギヨーム・バール。おぉぉぉ。なにげにすごい~。

バリトン歌手、サイモン・キーンリーサイドのトリーシャ・ブラウン・ダンス・カンパニーとのコラボレーションである「冬の旅」。


結果的に言うと、んんんん~。
サイモンの歌はほんとにすばらしいのですが、私はモダン・ダンスへの理解が非常に浅いので…。なんともいえないものがありました。

Nr.1 Gute Nacht
Nr.2 Die Wetterfahne
Nr.3 Gefrorne Tränen

Nr.5 Der Lindenbaum
Nr.6 Wasserflut
Nr.7 Auf dem Flusse
Nr.8 Rückblick
Nr.9 Irrlicht
Nr.10 Rast
Nr.11 Frühlingstraum
Nr.12 Einsamkeit
Nr.13 Die Post
Nr.14 Der greise Kopf
Nr.15 Die Krähe
Nr.16 Letzte Hoffnung
Nr.17 Im Dorfe
Nr.18 Der stürmische Morgen
Nr.19 Täuschung
Nr.20 Der Wegweiser
Nr.21 Das Wirtshaus
Nr.22 Mut
Nr.23 Die Nebensonnen
Nr.24 Der Leiermann

1.お休み
2.風見の旗
3.凍った涙
4.かじかみ
5.菩提樹
6.あふれる涙
7.川の上で
8.回想
9.鬼火
10.憩い
11.春の夢
12.孤独
13.郵便馬車
14.霜おく頭
15.からす
16.最後の希望
17.村で
18.嵐の朝
19.幻覚
20.道しるべ
21.宿屋
22.勇気
23.幻の太陽
24.辻音楽師

※内容を知りたくない人はご注意ください。

1.「お休み」
 1曲目。暗闇の中いきなりピアノが流れる。歌いだすサイモン。鳥かごのような形をしたコルセットをつけた女性(ジョディ・メルニック)がぐるぐるサイモンの周りを回る。二人の影が大きく大きく後ろの壁に映っている。

2.「風見の旗」
 サイモンはピアノの脇に立つ。普通のリサイタルのスタイルだな。奥の方に男が一人(スタンフォード・マキシ、ハワイ出身、ゲスト・アーティスト)登場し、踊っている。

3.「凍った涙」
 サイモンが一人で歌いパフォーマンスする。

4.「かじかみ」
 ダンサーが3人登場する。上記の2人プラス、ライオネル・ポプキン。

5.「菩提樹」
 ダンサーが3人。客席から見てたてに一直線に並んでいる。手を斜めに差し上げたり、非常に手だけを特徴的に使っている。サイモンの手を支えるようにしたり、上に上げたり下げたり、まるで手振り信号旗のようで、めまぐるしく動く。こんなに細かく息を合わせてよく振付を(サイモンが)覚えていられるなと感心。歌いながらピアノを弾いたり、歌いながらギターを弾いたり、プロは良くやってるけど、私は二つのことをいっしょにできないので、複雑な身体的動きをドイツ語を歌いながらやるなんて…インクレディブル。かなり右脳と左脳を同時に活用しないといけないんじゃ…。このような手の動きは後半の楽曲にもあった。千手観音みたいです。

なにしろ何曲もあるので、1,2,3、と番号で内容を覚えていたがもう限界。明かりが暗いし、遠いので集中力が切れてきた。私にはシューベルトは向かないかも。あとの楽曲はどんどんどんどん、サイモンの動きはエスカレートしていく。予想はしていたが、サイモンの息が乱れることはまったくない。驚異的だ。肺活量すごい。声量もすごい。むしろ東京で見たドン・ジョヴァンニのシャンパン・アリアの方が息継ぎに間があった感じだ。あの時はもっと動き回っていたもんね。
サイモンは頭を、脳天を床につけたまま歌ったり。
大ジャンプ(お得意)してはいつくばって、そのまま歌ったり。
後半の曲では上手のオケピの(オケピが開いてる!)の縁まで行って、はいつくばって覗き込むようにしながら歌ったり。照明が暗いので、いったい何してんの?見えないよ?って感じでした。
「春の夢」のあたりでは2人が椅子のように重なって、サイモンが腰掛けたり、ベッドのように2人の上に横になったり。そのまま歌う。
ラクかと思いきや、不自然な椅子なので、すごく足の筋肉を使っているに違いない。
またサイモンが斜めに倒れるのを左右に寝そべったダンサーが両足で支える、というのもあった。タイミング合わなかったらどてっと倒れちゃう。

サイモンが太極拳のように一人で舞ってみせるのもあり、…。(心の中で大爆笑。すみません、ほんと)

サイモンの表情は終始、なんともいえない表情。笑うことはなく、怒ることもない。諦念? 恋を失った怒り、とか、人々や社会への怒り、は表情からは感じられない。歌はすばらしいのですが。きっとダンスがなければもっと違う表情で歌っていたろう。これはリサイタルではなく、パフォーマンスなのだ。あくまでね。
1カ所だけ、Simonが歌を間違えて(?)上を見上げて苦笑しているところもあった。違ってたらごめんなさい。
服装はよれよれのシャツによれよれのズボン。はだし。ノーメイク。颯爽としたジェントルマンではなく、疲れたくたびれた中年男(もちろん狙いでしょうが)。

そしてついに「ライアーマン」。
真っ暗。いったいどこにいるんだサイモン。舞台の奥のほうを男(ライアーマン=辻音楽士)が一人歩いてくる。
終了。
シーーーン。終わりましたよ~。

嵐のような拍手。聴衆はサイモンに大拍手、ピアニストにも。
トリーシャも出てきた。トリーシャにはブーイングがあったそうだが、よくわからなかった。
サイモンは何度も呼び出されてカーテン・コールに応えていた。
めずらしい…。

これは昔のサイモンがやるのはわかるけど、今のサイモンがやるべき作品なのかな? 私には疑問だ。彼は少なくともキャンセルしたがっていたけど。サイモンしか出来ない作品であることは確かです。
まあとにかく無事に一日目は終わった。

しかしこうやって盛大にけなしながらも、もし繰り返し繰り返しこの作品を見ることが出来るなら、中毒のように見続けるに違いありません。You bet I will. いろんなプロダクションが絡んでいるから映像化は難しいのかな… Simonってほんと幻の作品が多すぎる。Billyも幻になっちゃったし。幻を追い続けるのは疲れるわ。
ところでSimonの次の来日は、「2007年。か、8年だね。」(何をやるの?)「覚えてないけど、ドン・カルロ ~。かなんかだね。変わるかも。だと思うんだけどね。」
日本では「ドン・カル 」と言ってましたが。
何であれ、とにかく待ち遠しいことです。


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FOOD FOR SOUL Sardanapalusさま、ほんとにお世話になりました。





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最終更新日  2006年01月22日 21時42分47秒
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