ノイマイヤー振付「人魚姫」その3

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2009年02月14日

カテゴリ： BALLET

ハンブルクバレエ日本公演　2009

ノイマイヤー振付「人魚姫」その3

asuko さまとの往復書簡

　※御許可をいただきまして、asuko さんからのメールを紹介させていただきます。
　　いつもありがとうございます。

asuko: 単なるファンなのに、初日にドキドキしてブログ開いたりしてました。shevaさん、いつもながら感想一番乗りですね。音楽はやはり、たいしたことないですよね。でも、シルヴィアが全部を圧倒するので、音楽も装置もないようなものになってしまう。
　わたしはハンブルクでロイドで見たので感動もひとしおでしたが、彼もいずれは引退するのだから仕方ないですね。四月に「ニジンスキー」を見に行くのですがペトルーシュカをロイドじゃない場合は誰が踊るのか、興味津々です。
　それに１５日のエレーヌ人魚姫もどうなるのか。可憐なシルヴィアと違い、エレーヌは冷たい印象なので、ぬぼっとでかくて能面みたいで可愛くない人魚姫だとしたら面白いと思って、楽しみにしてます。ノイマイヤー初見の友達が終演後すぐ「泣いた!」とメールをくれました。
　ところで、ハンブルクで感動したと書きましたが、実は直後はわりとぼーっとしていたのです。泣いている人を見て「あらあら」と思ってたくらい。「ベニスに死す」を見たときは、すぐに「これをあと百回見たい」と思ったのになとか。ところが。ご存じのようにノイマイヤーの振り付けは頭にこびりつく。あとから、じわじわ来るのです。
　カースティンは王子じゃないので、わたしは明朗軽薄な加山雄三みたいな男と思ってみてました(海だし)。アッシェンバッハがおバカなタジオにのめり込むのと同じ。恋は盲目。「あんな男のどこがいいの?」に引きずられる。その愚かしさが哀切。サーシャが王子をやるときもあるようですが、彼だと優しさがにじみ出て、人魚姫を平気でほったらかしにする粗雑な男にならないと思う、ってなんでもやれる彼だから言い切れないけど。わたしは繊細さも深みもないカースティンの王子が気に入ってます。彼が意識して、そういう男を演じてるかどうかわからないけど。
　でも「カースティンが王子?」というのは、ファンがみんな言ってることですものねえ。王子キャラではない彼にあえてやらせたのは、やはり意図があるのではとか、いろいろ考えちゃいます。やる人で印象が違うだろうし、そういう妄想を広げられる懐の深さが面白いですね、ノイマイヤー作品は。(2月12日｝

Sheva－：asuko さま　いや～強烈でした～　久しぶりの全幕ノイマイヤー初見！
熱のせいで悪夢を見ているようでした。
やっぱり本音では「ベニスに死す」をやってほしかったな～

　だけど、カースティンは悪役が似合うと書いてあったのを読んで、ぴんと来ました。あの王子は、まさしく悪役です。だって、人の気持ちがわからない鈍感なバカヤロウでしょう。「人魚姫」の王子って、もともと、ひどいやつですよね。だからやっぱり、カースティンでよかったのだと思いました。このように、あとからいろいろ考えられるのもノイマイヤー・バレエの楽しいところです。(2月13日)

Sheva:　asuko 様、本当にありがとうございます。いちいち胸に来る納得の文章だと思います。
　ところで初日のシルヴィア、あるハンブルクファン経由の情報ですが、ハンブルクでの公演より出来が良かったそうです。まさに渾身の演技でした。本当にすばらしいノイマイヤー・ダンサーです。サーシャはどんな気持ちで見つめていたんでしょう。
　はあ～サーシャ・ロス～早くサーシャに会いたいです…おあずけくらってる犬みたいです。

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