小原啓楼(テノール)フロレスタン(東京二期会「フィデリオ」DAY4)「このシーンを待っていました!小原さん入魂のアリア Gott! Welch Dunkel hier! ~ Und spür' ich nicht linde, sanft säuselnde Luft? 拘禁反応で幻影を見るようになったフロレスタン。フロレスタンは手を差し伸べる。レオノーレに似た天使が迎えにきたのだ。そしてその幻影が消えじっと両手を眺める。希望をつかんだと思ったのに…ここでがーんと思い出す。苦悩のルートヴィヒ二世。小原さんもルートヴィヒだったのだ。彼が幻視の世界に生きるようになった時の心許なげな表情。つながっている!心が揺さぶられる。このフロレスタンはあのルートヴィヒとつながった。高揚していたフロレスタンは次第に意識を失い倒れる。」
安保克則(テノール)ドゥカ(町田イタリア歌劇団「リゴレット」レクチャーコンサート)「特にテノールの安保さん絶好調ですごかったです。お聴きするのは2回めですが今回HighD High Cis High C H など超高音を完璧胸声で輝かしく長く出しまくって本当に驚きでした。お声もDucaにぴったりの強靭で芯のある強く輝かしいお声でまさにpenetrating な声突き刺すような声で本当にすばらしかったです。」「カバレッタ Possente amor mi chiama を演奏してくれるというのです。柴田解説「High D が出てくるんです。」(楽譜上の最高音はA) これが柴田さんのプレッシャーの前振り通り、本当にすごいHigh Dを聴かせました。もうひっくり返りそうでした。Bravo! 先日生で聴いたセルソ・アルベロのようです。」 町田イタリア歌劇団『3テナーコンサート』
小堀勇介(テノール)※写真は本文と関係ありません。名曲コンサート「ロマンティック・イタリー・イタリー!」「Ecco ridente in cielo 小堀さんの美声が空気を震わす。ほどなく神アジリタに突入。一つの音もおろそかにしない、完璧なアジリタ。しかも歌うにつれてどんどんアジリタの高音への到達音程が高くなっていく。最後の方にはHigh Cをかすめるアジリタ。このアジリタだけは誰にもまねできない小堀さんの至芸。そして最後のカデンツァはHigh Cからドシラと音階を下って降りてくるもの。」「ドニゼッティ「連隊の娘」から♪ああ友よ、今日はなんとすばらしい日 Pour mon âme,Quel destin! J'ai sa flamme,Et j'ai sa main! Militaire et mari! そして9回のHigh Cへのジャンプ 完璧です!まさに空中綱渡り、空中ブランコ 無事着地です。さすがでした。」「La donna è mobile こちらも超難曲ですが、小堀勇介、さらに技巧をかましてきます。2回目の Muta d'accento でトリルです。カデンツァの直前です。カデンツァの e di pensiero で完璧なH音、長く強靭に伸ばします。さすがすごい!すばらしい集中力で歌い切りました。」 キャンペーンコンサート東京音楽コンクール入賞者による「テノールの響宴」
中井亮一(テノール)リヌッチョ(オペラ工房アヴァンティ「外套&ジャンニ・スキッキ」)「中井亮一さんはリヌッチョ初役だったという。まるで光り輝く鳩のように抜きん出た美声!役にぴったりの声ですばらしかった。」「リヌッチョのアリア Firenze è come un albero fiorito Viva la gente nova e Gianni Schicchi! すばらしい!軽やかな輝きのある声。彼の声の明るさでホールが明るく照らし出されたような錯覚すら覚える。テノールの声は光だ。」
又吉秀樹(テノール)マックス(イグレック音楽菜「ウェーバー「魔弾の射手」より」♬森を過ぎ野を越えて"Durch die Wälder, durch die Auen")「このあとのマックスの運命を先取りするかのような絶唱!刻々と変化していくマックスの気持ち、それに合わせて声の色も変わっていく。通常はハードなヘルデンテノールが歌うことが多い役なのですが、又吉さんが歌うと甘く甘くとても素敵になります。マックスって取りつかれた自分勝手な男なのですが又吉さんが歌うと甘い恋歌に聴こえます。最後のパートの爆発的パワー。」twitterアカウント「それいけ!クラシック (YouTube動画配信)」でも活躍中。2020年はディズニーのコンサートに出演。
城 宏憲(テノール)アルフレード(東京二期会「椿姫」DAY3)「アルフレードが現れる。やあ皆さん ヴィオレッタはアルフレードを呼び出す。プライドを傷つけられ嫉妬と怒りでいっぱいになっているアルフレード 叫んで人々を呼び戻す ヴィオレッタを侮辱するために Io cieco, vile, misero,Tutto accettar poteaアルフレードが札束を取り出したときガストンはやばい!やめろというしぐさ。アルフレードは今借りを返すとお金をヴィオレッタの頭上に舞わす。ドゥフォールは激昂しアルフレードの襟首をつかんで突き飛ばす。ジェルモンが現れる Dov'è mio figlio? più non lo vedo アルフレード Ah sì che feci! ne sento orrore アルフレードはしもてで我を失いがく然としている。次第に後悔の表情が浮かんでくる。苦悩するアルフレードをこんなに演じられるのは城さんだけ!」
ルネ・バルベラ(テノール)René BARBERA Il Conte d’Almaviva(新国立劇場「セヴィリアの理髪師」)「やっぱりバルベラさんやってくれました。信じられない神業!セッサピウレジストレの伯爵の大アリア、アジリタでHigh Dだったかもしれない。Ah! qual colpo inaspettato!の三重唱でHigh C !そして大アリア まずはB そして超絶技巧のアジリタからのHigh Dではなかったかしら。締めはB」