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2015.08.31
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私だけの東京・2020に語り継ぐ:写真家・森山大道さん 体温、体質に合った新宿(毎日新聞 2015年09月02日 東京夕刊) ながーい道草を食い続けているようなもんだね、僕は。 大阪で育った少年時代、勉強もしないで、道草食って街をほっつき歩いてばかりでね。行き交う人の表情、建物のたたずまい、商店街や裏街に漂う人間臭さ、生活のにおい。そういう中に身を置くのが好きだった。理屈じゃない。性分だね。 写真家を志したのは20代はじめ。友人から安値で譲ってもらったキヤノンのカメラ片手に大阪の路上に立ち、面白そうなものを見つけてはシャッターを切り続けていた。東京オリンピックの3年前、1961年に東京に出て、日本を代表する写真家の一人、細江英公さん(82)に弟子入りしてね。それから今まで、ずーっと路上の写真ばかり撮っている。もう50年間、路上の道草を食っている。 上京したのは東京に写真家が集まっていたこともあるんだけれど、映画「有楽町で逢いましょう」(58年)を見て、華やかな有楽町や銀座に憧れてね。映画に出てくるレストランに出かけて、ああ東京だ、かっこいいなあ、と感激していた。典型的な田舎の若者だった。 でも夢のように楽しい街なんだけど、どうも僕の体温、体質にしっくりこない。おしゃれな街なんだが僕の写真の領域じゃないかな、と。64年に独立してからこれまで、銀座かいわいや有楽町、皇居の周辺を撮る機会はあまりなかった。 僕の体温・体質とは何かって? うーん、言葉にするのは難しいんだけれど、ある種のいかがわしさ、うさんくささ、混沌(こんとん)、かな。そういうのが僕の中にある。独立後、しばらく基地の街・横須賀市(神奈川県)に通って、それが一段落して足を向けたのが新宿だった。 新宿は僕の体温、体質に一番合っていたんだ。雑多な、あらゆる人間の欲望が集中している。いわば「欲望のスタジアム」で、えたいが知れないし、何が飛び出してくるか分からない。いかがわしく、猥雑(わいざつ)。そういう混沌がある。ネオンやイルミネーションの光の中で、男も女も影になってうごめいている。 その中心に歓楽街・歌舞伎町がある。あのあたり、日夜なくカメラ片手に面白そうなものを探し歩いていた。今もそうだけど、当時はもっと「戦後のにおい」が濃密でね。「ゴールデン街」とか、今はなくなっちゃったけれど長屋のように飲み屋がひしめく「緑苑街」あたりにも入り浸っていたなあ。 詩人で劇作家の寺山修司さんと知り合ったのもその頃。僕の撮る新宿の写真が面白いというので、自著の表紙の写真を依頼してくれて、それからよく遊ぶようになった。寺山さんはお酒は飲まないんだけど、ああいう雰囲気が大好きでね。新宿2丁目のゲイバーにも連れて行ってもらったっけ。 その頃は作家の田中小実昌さん、長部日出雄さん、劇作家の唐十郎さんたちがゴールデン街をうろうろして、緑苑街は映画監督の大島渚さんとその一派が河岸にしていたな。なぜ彼らは新宿に集まるのか。彼らもやはり、内にいかがわしさを抱えていたんじゃないかな。新宿はそういう人を吸い寄せる「大いなる場末」なんだからね。 今のゴールデン街は昔とは趣が違うし、名物ママ・マスターもずいぶんいなくなった。歌舞伎町の中心も「新宿コマ劇場」がなくなって高層ホテルになったし。20年後の新宿はがらりと変わっているだろうね。昔は良かった、と言っているんじゃない。カメラもフィルムからデジタルになった。これを憂えてもしょうがないのと同じ。 でも時代が変わって街の外観、建物が変わっても、新宿の体温、体質と、そこに生きる人間の体温、体質は変わらない。全国区でそういう体質の人が集まる街でもあるし、戦後のにおいが裏街に残り、同時に近未来的。いまだにえたいの知れない、ヌエのような街だね。 東京も広いから「ああ、こんな街だったのか」というところはいくらもあるんだけれど、それでも全体に生活のにおいが薄れ、フラットで、「白っぽい街」になりつつある。「衛生無害」な感じ。それに比べて新宿は今も原色のまま、生き生きとのたくっている。ほんと、飽きないよ。今夜もまた、カメラ片手にぶらついてこようかな。【聞き手・吉井理記】【楽天ブックス・送料無料】あゝ、荒野 [ 寺山修司 ]【楽天ブックス・送料無料】にっぽん劇場写真帖 新装版 [ 寺山修司・森山大道 ]
2015.08.25
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2015.08.24
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2015.08.21
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2015.08.20
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「模倣小僧」という芳(かんば)しからぬ呼ばれ方をしたのは、若き十代の寺山修司だった。みずみずしい感性でうたった短歌の数々が脚光を浴びた。多くの目に触れるうちに盗作を非難する声があがった「事件」は、文学史上よく知られる▼〈向日葵(ひまわり)の下に饒舌(じょうぜつ)高きかな人を訪(と)わずば自己なき男〉。これには俳人の中村草田男に〈ひとを訪はずば自己なき男月見草〉の先行作があった。ほかにも多々指摘された。たとえば〈わが天使なるやも知れぬ小雀(こすずめ)を撃ちて硝煙嗅ぎつつ帰る〉▼これは西東三鬼(さいとうさんき)の〈わが天使なりやおののく寒雀(かんすずめ)〉に似ていると。批判を浴びて歌人寺山は消えてもおかしくなかったが、そうはならず、歌は今も愛誦(あいしょう)されている。この種の騒ぎの収まり方には実に微妙なものがある▼東京五輪のエンブレム問題はどう収まるのか。盗用との指摘に対してデザイナーの佐野研二郎氏は「事実無根」だと反論する。騒ぎの中で、佐野氏が監修した景品用のバッグにも指摘があり、スタッフが他者の作品を写したことを認めた▼大切なのは、今後エンブレムに「国民の愛着」という生命が吹き込まれるかどうかだろう。著作権などの専門的な判断はともかく、国民が興ざめしてしまっては存在感は薄くなる▼ついでながら、子規の名高い〈柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺〉は、親友の漱石が先に作っていた〈鐘つけば銀杏(いちょう)ちるなり建長寺〉を発展させて詠まれたという。触発し、触発される。人が行う創作行為には当然そうした面がある。 (朝日新聞「天声人語」2015.8.19) 【楽天ブックス・送料無料】盗作の言語学 表現のオリジナリティー [ 今野真二 ]
2015.08.19
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2015.8.16 BSスカパーかつて上演された現代演劇の演目の中から、記憶に残る「伝説的な名舞台」「懐かしの公演」(LEGEND作品)をピックアップし、当時の映像のまま皆様へ届ける番組です。さらに、その演目・劇団に馴染みの深い人物をゲストに招き、当時の状況や心境を振り返り、そして辿り着いた今を語ってもらいます。今回は、寺山修司が1979年に初演した「青ひげ公の城」を、三上博史、荻野目慶子、秋山菜津子らを迎え、没後20年の2003年に上演された舞台を放送。パルトークのオペラにもなった、中世フランスに伝わる、妻をめとっては次々に殺したという青ひげ伝説をモチーフにした作品。ゲストは、1979年16歳の時に寺山修司に見いだされ、映画「草迷宮」で鮮烈なデビューを果たした三上博史。寺山修司との思い出や、「青ひげ公の城」上演時のエピソード、新作公演「タンゴ・冬の終わりに」についてのインタビュー。■「青ひげ公の城」あらすじオーディションで選ばれ、「青ひげ公の城」の舞台で第7の妻を演じることになった藤岡杏は、期待に胸を躍らせて劇場にやってくる。すでに舞台監督たちは準備で忙しい。杏は、舞台監督より「絶対他の女優たちの部屋を覗いてはいけない」と注意を受けるが、杏は「青ひげ役をする役者へ挨拶をしたい」と、舞台裏を歩き回り、他の女優たちの部屋をのぞき見る。次々と現れる青ひげ公の妻と称する女優たち。幻想と現実が交錯する舞台裏で、次々と起こるオペラの殺人。どれが本当でどれが芝居か。寺山修司の傑作戯曲が、多彩なキャスト・スタッフを迎え甦る。台本・詞:寺山修司演出・音楽:J・A・シーザー舞台美術:小竹信節照明:沢田祐二衣裳:ひびのこづえ出演:三上博史、荻野目慶子、秋山菜津子、河原雅彦、佐藤 誓、横田栄司、藤岡 杏、三咲(蘭香)レア、沙智、浅井美保、江本純子、FLIPFLAP、Shin、蘭 妖子、根本 豊、井内俊一、渡邊 潮、演劇実験室◎万有引力の人々 ほか(2003年 パルコ劇場)■寺山修司プロフィール1935年青森県に生まれた寺山修司は、歌人、詩人、劇作家、演出家、作詞家、エッセイスト、映画監督、評論家、写真家…などジャンルを超えた時代の寵児として活躍した稀代の才人。1967年に結成した「演劇実験室◎天井桟敷」は、旗揚げ公演『青森県のせむし男』で「見世物の復権」を掲げ、横尾忠則、美輪明宏ら個性溢れる表現者たちと共に時代の先端を走るセンセーショナルな存在。1973年には30時間市街劇「ノック」を上演するなど、社会的にも大きな影響を与えた。1983年に47歳で夭折後も、その人気は衰えることなく、没後30年以上を経た今なお若い世代の感性を刺激し続け、生誕80年を迎えた今年、記念イベントが多数行われています。 BSスカパー!は スカパー!のチャンネルやパックセット等をご契約いただくと無料でお楽しみいただけるチャンネルです。(2週間お試し体験でもご覧いただけます。)
2015.08.12
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新刊本「寺山修司からの手紙」(山田太一・編) 2015.9.11刊行予定。岩波書店↓【送料無料】 寺山修司からの手紙 / 寺山修司 編・山田太一 【単行本】【2500円以上購入で送料無料】【本】寺山修司からの手紙 山田太一/編 【楽天ブックス・送料無料】「青い種子は太陽のなかにある」 [ 寺山修司 ]
2015.08.05
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