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先日、三重県四日市市へ行きまして、近鉄内部・八王子線に乗車してきました。内部・八王子線とは、日本国内で非常に珍しい線路幅(ゲージ)が762mmというJR在来線よりも狭く、新幹線(1435mm)の約半分程度という狭い線路幅で運行されている路線なのです。元々は近鉄ではなく、三重交通の路線だったのですが、1964年に近鉄に合併され、今年の4月に近鉄から「四日市あすなろ鉄道」という会社に引き継がれることになっているそうです。
ちなみに、762mmの線路幅ってどんな感じかというと、こんな感じです。
いつも利用されている鉄道の線路幅と比べていかがですか? ちょっと狭いような気がしませんか? 実際にも狭いんですけどね・・・。
私は、かなり以前にこの路線に乗車したことがあるのですが、久しぶりに乗ってみたくなって思い切って行ってみることにしました。
起点は近鉄四日市駅の高架下から出発しております。ここから途中の日永駅までは内部・八王子線双方の路線が走りますので、本数はそこそこあります。
日永駅です。ここから内部線と八王子線が分かれます。
八王子線は大きく右にカーブして行きます。まずは八王子線に乗って、西日野駅まで行きます。
終点の西日野駅です。あれ? 八王子線って路線の名前なのに八王子は?って思いますよね。1974年の水害により、この駅から先にあった伊勢八王子間が廃止されてしまった後も「八王子線」と呼ばれているそうです。
日永駅からの内部線は、さらにまっすぐ進んで内部駅まで向かいます。沿線は、田畑があるものの、住宅が建ち並んでおり、列車の走行写真を撮るにはあまり向かないところが多いです。
内部駅です。駅構内も3両編成の車両が収まると余裕がないくらい小さなものです。また、駅の手前には車庫がありました。
さて、使用されている車両は、カラーリングこそパステルカラーになっていますが、なかなか古めかしいものものが多いのです。
まず、3両編成の中間に挟まれている車両は、サ120形とよばれる車両で、前出の三重交通サ360形だった車両です。1954年製造というかなり古い車両で、中間車両でありながら車高が高く、横から見ると凸凹がよくわかります。
車内はこんな感じ、ロングシートが配置された普通の車両です。別に何の変哲もないのですが、線路の幅が狭いために、ちょっと窮屈に思えませんか?
実際にお客さんが座るとこんな感じです。やはり窮屈ですよね。これが762mmの路線の車両の特徴なんです。
ドアもなんだか狭そうな感じですよね・・・。
それからその前後の車両は、モ260形とよばれる車両で、1977年にそれまで使われていた古い車両を置き換えるために投入された762mm路線専用の車両です。車内前向きシートで、向きは固定されています。
1977年製造といいながらも、モーターは昔懐かしい吊りかけモーターなので、鈍重な音を響かせながら走っています。
中間車両は古くて前後の車両は比較的新しいのですが、ク114とク115という2両の車両は、前出のサ360を先頭車両に改造したものとなっているため、正面の顔はモ260形とよく似ていますが、横から見ると古めかしい車両となっています。
このうちク115に乗ることができましたが、車体を横から見るとこんな感じです。窓の上の方が昔のバスでよく見られたハメ殺しの窓、いわゆる「バス窓」となっています。
ちなみに、このク115の左側のサ120型(サ124)もバス窓になっていますが、この連結面はこんな感じでした。元々先頭車両だったものを中間車両にしたようですね。
この沿線には特に目立つ撮影ポイントはなく、川を渡る橋もコンクリート橋で欄干が高いためにサイドからの撮影もできず、主に日永駅で撮影していました。
前出のとおり、この駅で内部・八王子線が分かれるために、1時間に4本は撮影することができるのでいいのですが、この日は寒かったのとせっかく一日乗車券(500円)を買っていたし、鈍重な吊りかけモーターの音が聞きたくて、短い区間を何度も乗車していました。
私と同じような物好きな人もほとんどおらず、よくありがちな鉄道ファン同士の怒鳴り合い(←こんなのはファンなんかじゃねぇーよ)は皆無でしたから、写真を撮ったり乗車するのも気持ちよく行うことができました。
ところで、三重県内にはこの内部・八王子線の他にも、三岐鉄道の北部線というのが762mmの路線なのです。ここも元々は近鉄だったのですが、現在は三岐鉄道の路線となっておりまして、車両もカラーリングは異なるものの、内部・八王子線と同じ車両が活躍しています。また機会があれば行ってみたいと思っています。
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