欧米人より出血性脳卒中が多いアジア人での身体活動量と脳卒中の関連についての研究は少ない。わが国の多目的コホート研究であるJPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study、主任研究者:津金昌一郎氏)で、脳卒中予防のための身体活動の最適レベルを検討したところ、日本人では過度の激しい活動は出血性脳卒中の予防に有益ではなく、不利益にさえなる可能性があることが示唆された。今回の結果から、脳卒中予防には中等度の活動による中等度の身体活動量が最適であろうとしている。Stroke誌オンライン版2017年6月5日号に掲載。
本研究では、心血管疾患やがんの既往がない50~79歳の日本人7万4,913人を2000~12年に追跡調査した。各身体活動の運動強度指数MET(metabolic equivalent of task)に活動時間をかけたMET・時を合計して1日当たりの身体活動量を求めた。