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「事案の概要」
Xは協議離婚後,元夫に対して,1.財産分与2.慰謝料3.子供の所持品の引渡し4.年金分割の4つを申立ての趣旨とする家事調停の申立てをしたが,調停は不成立となった。Xは,1.財産分与と4.年金分割は乙類事項であるから調停不成立により審判手続に移行したとして審判期日の指定を求めたが,家庭裁判所はこの調停は一般調停なので審判へ移行しないとして,審判期日の指定申立てに応じなかった。
「決定要旨」
家事審判法9条1項乙類に掲げる事項につき,他の家庭に関する事項と併せて調停が申し立てられた場合であっても,調停が成立しないときは,申立人が審判への移行を求める意思を有していないなど特段の事情がない限り,その事件名にかかわらず,同項乙類に掲げる事項は審判に移行する。
家庭裁判所での受付事務においては,一通の申立書の中に複数の申立ての趣旨があり,その中に乙類事項が含まれる場合においても,全体を一件の一般調停事件と解して立件するという例があり,この場合調停不成立となったときには,その乙類事項についても審判移行しないものとして扱うという運用がされることがある。本件も前記4つの申立ての趣旨が一通の申立書に記載され,一件の一般調停事件として受け付けられていたという事情があった。
判例タイムズ1357号 85頁
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