できるかぎり、天井は高くしてくれとは言った結果か、はじめからそうなのかは不明ですが結果的にそうなりました。
間取りがほぼ決まった後、「なるべくローコストで・・・・」と何度か見積もりをもらいましたが、材料費の価格を下げることで、全体の 2割近くの価格コストダウンでくるようでした。
さて、そもそもマイホームは、特に変わった構造材を使っているわけではないですから、柱は3寸5分、105ミリ角の杉の柱としています。
この柱は、製材所の基本のカット寸法は、3,000ミリ 3メートルとなっています。
(もちろんこの他にも4メートル、6メートルもあります。)
ですから、これを基本とすれば、1階の床から2階の床までは3メートルが基本といえます。
それでは、ここからどのくらいの天井高さが確保できるか検証してみましょう。
?@ まず、土台と柱と柱を連結する2階床の木材(胴差)とは、ほぞに差し込まれるため、上下共10センチ前後、ほぞの凸が必要です。
したがって、3,000ミリが、2,800ミリの高さの有効高になります。
?A また、部屋の最大広さが8畳、畳2枚の一辺の長さとすれば、2階の床がたわまないように、平べったい柱(梁)が必要になってきます。
105ミリ厚の材料で、畳2枚、3,600ミリの間に梁を渡すとすれば、だいたい、縦が約350ミリの梁を渡す必要があります。
これで、2,800ミリからさらに約250ミり引いた、2,550ミリが有効高になります。
?B さらに、ここに1階の天井を施工しなければなりません。もちろん平らなゆがみの無い天井ですよね。
すると、横に50ミリ程度の角材、野縁受けを渡し、その下に90度に交差する、50ミリ角の野縁を打ちつけ、ようやく天井の石膏ボードが打ち付 けられる状態となります。
だんだん減って、高さの有効長は、2,450ミリになります。
?C ところが、天井裏には、電線やTVケーブル配線、また、梁に野縁受けを直接打ち付けると、2階の振動が直接1階の天井に伝わるため、いくら かの空間を開け野縁受けを木材などで、所々吊って固定します。
と、結果的に経済寸法の3メートルの柱を使えば、きちっと作れば結果的に、2.4メートルの天井高になることがわかります。
これが木造在来工法で、仮に1階の高さが3メートルを基本とするならば、2.6や2.7メートルの天井高さは確保できないことになります。
もしその高さを確保するならば、構造の工夫や材料の見直しなどが必ず伴ってくると思います。
逆に言えば、天井高を上げて何も変更が無ければ、どこかで手抜きしているか、初めから利幅を盛っていたのかもしれませんね。
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