彼は力士としては痩せ型だったが、運動神経を活かして相手をぶん投げる、というスタイルで戦っていた。
しかし彼には重大な弱点があった。
それは、 肩の脱臼癖 である。
相撲は激しくぶつかり合う競技であり、肩の脱臼癖は致命的な弱点になる。
そこで彼は、腕立て伏せやウエイトトレーニングによって 肩を筋肉でコーティング し、弱点を克服。
通常、力士は筋肉の上に脂肪をつけて体を大きくする。
だが千代の富士は、一般的な力士と比べて極端に脂肪が少なく、まさに筋骨隆々という状態。
体重は軽いが、スピードを活かした超速攻スタイルを身につけた。
今回この番組で、千代の富士の相撲がいくつか紹介されたが、その魅力に引き込まれた。
相手の持ち味を真っ向から受け止め、そこから圧倒的な強さで勝つ。横綱の風格。
昭和最後の大横綱と呼ばれているのは伊達じゃないと思った。
だが、そんな大横綱も35歳を過ぎた頃から衰えが見え始める。
力勝負をしても、以前のように勝てなくなってしまう。
そして・・・当時18歳の貴花田に破れ、引退を決意。
彼は引退会見で言った。
「体力の限界。気力もなくなり、引退することを決めました」
大相撲は、非常に激しい競技だ。
力士たちがぶつかる衝撃は、車の交通事故に匹敵する衝撃 だと聞いたことがある。
そんな交通事故を毎日毎日受けて、20年以上戦い続けた千代の富士。
一般人には想像もできないほど過酷な人生だろう。
横綱とは、神の依り代であるとされている。
選ばれし者のみがその称号を得られる。
相撲のすごさ、おもしろさをあらためて学んだ。
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