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2016年05月31日

笑う幽霊坂

鳥だか獣だか分からない生き物の不快な鳴き声 だけが、やけに耳障りに聞こえ続けていた。どのように不快なのかと言うと、何だか 人間の笑い声みたいな鳴き声 なのである。それも、狂ったような笑い方なのだ。
「何が鳴いてるのかな」 あまりにも気持ちが悪いので、私は思わずそう口にした。
「何のこと?」 と、妻が私に訊ねた。
「お前にも聞こえているだろう。まるで人が笑っているみたいな鳴き声が」
「そうかしら。私にはそうは聞こえないけど」
「もっと耳を澄ましてごらん。絶対、笑い声に聞こえるよ。一体、何の動物なんだろう」
「まあ、うるさいのは確かね。発情期の鳴き声なのかしら。でも、笑い声には聞こえないわよ」 妻もなかなか強情なのだった。
「カワセミが笑い声っぽく鳴くって話は聞いた事があるけど」
「バカねえ。それはワライカワセミの事よ。日本にはいないわ」
 妻の美来はたびたび、私の事を見下したような態度をとる。そのへんもあまりカワイくないのだった。
「もしかすると、お化けの笑い声かもしれないぞ」 さりげなく、私は言ってみた。
「お化けですって」 妻が呆れたような顔になった。
「そうさ。この坂にはお化けが出るってウワサがあるんだ。それなら、地獄から舞い戻った幽霊が笑っている可能性だってあるだろう」
 妻は鼻でせせら笑った。
「あなたって、つくづく子どもね。お化けなんて本当にいるはずがないじゃない。全く、話にならないわ。そんなもの、世の中のどこにいると言うのよ」
「お前がその幽霊なんだよ!」
 私は大声を張り上げて、いきなり妻の首を両手で絞め上げたのだった。

(つづきは 「ルシーの明日とその他の物語」 で)

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タグ: お化け坂
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posted by anu at 21:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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