私のそばには、ぶっきらぼうな雰囲気の中年男がつっ立っていて、私の話に耳を傾けてくれていた。
私たちは、少し距離をあけて、アスファルトの一本道の上に立っており、道の左右は見渡す限り荒野だった。私たち以外に人影はない。風が少し強く吹いているが、空は青く晴れ渡っていた。
「もっとも有名なお化け坂は、江戸時代の随筆家、小泉八雲が記録に残しています。紀伊の国坂と言いましてね」
「その話は聞いた事がある。確か、のっぺらぼうが出てくるんだろう?」 男が、急に私の話に割り込んできた。
「あんたが知っている他のお化け坂にもむじなが出てくるのかい?」
「分かりません。むじななのかもしれないし、もっと違う化け物なのかもしれません。そのへんがはっきりしないから、<お化け>の坂なんです。たとえば、こんなお話もあります。
(つづきは 「ルシーの明日とその他の物語」 で)
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