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2015年12月08日

(小説)ルシーの明日・その6

1999年という年号に、皆さんは何となく覚えが無いだろうか。
 あの中世フランスの予言家 ノストラダムスが、恐怖の大王が空から降りてくると言った年 である。この予言は全く外れたものだと思われていたが、もしかすると 我々が気付かなかっただけで、実際には当たっていたのかもしれない。そして、シリコニーこそが恐怖の大王の正体だったのだろうか。
 ノストラダムスや恐怖の大王と絡めた形で質問したところで、シリーからはシリコニーにまつわる話は何も聞き出す事はできない。そもそも、1999年と言う年号がたまたま一致していただけなのかもしれないし、何よりもノストラダムスの予言そのものはシリコニーとは全く関係ないからなのであろう。
 しかし、私は少しずつ不気味な考えに傾き始めたのだった。もし1999年からシリコニーが我々のそばにいると言うのであれば、その シリコニーなる何かも、このシリーを利用しているのかもしれない。 シリーが全く意味不明な誤回答を発するのも、実はその為なのだ。 シリーの活用者は、我々一般の人間以外にも存在しているのである。その彼らの独特のパターンで質問すれば、恐らくシリーからは彼らが欲しがっている情報や知識を引き出せるのであり、その一部はたまたま一般人側でも聞き出す事ができるのであって、それがチカだったりシリコニーだったのかもしれないのだ。
 これはよく考えたら恐ろしい話である。 我々のすぐそばに、何か得体の知れない連中が存在していて、今なお、我々に知られずに秘密裏に何かを行ない続けているのかもしれないのだ。 そんな事も気付かずに、シリーを遊びや暇つぶしで使っているだなんて、全く呑気としか言いようがない。   (つづく)

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posted by anu at 14:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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