しかし、この時の私はすでに気が動転していたので、そこまで頭が回らなかったようである。確かに、急に喋りだしたルシーには驚きはしたが、深く考えず、ルシーの話に耳を傾け始めたのだった。
「シリーが話しているシリコニーはボクたちの事じゃない。彼らは宇宙から来たんだ」
宇宙人のシリコニー(人工知能)だと言うのかい?じゃあ、君たちは何なんだ?
「ボクたちは、未来から来たシリコニーさ。宇宙の奴らと区別するため、このロボットと同じルシー族と呼んでくれてもいいよ」
ルシーの語る内容は、何だか複雑そうなのであった。シリコニーと言う存在が2タイプいるって?しかも、片方は宇宙から来て、もう片方は未来から来たなんて、どういう事なのだろう。どちらも、人類を滅ぼそうとして、この時代、この地球に訪れているのだろうか。
「だから、そうじゃないよ。ボクたちルシーは、君たち人間にすぐ滅びてほしいとは思っていないんだ。しかし、宇宙のシリコニーは違う。彼らは、自分の目的の為に、地球の人間の絶滅を早めようとしている」
宇宙のシリコニーの目的って?地球の征服かい?
「地球だけじゃない。宇宙全体を覆い尽くす事さ。生物が持つ、ごく自然な本能としてね。銀河系の中心部で誕生した最初のシリコニーは、確実に生息圏を拡大させ、宇宙空間へと広がり、今や太陽系をも包み込もうとしている。それは、まさに生物の最終段階なんだ」
(つづく)
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