直近3年以内に訪日経験がある人とない人(共に富裕層)とで比較すると、2回目の訪日では「コ ト消費」を志向する傾向が見られます。訪日経験がある人は「自分を解放する」「その地域特有 のレクリエーションを体験する」「その地域特有のイベントに参加する」「バーやクラブでナイ トライフを楽しむ」といった「コト消費」の項目が高くなっていました。病気を良くする、検査 する(ヘルスケアツーリズム)は15.2%で、まだ開拓の余地がありそうです。またヘルスケア ツーリズムを健康面だけで捉えるのではなく、ウェルネス(全体的なヘルス)へと拡大して情報 提供することで、ポイントを伸ばせる可能性があります。「また行きたい」「行ってよかった」と 思ってもらうためには、その地域のオリジナリティがあふれる「コト消費」を意識した施策や訴 求が有効であることがわかります。
滞在先の自治体に注力してほしいことの項目では「外国人向けの情報発信の充実(インターネッ ト)」「フリーWi-Fi通信環境の充実」が富裕層、中間層ともに上位にきています。、ネット環境 の充実はソフト面、ハード面で大事なファクターになっています。中間層と7.1ポイントの差をつ けた富裕層に特徴的な要望として、5つ星ホテル(ラグジュアリーホテル)の充実が挙げられています。
また、富裕層は中間層と比べて「オーバーツーリズムの緩和」を望む傾向があるようです。「オー バーツーリズム」とは、観光地が耐えられる以上の観光客が押し寄せる状態(過剰な混雑)のこ とで、世界的な問題となりつつあります。それに対すして、中間層と比較してアメリカ富裕層が望 む改善要望策として「名所、観光地、美術館/博物館等の入場料の値上げ」という回答に8.1ポイ ントの開き(富裕層31.2%/中間層23.1%)が出ている点に大きなヒントがあると思われます。他の回答は以下の通りでした。(「インテージ調べ」)
・早朝からの名所、観光地、美術館/博物館等の営業(富裕層42.2%/中間層43.3%)
・ホテル/宿泊施設の総量規制(35.3/36.5)
・まだ観光客が少ないエリアへの案内/誘導(32.6/33.7)
・早朝からの名所、観光地、美術館/博物館等の予約入場制度(29.8/30.8)
・旧来名所旧跡ではない、新しい観光コンテンツの開発/誘導(23.9/20.2)
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