ある美術展


昨日だか一昨日だったか, ネットで精神障害者が作成したアート作品の展示イベントが阿佐ヶ谷にある TAV GALLERY というところで行なわれていると知った. 美大の学生が中心になって開催している小さな催しで, できれば観に行きたいと思っていた.
どんな作品を作っているのだろう.
今日は体の調子もいいし外の空気を吸うのを兼ねて阿佐ヶ谷まで行ってみることにした.

阿佐ヶ谷駅を降りてギャラリーまで歩く.
天気もよく気持ちがいい.
やがて小さなギャラリーに辿り着きおどおどしながら中に入る.

1 時間半ほどかけて作品を観た.
いくつかの作品は病が作品に生々しく結び付いていて観るのが少し苦しい.
印象に残ったのは, 小さなパネルに「助けて」という言葉が無数に描かれた作品と, 同じ作者の作品をまとめたファイルである.
絵画を専攻している学生が描いたもので, 構図や色の使い方や筆致などの正確さにもかかわらず, どこか何かが変な感じを受ける. 描かれた女性の表情とかポーズとか, 整っているのだが何かひっかかる.
何だろう. 結局わからなかった.

最後は無数の「助けて」が描かれたパネル作品をずっと観ていた.
何がこういうおかしな印象を自分に伝えているのかもわからなかったが, なぜか惹き付けられてしまう.
観るのが少し辛い.

日も暮れそうになってきたので帰ることにする.
どこかで飲んでいきたい気分だったが, 酔って体調を崩すとアパートまで帰るのが苦しくなるので我慢する.

今日観た中のいくつかの作品, 特に病がそのまま作品に現れているような作品を描くのは制作者にとって自分を切り刻むことにはなっていないだろうか.
症状に影響はないだろうか.
描くことは救いにつながっているだろうか.

毎年やっているようなのだが, 来年も観にこれたらと思った.

帰宅してから抑鬱感が強くなり夕食をとらずに寝込む.
タグ: 美術 心の病
posted by 底彦 at 12:01 | Comment(0) | TrackBack(0) |

2016年01月25日

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