『哺乳類の脳』
哺乳類で『嗅覚』から『視覚』が飛躍的に進歩!
脳の先端は、においを嗅ぐ『嗅脳』にはじまり、大脳、間脳、中脳、橋・小脳、延髄、脊髄で終わる。
魚類、両生類、爬虫類の脳は、ヒトと同じ体重にして比べると、150分の1程度しかない。脳に到達する外界の情報は嗅覚に関するものが非常に多く、大脳と間脳の機能は、嗅覚の情報を処理して行動することに重点が置かれている。
ヒトの大脳半球を覆っている 『大脳新皮質』 は、魚類、両生類、爬虫類ではほとんど出現していない。
ヒトでいう記憶力は欠如している。
『喜怒哀楽』 を感じる中枢である 『大脳辺縁系』 は、爬虫類になって未発達ながら出現する。しかし、においを感じてそれを本能的行動に直結する部分だけが出来上がっているにすぎない。
神経管の中で、 大脳新皮質 をつくる元の部分は、爬虫類から分かれて、 哺乳類が進化し始める直前に創造 された。その部分で作られる神経細胞は、『嗅覚』とは関係のない神経繊維と結びつく性質を持っている。
哺乳類では大脳新皮質が大幅に拡大された。
嗅覚以外に視覚など哺乳類が陸上ですばやい行動をとるために必要な情報が、脳に多く取り込まれるようになった。
大脳辺縁系も主に嗅覚以外の感覚に対応するようになり、喜怒哀楽のセンサーとなった。
また、出来事を記憶する力が躍進した。
こうして哺乳類らしい『怒り』や『恐怖』、『攻撃』、『愛』、『憎悪』の感情が出現した。
参考文献:ニュートン別冊 脳力のしくみ 2018年7月15日発行
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