咳には風邪薬よりハチミツが効く
喉の痛みや咳といった風邪の症状をハチミツで和らげられる。
英オックスフォード大学医学部のHibatullah Abuelgasim氏らの
「BMJ Evidence-Based Medicine」8月18日オンライン版から
市販の咳止めシロップや感冒薬および抗アレルギー薬、鎮痛薬などによる
“通常のケア”を受けた成人や小児と比べて、
ハチミツを摂取した成人や小児の方が、咳の重症度や頻度が低かった。
ハチミツは何世紀にもわたり、民間療法として、喉の痛みや咳などの緩和に使われてきた。
Abuelgasim氏らは今回、蜂蜜のこのような症状緩和効果を確認するために、
2007年以降に実施された14件の臨床試験のデータを収集し、分析した。
小児のみを対象としたものは9件で、残りの5件には成人が対象。
解析の結果、蜂蜜は通常ケアと比べて、風邪による諸症状の改善、
特に、 咳の重症度と頻度の軽減と有意に関連 することが明らかになった。
こうした結果についてAbuelgasim氏は、
「今回の研究で対象とした試験のほとんどが、咳症状に対する蜂蜜の効果について検討したものだった。
そのため、得られたエビデンスは、咳症状に対する蜂蜜の有効性を、強力に裏付けるものだといえる」
と説明している。
また同氏は、「ハチミツは基本的に安全な食べ物であるため、
特に、人体に悪影響を与え得る治療の代わりに試してみる価値はある」
と話している。
ただし、1歳未満の子どもには、ボツリヌス症を発症するリスクがあるため、
ハチミツを与えてはならないとしている。
ハチミツが風邪の症状に有効な理由は完全に解明されていないが、
ハチミツには抗酸化物質が含まれており、抗菌作用や抗炎症作用があることなどが、
これまでの研究で示されている。
一方、風邪の症状に対して処方されることの多い抗菌薬は、細菌を殺す作用はあるが、
ウイルスが原因の風邪には効果がなく、有害な影響をもたらす。
「風邪をひいた人が細菌に二次感染した場合などには、
抗菌薬が必要になることもあるが、基本的に、風邪の症状に抗菌薬を処方しても無意味だ」。
なお、実際に風邪でハチミツを使用する場合、
スプーン1杯分をそのまま食べるべきか、あるいは紅茶に混ぜて飲むべきなのかについては、
臨床試験からは明らかにされていないという。
「自分の好きな方法で摂取するのがベスト」と話している。
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