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2020年04月23日
【マスクの送りつけ商法に注意】
【マスクの送りつけ商法に注意】
一方的にマスクを送りつけてきて、高額な代金を要求する手紙と振替用紙を同封、「マスクが不要な場合、1週間以内に返送しろ、返送無い場合は購入とみなす」。
放置しておくと後日、業者から電話があり、高額を請求してきた。
さて、あなただったらどうします?
A)代金を購入するつもりがないのであれば、商品を受け取ってから14日が経過するまでは手をつけずに保管し、その後、処分して構わない。
もしくは、相手に引き取りを請求し、請求した日から7日以内に相手が商品を引き取らない場合は、相手は商品の返還を請求できなくなる(特定商取引法59条1項)。
>竹村淳 4月19日 10:36
コロナの流行にかこつけて、こんなことが起こりそうな気がします。
ある日、自宅にマスク50枚が送られてきました。「マスク、どこにも売ってないから困ってたんだよね、助かったー」と思いましたが、どうしてマスクが届いたのか、心当たりがありません。マスクが入っていた箱のなかを見ると、「マスクが不要な場合は1週間以内にご返送ください。返送がない場合は購入したものをみなします」と書かれた手紙と金額が50000円と記載された振込用紙が入っていました。
怪しいなと思い、使わずに放置していたところ、マスクが到着してから20日後に、マスクを送付したと名乗る業者から電話があり、「1週間以内に返送しなかったのだから、50000円を払ってください」と言われました。
この場合、マスク代金50000円を払わなければならないのでしょうか。
1枚1000円でもマスクが欲しいなら問題にはなりません。しかし、さすがに1000円ならいらないよ!という場合、困りますよね。
説例のような商法は、送りつけ商法(ネガティブオプション)という商法で、対応を間違えると面倒なことになるので、ここで注意喚起したいと思います。
1.返送しないと買ったことになる?
では、返送しないと、買ったことになってしまうのでしょうか。
結論としては、返送しなくても、買ったことにはなりません。
売買契約は、申込の意思表示と承諾の意思表示が合致することによって成立しますが、商品を送りつける行為は売買の申込の意思表示に過ぎず、これに対応する承諾の意思表示がなければ、売買契約は成立しません。
この点、「返送をしなければ、購入したものとみなす」という送り主からの手紙が問題となりますが、これは送り主が勝手につけた条件であり、これに拘束される理由はありません。
したがって、返送しなくても、承諾の意思表示がないので、買ったことにはなりません。
2.使ったり廃棄したりしてもいいの?
注意しなければならないのは、返送しなくてもいいと、それを使っていいということは、同じではないということです。
売買契約が成立すると、目的物の所有権は売主から買主に移転します。その結果、買主はその目的物を自由に使ったり廃棄したりすることができるようになります。逆にいうと、その物を自由に使うことができるのは、その物を購入したからなのです。
商品を送りつける行為は、売買の申込の意思表示であると考えられます。その商品を使ったり廃棄したりすることは、所有者でなければできないことですから、その申込を承諾したと理解せざるをえません。
したがって、使ってしまうと、売買契約が成立し、代金を支払わなければならなくなってしまうのです。この点は、特に注意しなければなりません。
3.返送するか、保管し続けなければならないの?
そうすると、代金を支払いたくない場合は、返送するか、あるいは、保管し続けるしかないのでしょうか。
それは商品を送られた人にとって負担であるということで、特定商取引法という法律に規定があります。
その規定は、設例のような商品の送付があった場合、商品が送られた日から14日以内(相手に引き取りを請求した場合は、請求した日から7日以内)に相手が商品を引き取らない場合は、相手は商品の返還を請求できなくなるというものです(同法59条1項)。
つまり、送付された日から14日(引き取りを請求した場合は請求した日から7日)が経過すれば、相手が返還請求できなくなる反射的な効果として、商品を自由に処分することができるようになるのです。
なお、事業者に対して、その事業のために使用する商品が一方的に送付されてきた場合は、同法59条1項の適用はないことは注意が必要です(同法59条2項)。
4.まとめ
以上のとおりで、設例のようなことが生じた場合でも、購入するつもりがないのであれば、商品を受け取ってから14日が経過するまでは手をつけずに保管し、その後、処分すべきということになります。
これを読んだみなさんが、不当な送りつけ商法に巻き込まれなくなれば幸いです。
オレンジライン法律事務所
弁護士 竹村淳
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2020年04月17日
”貧血は万病のもと”
”貧血は万病のもと”
貧血と認知症だけでなく、気分障害、うつ病との関連も指摘されています。
水と酸素が不足すれば、いろんなところに無理がかかるのは道理ですね。
>貧血と認知症との関連〜コホート研究
提供元:ケアネット 公開日:2020/04/15
従来の認知症のリスク因子に加えて、貧血がその初期のバイオマーカーであるか確認する必要がある。
台湾・台北医学大学のChien-Tai Hong氏らは、台湾全民健康保険研究データベースを用いて、新規に貧血と診断された患者における認知症リスクの調査を目的とした人口ベースコホート研究を実施した。
Current Alzheimer Research誌オンライン版2020年3月16日号の報告。
対象は、脳卒中による入院歴および認知症以外の中枢神経疾患・精神疾患・外傷性脳損傷・大手術・失血疾患の既往歴がない貧血患者2万6,343例。
人口統計および合併症に基づいて貧血患者と1:4でマッチさせた非貧血患者を対照群とした。
貧血患者の認知症リスクの評価には、対照群と比較するため、競合リスク分析を用いた。
主な結果は以下のとおり。
・貧血患者における認知症リスクの調整部分分布ハザード比(SHR)は、1.14(95%信頼区間[CI]:1.08〜1.21、p<0.001)であった。
・鉄分サプリメントを使用している患者では、未使用の患者と比較し、認知症リスクが低い傾向にあった(調整SHR:0.84、95%CI:0.75〜0.94、p=0.002)。
・サブグループ解析では、女性、70歳以上および、高血圧・糖尿病・脂質異常症でない患者において、認知症と貧血との相関が認められた。
著者らは「新規の貧血診断は、認知症のリスク因子であることが示唆された。鉄欠乏性貧血患者に対する鉄分サプリメント使用は、認知症リスクを低下させる可能性がある」としている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Hong CT, et al. Curr Alzheimer Res. 2020 Mar 16. [Epub ahead of print]