ニュートン別冊 ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス
心理学と治療
不安症・強迫症?@
恐怖を感じたりすることはあります。
不安症は、生活に支障をきたすほどの強い不安を感じる病気です。
例えば、何の前触れもなく、突然呼吸が苦しくなったり、動悸がしたり、
失神してしまったりする「パニック発作」という症状があります。
パニック発作が起きた時の不安感は凄まじく、
死んでしまうのではないかと思うほどです。
症状は20〜30分で収まりますが、
患者はまた発作が起きるのではないか、
と常に強い不安にとらわれながら過ごすことになります。
また、不安症の中には、ある特定のものに異常な恐怖を抱き、
近寄ることすらできなくなる「恐怖症」というものもあります。
すぐに逃げ出したり、助けを求めたりすることができない
人混み、エレベーター、乗り物、広場などを怖がって避ける
「広場恐怖症」や、
他人から注目・評価されたり、人前で恥をかいたりすることを
極端に怖がる「社交恐怖症」などです。
また、症状の重さから治療に困難を伴う疾患に、
「強迫症」があります。
強迫症は、自分でもおかしいと思いつつ、
不安を起こす強迫観念を打ち払うために
同じ行為をずっとやり続けてしまう病気です。
例えば、何度も手を洗わないと気が済まずにずっと洗い続ける
「脅迫洗浄」、
家の鍵をかけたかを何度も確認しないと気が済まない
「確認脅迫」などがあります。
患者は、これらの行為を止められると強い不安に襲われます。
また、戦争、災害、事故などに遭遇した人は、
「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」を発症してしまうことがあります。
これは、戦争、災害、事故などによって受けた
心的外傷後ストレス(トラウマ)に対して、
症状が洗われてしまうものです。
患者は、フラッシュバック(出来事が急に頭に浮かんでくる)や
夢などのより、その出来事を繰り返し体験したり、
感情が鈍ったり、
トラウマを思い起こさせる状況にあうと恐怖やパニックを起こしたりします。
明日は『治療法』について、です。