うつ病と自殺念慮
寝つきが悪く、朝もすっきりと目覚めません。
日中も気分がすぐれず、
ちょっとしたことでイライラします。”
うつ状態においてよく認められる精神症状です。
反面、このような体験は、
どのかたも体験されるもの
だということができます。
そもそもそれまでの人生の中
で、抑うつ的になったことがない人は、いないのではないかと思います。
問題は、抑うつ症状の程度や
その日常生活に及ぼす影響の大きさ
であるということができます。
この人の場合は、
イライラする、
気分がすぐれない、
よく眠れないということで、
仕事の能率が低下したり、
職場や家庭での
人間関係に支障が出たりしているのか、
が問題になります。
この方は
仕事の忙しさが極端になっていなかったでしょうか?
仕事のない休日は、
仕事のことを考えずに
趣味やレジャーを楽しめておいででしょうか?
このような質問で問題があるとすれば、
うつ病と診断される可能性が出てきます。
もっと大事なことは、
この状態の持続期間です。
2週間以上持続しているなら、
生活全般への影響が大きいと考えます。
医師の診察を受けるようにしてください。
心療内科、精神科、
抵抗があれば、話をよく聞いてくれると評判の内科を
受診してください。
躁状態の診断には、気分の高揚と、
精神的身体的な活動の量と速度の増加が
最低数日間は続くこと、
うつ病の診断には、
抑うつ気分及び精神運動抑制が
2週間以上続くことが必要です。
うつ病の他の診断基準としては、
氏への願望や自殺を企てたり、
自律神経系の症状である
睡眠障害や食欲不振もしくは体重減少などがあげられます。
また、うつ病では、
早朝に目覚めたり、朝に抑うつ気分が悪化する日内変動や
体重減少といった特徴が見られることがあります。
妄想が生じることもあります。
その多くが気分の状態に沿う特徴があります。
うつ病では、自分の財産が全て失われたとか、
ひどい病気にかかって、もう回復できないといった貧困妄想や心気妄想が、
躁状態では、自分が大変な財産を持っているとか、
特別な能力があるといった誇大妄想が
典型的です。
【参考文献】
ニュートン別冊 精神科医が語る 精神の病気
心の病気の原因と対策が、この1冊でよくわかる!
監修 仮屋暢聡 株式会社ニュートンプレス 2019年4月5日発行