不動産投資の闇、スルガ銀不正「解除されない金融庁命令」5年以上経過した。


スルガ銀行の加藤広亮社長は2023年11月9日の決算記者会見で「命令が解除されないことに大きな経営責任を感じている」と述べ、早期解除を目指す考えを示したが、毎日新聞経済の記事によると現状では見通しは立っていないようだ。
スルガ銀行は2018年10月、不正問題で金融庁から業務改善命令を受け、スルガ銀行から借金して投資用不動産シェアハウス物件「かぼちゃの馬車」を購入した個人が返済困難に陥り、多数の不正が見つかったためだ。
シェアハウス物件「かぼちゃの馬車」融資をめぐりスルガ銀行が多くの不正を行っていたことが明らかになった事件だが、不正は中古マンション・アパート向け融資でも多数見つかった。
運営会社も2018年に経営破綻し、スルガ銀行から融資を受けて物件を投資用に購入した数百人が返済不能になっている。
金融庁は改善命令で「個々の債務者に適切な対応を行う」よう求めたが、改善命令の対象は「シェアハウス向け融資」と「その他投資用不動産融資」
この命令を受けたスルガ銀行は、シェアハウスの購入者が結成した「被害者同盟」と交渉、物件を売却して銀行が損失をすべて負担する和解案で20年に合意し、購入者の借金は帳消しになった。
ところが「その他投資用不動産」をめぐる不正融資の問題は解決していない。
「その他投資用不動産融資」とは、中古アパート・マンションを1棟丸ごと投資用に購入した人への融資だった。
スルガ銀行はこの件を「アパマン問題」と呼んでいる。
シェアハウス問題が和解した翌年、アパマン問題で借金を抱える約400人がシェアハウスの被害者同盟にならい、もう一つの「被害者同盟」を結成したと報じられている。
この「被害者同盟」の弁護団と、スルガ銀行側との交渉は21年8月に始まり、約40回の協議が行われ具体的な解決策を探る段階にきているようだが、主張は大きく隔たったままだという。
スルガ銀行の加藤社長は11月9日の決算会見で「当社の思惑だけで早くとはなかなかいかない」と述べ、解決への道筋が見えていないことを認めている。
スルガ銀行の加藤社長によれば、交渉で銀行側が「三つのステップ」を提示したと説明、不正の内容や銀行員が関与したかどうかといった3段階をへて銀行が責任を負う割合と解決金を算定するものだった。
被害者同盟の関係者の話によると、「三つのステップ」はスルガ銀行側が責任の範囲と割合をかなり絞り込んだ内容だと反発している。
提示案に従うと購入者の多くが銀行の補償の対象外となり、対象になっても算定される解決金は少額で、購入者には多額の借金が残ってしまうというのだ。
アパート・マンション向け融資は「被害者同盟」に属する約400人に限らず、シェアハウス向け融資より数がはるかに多いことから、弁護団には同盟メンバー以外に、借金返済が困難になったと相談してきた人が200人ほどいるという。
相談者以外にも、購入物件の賃貸収入がスルガ銀行への元利返済を下回って収支が赤字になっている物件は数多いようだ。
業務改善命令は銀行にとって「負の象徴」で、業務改善計画を提出し、計画通りの改善を認められ、解除されるまで金融庁に状況報告を続けなければならない。
現在、過去の改善命令が解除されていない銀行は、スルガ以外にはみずほ銀行・みずほフィナンシャルグループがあり、みずほは現金自動受払機(ATM)の停止などシステム障害が相次ぎ、21年9月、同11月の2度にわたり改善命令を受けた。
現在、スルガ銀行は、弁護団と交渉を重ねてきたが、互いの主張の溝が埋まっていないようで、改善命令が5年を超す長い期間解除されないのは異例の事態となっている。
シェアハウス物件「かぼちゃの馬車」というのは、女性専用のシェアハウスだ。
当時、テレビCMには女優のベッ〇ーが使われた。
私はこのシェアハウス物件「かぼちゃの馬車」の物件をよく知っているのだが、内部はとてもずさんな作りだった。
窓が一つもない部屋、追い焚きが出来ない風呂、窓があるのに壁でふさがれた風呂場、窓がないリビングなど・・・・。
どの物件もこんな感じなのだろうか。
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経済学などを学び、国内で起こる様々な情報や事件、事象などをとりあげている。 また、海外ではアジアを中心にしたテーマを発信しているオリエンタルブロガー

2023年12月03日

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