ルーマニアをめぐる世界情勢がロシアの戦争の火種になる!

『ルーマニアをめぐりロシア・NATOが戦争となる可能性!』

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近年ロシアによる、ヨーロッパとの戦争の可能性についてしきりに報道がされています。

2008年のグルジア紛争以降、欧州の危機感の高まりが指摘されています。

しかし報道されているバルト三国侵攻というシナリオは、やや現実的ではないと分析します。

今回は、潜在的な火種を持つルーマニアから戦争が始まる可能性を研究!
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(1)なぜルーマニア情勢が戦争の火種となるのか?

なぜ、ロシアの勢力伸長にルーマニアが関わってくるか?

紛争の最大の脅威として挙げられている、バルト三国ではないのか?そんな疑問が出てくると思います。

理由としてロシア自体もNATOとの全面対決となるバルト三国侵攻は、今すぐ実施する必然性が少ないからです。

ならばロシアにとって工作がしやすくNATOが出にくいところ、それがルーマニア情勢です。

ロシアがNATOの足並みを崩して、容易に脅威排除を行える火種があるためです。

1.1 ルーマニア情勢は想像以上に危うい状態

日本では、ルーマニア国内情勢や周辺情勢についてほとんど報道されていません。

しかし最近予想以上に、ルーマニア国内情勢と周辺情勢が悪化しています。

最近日本でルーマニアのことが報道されたのは、イージスアショアぐらいでしょう。

2018年現在で、ルーマニア国内情勢が想像以上に悪化しています。

現在、ルーマニアでは与党(PSD)と野党(PNL)が激しく対立しています。

現首相の「ビオリカ・ダンチラ」は、ルーマニア初の女性首相として政権を2018年1月から率いています。

図1 「ビオリカ・ダンチラ」ルーマニア首相
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引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/03/Viorica_D%C4%83ncil%C4%83.jpg

激しく対立する野党(PNL)を率いているのが、ルドヴィッチ・オーバンです。

図2 ルーマニア野党党首「ルドヴィッチ・オーバン」
284px-Ludovic_Orban.jpg
引用URL:https://en.wikipedia.org/wiki/Ludovic_Orban#/media/File:Ludovic_Orban.jpg

政治的対立は、2017年から反政府運動として大きくなっています。

ルドヴィッチ・オーバンの名前は、日本ではほとんど知られていません。

今後、この人物がカギを握る人物です。

1.2 ロシアが非難ルーマニアのモルドバ併合工作

2016年にはロシアが、ルーマニアがモルドバを含むモルダヴィア併合を画策していると非難する声明を出しています。


当時モルドバは政治危機に瀕していた時に、ルーマニアが統一を提案したと非難しています。

『ロシアによるルーマニア非難』(ロシア語記事)
URL: https://www.kommersant.ru/doc/2917049
図3 モルダヴィア
Moldavia_map.png
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/モルダヴィア#/media/File:Moldavia_map.png
(黄色の部分がモルダヴィア)

第2次世界大戦後、黄色の部分がソ連に割譲された場所です。

黒線の部分がその後モルドバとして独立しました。


一部がウクライナ領となりましたが、トランスニストリアと呼ばれる部分が出来上がっています。

ルーマニア周辺は、ロシアにとって非常に問題のある地域なのです。

1992年のトランスニストリア戦争以降ロシア軍が駐留しており、ロシアにとって放棄できない場所です。

さらに火種が増えることになったのが、ハンガリー右派政権の誕生です。
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(2)ハンガリーによる右派政権の誕生による情勢悪化の危険性

ロシアの東欧地域介入の口実として、さらに問題となっているのがハンガリーです。

2018年4月に、ハンガリー議会選挙が行われました。

その結果、「反EU、反難民、親露」のオルバン・ビクトル首相が再選しています。

図4 「オルバン・ビクトル」ハンガリー首相
319px-Orb?n_Viktor_2016.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/オルバーン・ヴィクトル#/media/File:Orb%C3%A1n_Viktor_2016.jpg

この人物が強権的な政治と「反EU反難民」を掲げた強権的な人物です。

ハンガリーの民主主義体制が、揺らいでいる象徴といえる人物です。

しかし、民族紛争の火種となる政策を進めていることは日本ではほとんど報道されていません。

2.1 トランシルヴァニア地方への領有主張

ハンガリーが、ルーマニアのトランシルヴァニア地方への領有権主張は、日本ではほとんど知られていない事実です。

何しろ第1次世界大戦の、ハンガリーに対する講和条約「トリアンノ条約(1920年)」まで逆行する話です。

図5 トランシルヴァニア地方
250px-Transylvania_location.svg.png
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/54/Transylvania_location.svg/250px-Transylvania_location.svg.png

この時、ハンガリーは敗戦国として国土の3分の2を失いました。

トランシルヴァニア地方も、ハンガリー人の居住地域でしたがルーマニアに割譲されています。

オルバン首相は、トランシルヴァニア地方のハンガリーへの復帰を政策としています。

しかし国土の約45%を占めるトランシルヴァニア地方割譲を、ルーマニアが認めるはずがありません。

この地域周辺は、第2次世界大戦終結までいろんな領土紛争が起きました。

2015年に共存の宣言が出ていますが、情勢が不安定です。

2.2 ルーマニア「ルドヴィッチ・オーバン」はハンガリー系

ここで、ルーマニアとハンガリーの問題として「ルドヴィッチ・オーバン」氏がキーマンとなります。

彼はトランシルヴァニア地方の出身です。そのためハンガリー国籍も持っています。

ここにロシアがトランシルヴァニア地方問題解決のために、政治工作を仕掛けたら?

ルーマニア・ハンガリーの間に容易に亀裂を生じさせることができます。

元々歴史的に仲の悪い隣国同士にかつての領土の問題が発生すると、NATOも動きにくくなります。

ただでさえ、EUと難民問題で揉めているところにハンガリー優先主義が発生したら?

ルーマニアにある、米国のMDシステムを排除したいロシアにとって好都合な状況が生まれます。

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(3)そして「礼儀正しい人々」が登場する・・・

ルーマニアは政情不安で
『モルドバとの統一問題』
『ハンガリーの右派政権との対立』
(トランシルヴァニア地方)
を抱えています。

ここまで混乱した状態は、かつての東欧革命以来でしょう。

ロシアにとって、ルーマニアを勢力圏に引き込むとNATOへのけん制となります。

やり方として、正規軍を投入する必要はありません。

そう、クリミア半島で行われた「礼儀正しい人々の蜂起」があればよいのです。

図6 「礼儀正しい人々」(クリミア半島)
礼儀正しい人々.jpg
引用URL:wiki

正面から正規軍同士で激突するリスク避けて、NATOの弱点である東欧を攻略する簡単な手段です。

今後ルーマニア・ハンガリー周辺の情勢が、ロシアの勢力拡大のカギとなるでしょう!
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posted by sstd7628 at 14:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界情勢

2020年02月23日

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