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護衛艦の船務士となったペンギン船務士ですが、出港がすぐに控えています!
あまり知られていない出港前のお仕事とは一体!
そして出港するとき、船務士の艦橋でのお仕事とは一体何だ!
(前回記事):『 ペンギン船務士!護衛艦勤務になりました! 』
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(1)出港前にもいろいろと準備があるよ!
着任早々に、出港と一般公開・体験航海といろいろ仕事が入っていることがわかりました。
まずは、着任して最初に行う『身上記録』をすぐに書き上げます。転勤ごとに毎回書かなければないのが面倒なのです。
※『身上記録』とは?
自衛隊における『履歴書』に該当する書類です。
(「自衛隊の人事記録に関する達」S39.3.30海上自衛隊達第14号第7条)
部隊にて、人事記録を管理する書類です。
図1 履歴書みたいなもの
引用URL:https://jsdf-tensyoku.xyz/wp-content/uploads/2017/02/1f76abca38e5eb5e51e792b5e220c76b_s.jpg
『身上記録』は当時まだ手書きで出すため、転勤ごとに面倒ながら書いていました。
(最近は、ペーパーレス化でPCにて作成してよいことになっているそうです。)
次は船務士の仕事の引継ぎですが、着任時には前任の船務士がまだ乗艦していたため、比較的楽に仕事の引継ぎができました。
前任の船務士は、私が任務課程修了直前に別の艦の航海長に転出予定であったためです。
ここで、いろいろ船務士の仕事や、やるべきこと・当直などを教えてもらえたのが大変役立ちました。
ほとんどの場合、引継書だけになる『さむらい(士)配置』ではありがたい状態でした。
1.1 出港に向けて準備だよ!
出港前の仕事として一番大きいのが、海図に航路を記入することでしょう。
護衛艦の場合、航海長が航海計画を作成して艦長の決済を受けます。
航海計画に基づいて、海図に航路を記入したり、航海保安位置・入港準備を始める場所など詳細を海図に記入する仕事があります。
通信士を中心に、副直士官として艦橋に立つ幹部が手分けして記入をします。
今回は『初任幹部がどこまでやれるかお手並み拝見』ということで、船務士(ペンギン)と水雷士が書き込みを担当することに。
通信士と船務士Aの監督を受けながら、書き込みをしていきます。
『ここの変針点は、何を基準にする?』
『浅瀬で座礁しないために、水深何mを基準に安全線を記入している?』
練習艦隊の時より、より濃密に変針点の質問や進路記入の根拠を問われます。
海図に航路を書くときは、ただ針路を記入すれば良いわけではありません。
艦の航行と安全を確実にするように記入するのが、副直士官の役目です。
1.2 飛行長のチェックも厳しいよ!
何とか海図への記入も終わり、あとは科長クラスや副長・艦長のチェックを受けることになります。
ここで先輩方から言われたのが、
『ウチの飛行長のチェックは厳しいぞお〜!』
との脅し文句が・・・
航海計画を基にした、航路を記入した海図チェックになぜ飛行長が?と思う方もいるかもしれません。
私の乗艦した護衛艦は、護衛艦隊所属のヘリ搭載護衛艦でした。
ヘリ運用の時は飛行長がヘリ運用に責任を持っており、艦の航海針路がいい加減だとヘリ運用に支障が出るためです。
飛行長は先任幹部(副長に次ぐ艦のNo3)も兼務しているため、副長・艦長にいい加減な報告をさせないという責任感を持っていた方でした。
『風向き●●度の時、ヘリ発着艦訓練では何度まで針路を変更できる!?』
『横風制限風速を超えたとき、ここでは何度にするとヘリ発艦が可能になる!?』
パイロットらしく怒涛のような質問攻めに遭遇しましたが、何とか答えることができました。
最後に、ニヤッと微笑みながら、
『よろしい、自信をもって副長・艦長に報告してこい!』
飛行長も、どうやら初任幹部がどこまで自身と根拠をもって報告に来たのか確かめたかったようでした。
飛行長とは、その後別の部隊で、航空隊との合同作業にて再会するなど縁のある方となりました。
その後、副長・艦長への報告を行い、無事に海図に航行針路を記入する仕事が終わりました。
上司や指揮官に対する報告する時のスタンスというのも、この時学ぶことができました。
1.3 機微に富んだ報告の上げ方を学ぶ
実習幹部時代は、とにかく元気に報告を上げるのが常態化していました。
護衛艦で士官として、実際に報告を上げる時は、機微に富んだ報告が必要であると学ぶことができました。
・報告文書を持っていき、じっくり読んだ後に質問をしていくのを好む上司
・報告文書を提出して、読み上げていくスタイルの上司
いろんなスタンスの報告の仕方があるものだと学びました。
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(2)出入港時の船務士のお仕事は艦橋伝令!
出入港の時(出入港部署)において、船務士は艦橋の配置となっています。
そこで船務士が行う仕事は主に、艦長の艦橋伝令となります。
伝令という言葉から、カンタンなイメージを思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし出入港時は艦長操艦にて行い、艦長の操艦号令を正確に艦橋に伝え艦長には現在の艦の状態を正確に伝える役目があります。
操艦号令など正確に伝えるために、幹部自衛官の船務士が伝令を行うのです。
そのため、出港前の出港ブリーフィングでは、艦長のインテンション(意図)でどのように出航作業をしていくかを正確に把握しておきます。
図2 出港前ブリーフィングの様子
引用URL:http://active.upper.jp/piyopress/wp-content/uploads/2015/05/IMG_70400530.jpg
ここで、正確に艦長の意図を把握していないと伝令の役目を果たせません。
2.1 出入港の時はいろんな情報が飛び交う!
出入港の際は、
・船務長:えい船の指揮
・砲雷長:もやい索の収容などの甲板作業の指揮
・航海長:艦橋にて艦長の操艦補佐
・通信士:艦の位置確認・通信など
各員がいろんな作業を分担しています。
ここで船務士の仕事としては、各所情報の報告・艦長からの命令伝達の交通整理の役目になります。
意外と、情報報告などいろんな情報が艦橋には上がってきます。
錯綜する情報をどう整理して艦長に報告するか?艦長からの号令命令をどう伝えるかが船務士の腕の見せ所です。
2.2 実際の入港時の艦橋の様子(護衛艦「あさゆき」)
映像の6:23付近から、ウィングの出入口にいるのが、船務士です。
艦橋の情報をボードに示して、艦長がすぐに艦の状況を把握できるようにしています。
ウィングにいる艦長と、艦橋中央にいる航海長の間は結構距離があります。
そのため、艦橋伝令が号令を艦橋内に伝達していきます。
出入港時は、特にウィング操艦の時が船務士にとって緊張する瞬間なのです。
・・・けど、体験航海の時などは目立たないんですよね〜。
航海長や艦長、通信士の海図記入などが目立つんです。
体験航海にて艦橋で見学される方、たまにでいいので船務士に注目してみてください。
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(3)艦橋では右舷の海図台を使う!
艦橋勤務の時あまり知られていない事実として、個艦の位置を確認する海図台は右舷の海図台を使うことです。
図3 海図台
引用URL:http://farm4.staticflickr.com/3758/9398283505_7b399648c3_c.jpg
護衛艦など大きな艦では、左舷にも海図台があります。
図4 左舷にある海図台(試験艦「あすか」)
引用URL:http://www.vspg.net/jmsdf/ase6102/6102-16.jpg
左舷にある海図台は護衛隊司令が乗艦した場合など、上位部隊が使用するためにあります。
旗艦になると、左舷でも隊付や幕僚が作業しています。
普段使わないときは、航海科がダブルチェック用に海図記入するなどして使用しています。
最近の新しい艦だと、電子チャート(海図)が搭載されたりなど便利になってきてます。
私の乗艦していた護衛艦には、まだ搭載されていない時代でした。
電子チャート(海図)を何度か使う機会がありましたが、紙で慣れた身としてはやや使い難い感じでしたね。
今後は、電子チャート(海図)全盛になるのでしょうね・・・
ともかく最初の出港作業を終了して、『別れ!』の号令がかかるまでは、緊張の連続でした!
まずは最初の出港が終わり、次のワッチ(当直)時間まで1時間あるから、一休みできるかな〜と思っていると!
『船務士は、とりあえず次のワッチまで、艦橋で航海の状況を見学しておけ。』
との艦長からのお言葉が!
ひえ〜〜!ホント艦橋勤務は、大忙しだぜええ(涙)!!
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