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Akio
はじめまして。 映画が大好きで、現在も続いている午前十時の映画祭の第一回と第二回では上映作品100本全ての映画を鑑賞しました。 映画やテレビはたとえ架空設定のSFであっても、制作当時の時代を映しています。50歳を超えた今、特に邦画と日本のドラマは、過去の世相と風俗を振り返りながら観ていきたいと思っています。
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2017年03月27日

野球狂の詩 第14話感想 「北の狼南の虎(後編)」

初回放映:1979年

フジテレビ系


東京メッツのピッチャー火浦健と阪神タイガースの大島大介のエピソード。放映後、好評だっ
たため前後編合わせた総集編が劇場公開された作品。



(ストーリー:ネタバレ)

「かあさん、かあさん、かあさん、かあさん・・・。」

火浦健が逮捕されてから2年後の夏、客船で北海道から東京に向かう火浦健の姿があった。船
内のテレビでは夏の甲子園大会が放送されていて阿蘇高校は決勝に進んでいた。3年となった
大島大介は逆転サヨナラホームランを打ち甲子園初出場初優勝を決めた。阿蘇に凱旋して来た
大介の家には大勢の応援する人々が取り巻いていた。

火浦健は東京メッツの本拠地国分寺に到着。ふと立ち寄ったラーメン屋「珍来軒」で働く加代
よという女性と出会う。加代は健の顔を見て何かを感じたようだ。

大介は久しぶりの家での食事に舌鼓をうっていた。寝ている大介の部屋をのぞいていた両親は
ドラフトが終わってひとり立ちしてからから何かを話そうと相談していた。その後大介は国体
で準優勝、ホームラン4本、アジア遠征で3本のホームランを打つ活躍を見せていた。

プロ野球のドラフト当日、東京メッツの入団テストで火浦は合格、大介は南の虎の異名どおり
阪神タイガースが1位指名球団となった。

大介は来訪した阪神タイガースの交渉人に入団を快諾し、学校に挨拶に出かけて行った。両親
はいよいよ大介が自分たちの本当の子供ではないということを明かそうと相談するがそこに訪
れた先生から、1年の時頭部にデッドボールを受けた際、診察を受けた時に知った自分の血液型
で夫妻の実の子ではないことを既に知っていた。しかし両親を本当の親以上に愛しているため
そのまま何事もなかったようにしていたと知らされた。両親は大介の思いを汲んで自分たちか
らは事実を話さないと決めた。

健は「珍来軒」を訪れ、加代にテスト合格を報告。加代は合格祝いにと健に店のかつ丼をご馳
走する。

笑顔を全く見せない健店の店主や女将は気味悪がるが、加代は過去に捨てた子供が今は健と同
じ年頃だと回想する。夫を亡くした一月後、悲しみに暮れる加代が目を話した隙に双子の子供
はストーブを倒してしまい足にやけどを負ってしまう。火は家に燃え広がり二人を抱いて雪が
降る外に逃げ出した加代は死を選ぶことを決め、誰かが拾ってくれることを願い、子供をそれ
ぞれ別な場所に捨ててしまう。一人は火浦政が、もう一人は大島夫妻が拾うこととなった。加
代も奇跡的に助かり今に至っていた。

プロ野球の開幕オープニング投手となった健は、早速タイガース戦で5番ライトの大島大介と
対戦することとなった。加代は店のテレビで観戦、大島夫妻は球場に訪れていた。

完投した健であったが、大介にはホームランを打たれていた。健が何を投げるかという読みが
全て当たったと大介は両親に告げる。

健は完投の記念におかよに記念品のプレゼントを持ってきた。その夜、父親の政が死んだ時の
ことを夢に見てうなされる健。目覚めても服役二年のことを思い出して政の遺影に目をやる。

その後、東京メッツは健の好投で首位を突っ走り、10月10日タイガースと優勝を掛けて戦うこ
ととなった。火浦健の成績は、19勝5敗、防御率1.96一方の大島大介の成績は打率3割
5厘 ホームラン24本打点60。どちらか勝ったチームに属する方が新人王と目されていた。

健が店に来ている時にテレビで放送されていたプロ野球ニュースで練習中に大介の足にボールが
当たった治療時に両足に大やけどの後があることがわかったと伝えらていた。その映像を見た加
代は動揺して運んでいたラーメンを健の足元に落としてしまう。慌てたおかよは健の裾をたくし
上げるとそこにも両足にやけどの跡が。動転したおかよは気を失ってしまう。

10月10日国分寺球場での優勝をかけた今シーズン最終戦。あと一人でメッツの優勝だが得点差1
点でツーアウト満塁のピンチ。続く大島だがいつもは大介の方に分があるのに今日は3打席とも
健が抑えていた。その後の加代と健の話で、加代が自分の母であること、大介が双子の弟である
ことがわかり、双子なら健の考えている事がわかっても不思議ではないと、考えと逆の投球をす
るようになったからである。

火浦は大島に投げ勝ち20勝し、東京メッツは優勝した。

加代は健から「試合終了後にスタンドで待っていてくれ、勤めを辞めて一緒に暮らそう」と言わ
れていたが、自分にはその資格がないと球場を去ろうとする。すれ違いでスタンドへ来た健はな
んとか加代に追いつくことが出来、加代を説得する。抱き合い、二人は涙する。立派な両親がい
る大介はそっとしておいてやろうと健は加代に告げる。球場を出ると大介と大島夫妻が帰るとこ
ろと出会う。互いに会釈をして二人は大島親子を見送る。加代は大島夫妻に心の中で「二郎をよ
ろしくお願いします。」とお願いする。健は「来年もお互いに頑張ろうな。お休み、弟」と心に
思うのであった。






不思議な縁で再開した母と双子の息子たちの話。ハッピーエンドでよかったです。

大島大介は1年2年の時は甲子園出場は果たせなかったようです。大島家を訪れた先生が「1年の
時のデッドボールからよう立ち直ったもんじゃ。」と言っていたので、前編では対したことはない
と診断されていたはずの頭部に受けたデッドボールの後遺症があったのでしょうか。

阿蘇高校の監督が、大介卒業と共に野球部に向けていた関心が無くなり設備投資をしてくれなくな
るかもしれないことにぼやいていました。大介がいる間に外野ネットの設置まで目論んでいたよう
ですが達成できなかったようです。その後タイガースと契約した大介から外野ネットの費用にと寄
付がありました。監督、よかったね。

裕福な家庭に見えた大島家も大島商事が2度倒産するなど苦難の時代もあったようです。大介を拾
った神社で大島夫妻はわざわざ九州からお参りに来た甲斐があったと言っていましたが、再起と商
売繁盛を祈っての事だったのでしょう。


健の棲んでいるアパートは割れた窓をテープで補習しているところを見ると安アパートのようです。
家具も見当たらず、布団と父親の遺骨と遺影しか見当たりませんでした。メッツ入団までの収入は
どうしていたのかは明かされていません。

原作者水島新司の漫画は架空のキャラクターと実在の野球選手が混在して登場します。12話〜14
話はメッツの対戦相手は阪神タイガースばかりでした。田淵や掛布が出てきて懐かしかったです。

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posted by Akio at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 野球狂の詩
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