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2025年01月24日

593.Necropolis

Necropolis-2024_11_24-10-47-18.png

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「ネクロポリス」のレビューです。

 ネクロポリスという、全10階層からなるダンジョンを攻略し、脱出を目指す3Dローグライクアクションですね。特徴としてダクソのような操作体系で戦闘を楽しめます。
 とはいえ非常にシンプルかつめちゃくちゃもっさりなので、ダクソというよりはキングスフィールドといったほうがしっくりくるかもしれません。

 いや、普通に面白かったですよ?
 武器の振りが遅く、硬直も長いのでやみくもに振ってもスタミナを無駄にしがちで、一対一を心掛け、敵の攻撃を誘いしっかりガードなり回避なりしてから一発入れる。なるほどたしかにダクソ的な、アクションでありながらターン交代を意識させる戦闘は、結構緊張感もあり楽しかったです。
 敵は基本的に集団で襲ってくるし、意図的に強く設定された強敵なんかもいるので、ポーションやスクロールを有効活用して状況を打開するのは非常にローグライクですし、本作にはフレンドリーファイアの概念が敵にも設定されており、集団内だろうと構わず武器を振り回す敵は簡単に同士討ちするので、意外と一対多数でもなんとかなるんですよね。盾構えてぐるぐる回ってればいつの間にか敵の数が減ってたり、あるいは奇跡的な連携で為す術も無くボコにされたり(笑)

 本作はローグライクもメインということで、ランダム生成された3Dダンジョンを下へ下へと潜っていきます。道中様々な武器を手に入れ一喜一憂し、効果のわからないポーションやスクロールを、少ないインベントリと相談して拾ったり捨てたり。上記のような不利な状況を覆すために強力なポーションやスクロールを一つは確保しておきたい、とか、ローグライクのお約束の空腹ゲージはアクションで使用するスタミナゲージで表されており、攻撃したりジャンプしたり、起死回生のパワーアタックを使ったりしていくとどんどんスタミナの最大値が減っていくんですよね。これを回復するために食べ物を食べたり、手元になければ拾った素材を組み合わせて錬成したり。
 このスタミナの仕様が本来完全なターンベースであるローグライクの様子をよく再現できており、アイデアが光るシステムだと思いました。
 最初に述べた超絶もっさりアクションも、逆にとらえれば反射神経がいらず、一撃一撃を考えながら行えるアクションですし、敵のターン、こちらのターンがはっきりしている様子はローグライクのターン制とも噛み合います。

 だもんで普通に面白かったんですよ。
 装備やアイテムの効果も具体的な数字は書いていないので知識に拠るところが大きいですけど、実はもっとよくフレーバーテキストを読めば、効果の推測や、この武器はどの種類の敵によく効き、逆に誰には効きが悪いかもわりとわかるようになっています。
 こういったところも、ランを重ね知識と経験を積み重ねていくことでクリアに近づけるローグライクの仕様を再現できています。

 昔ネタにしたことあるんですけど、どういうゲームをローグライクって呼ぶか、意外と厳密に決まってるらしいんですよね。まずグリッドベースであること。見下ろし視点で、マス目を一歩ずつ進んでいく感じですね。それから完全なターンベースであること。自分が動けば、相手も一歩動くってやつです。そして死んだら終わりってこと。昨今の繰り返し型ゲームのように、やられた際にそれまでの冒険をスコア化、換金して、次の冒険をより楽にするような要素がないってこと。
 だったかな?(汗) 他にもあると思うけど。
 これらの要素を全て満たしていなければ、それはもれなくローグライ"ト"というジャンルになります。

 それを鑑みれば本作はローグライクではありません。
 しかし、ローグライクを満たす条件に含まれた、もっとコアな本質というのが本作にはしっかり受け継がれていて、個人的にはこれはれっきとしたローグライクだなと感じられました。

 さて、結構褒めちぎりましたが本作は決してそんな良いもんじゃあありやぁせんwww
 もうね、始める前から難産だったんですよ。

 少し前にね、本作を遊ぼうかって思った時期があったんです。
 その時ダウンロードを始めたんですが、これがいつまで経っても終わらない。試しにやってみた他のゲームはなんの問題も無くすぐ落としきれるのに、こいつだけは異常に速度がでなくて、あんまり細すぎて1分くらいでインストールやめちゃうんですよ。勝手に。数メガ落として勝手にキャンセルされて、放っておいても再開しないから手動で開始して、また1分して切れて。二日くらいかけてちまちまダウンロードしました。4GBくらい。ええもう。1分ごとに手動で再開しないといけないので離れられませんよ。
 結局99.9%から先に進めず全部アンインストールしました(笑)

 もちろん、ヘルプフォーラムに怒りの小言送ってやりましたよ。直接文句言える場所がないので、適当なトラブルシューティングからご意見のページ行って送ってやりましたw

 で、せっかく買ったものだけど、買ったのは数年前だしもうええわ、永遠に封印だと思って忘れてたんですね。今回Series Xに買い替えて、ふとその時のことを思い出したんです。試しにインストール指定してやったら、何も問題なくコレクションに入ってました、というオチ。
 あの時たまたまサーバーの調子がおかしかったのか、はたまた私の怒りの小言が届いたのか(笑)

 で、始めてみたらあまりのもっさり感にさっそく不安になってきて、積み重ねもないし、アイテムや装備の効果もわからないし、まぁお気づきでしょうけど最後にネタバラシするある事情も相まって、封印したままでも良かったんではないかと……。
 でも気持ちを切り替えて横着せずにしっかりと向き合ってみると、前述のような事柄がわかってきて、ずぶずぶと面白くなっていったんですよね。典型的な洋ゲーだと思います。

 でもやっぱり最後はモチベが切れて若干苦行になりました。
 なぜって? そりゃあバグで解除できない実績があるからっすよ。
 クラフトのレシピを全部集めるっていうシンプルな内容なんですが、死ぬ度に全部リセットされるので、一周の間に全て集めきらないといけないんだと思います。絶対に累計ではない。
 となると意外と難しいし、集まってくると死にたくないしで集めてる最中は一番楽しかったかも。
 本作は完全な一本道ではなく、1階で確定で二手に分かれていて、途中でランダムで合流と分岐を繰り返したりします。全ては地続きで生成されていて、その全ての内容、ドロップしたものまで覚えています。なので極論、最下層まで行ったらもと来た道をひたすら戻り、さっきとは逆のルートでもう一度潜り直す荒業も可能なんですよね。これに気付くとレシピ集めや別の実績である15000ジェム集めも捗るのですが、しょせんはランダム。レシピの主な収入源となる鳥チェストが出現してくれないとどうにもなりません。加えてこのレシピおよび武器などは階層によって出るものが分かれている気がします。ティア4の強力な武器が1階では拾えないってのと同じですね。なのでけっこうハラハラしました。レシピがあと一つ、二つ埋まらないって状況でもうクリアするしかないってことはよくありましたから。

 ま、結局これも解除できなかったんですけどね。
 調べてみるとリリース時にバグがあったみたいで、集めたのに解除されないって話は結構ありました。Steam版では解決してるみたいですけどXboxはダメでしょうね。
 なんで私がこんな怪しい実績を求めたかって言えば、実は解除者がいるからです。
 狙ってプレイしないと解除が難しい他の実績の解除者が1%や0.15%いるのに対し、このバグ実績の解除率は0.01%つまり100分の1、10分の1以下なんで、冷静に考えればやっぱりおかしいです。全てのユーザーの中で1%しか成しえなかった実績を解除した人間の、さらに9割がこの実績の解除を試みないなんて考えられないので。何かの弾みで偶然解除されたか、さもなければチートですね。
 一縷の望みをかけて私も挑戦し、コーデックス(道中一つだけ持って行けるアーティファクトみたいなやつ。プレイヤーに特殊な能力を少しつけてくれる。その一つに、レシピの8割くらいを利用できるようになるコーデックスがある)の力を借りずに全29種全て自力で、一周の間で見つけたし、試しに全種類作ってみたりもしたけど、ダメでした。
 噂によると開発段階のテストデータで、バグか仕様か出現しない幻の30番目のレシピがあるらしい?

 いろいろ試してダメだったのでがっかりして、モチベもがっくり下がりましたってハナシ。
 そこに行きつくまではじっくり楽しかったです。
 始めは無謀で無理で悪意に思えても、知識と経験で判断できることも多く、続けるうちに自然と切り抜けられるようになっていったのが楽しかったですね。
 そこに加えてちょっとだけ運が良ければ(序盤で強い武器を拾えた。強敵にうまく対処できた。お金たくさん拾えたとか)、すんなりクリアできる難易度もちょうど良かったです。

 はい、じゃ最後のネタバレ。
 全部を通して英語です。
 本作も海外ストアで買いました。
 でもパブリッシャーはバンナムなのよね(笑) どういう接点??
 じゃあ日本語化して日本で売れやとも思うけど……パンツも可愛い女の子も出てこないし、一時間触っただけじゃ面白さが見えてこない、必要最低限でまとまったミニマルな感じの、シンプルかつもっさり感なごりごりの洋ゲーなので、そりゃ売れないよね。

 グロさは皆無で、シュールなジョークやシンプルな幾何学的なお洒落さがあり、ネクロポリスの風景は解放感もあります。雑魚の大半を占める人型の敵がプレイヤーを見つける度に叫ぶのでめっちゃうるさかったけど、敵視を受けた証拠として索敵に必要な要素だと割り切れば、個人的にはそんなに気にならなかったし、BGMは耳につかない感じで雰囲気はすごく良かったですね。こっそり日本語化されてSwitchあたりにありそうな気はする(笑)
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