2024年10月25日
580.笑顔の錬金術師
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「The Smile Alchemist」のレビューです。
販売はKemcoですが開発が別のスタジオなので、外注作品ってことでいいのかな。クレジット見るとたぶん制作の主要メンバーは二人きり。めちゃくちゃ面白い作品だったので、これはすごいですね。
モンスターは存在するけどお話には関わってこず、従って戦闘のない珍しいKemco作品。しかしタイトルからわかるとおりアトリエ系のゲームで、今までのKemco作品の中で例を出すなら、パティアと云々や砂の国の云々と同じプレイルーチンを持っています。採集して、作って、売って、また採って、の繰り返しですね。クリックゲーやアイドルゲーに似たカタルシスがあって、やればやるほど数字の力でごりごりできるようになるので、気が付いたら数時間黙々と作業していたってことがザラでした。
そしてそのルーチンの中にテキストアドベンチャー形式でストーリーが組み込まれており、これがまた良いお話なんですよね。
錬金術がただの便利ツールではなく、基本的に非常に明るい世界観なんですけど、錬金術という言葉が持つ暗く湿り気のあるテーマ(まぁ、某有名漫画の影響ですけど)も入っていて、終盤は結構胸が締め付けられました。
そして、本編進行の面白さだけでなく、キャラは個性的で魅力的だし、それぞれにしっかりとしたバックボーンがあり、さらには今までの伏線を繋ぎ合わせてのどんでん返しなど、お話のクオリティはすごく高いと思いました。
(別にネガキャンじゃないですけど、あれやこれや伏線が繋がって、実はあのキャラとこのキャラには関係があった!とか気づくと一気に面白みが増してアドレナリン出ると同時に、バラバラだったあれもこれも結局は全部ここに集まってて、なんか世界が狭いな、狭くなったな、自分が想像してたこの世界が小さくなったなって感じることありません? 良いとか悪いとかではないんですけど)
採集、錬金、売却と三つのコンテンツを回しながらお話を進め、クリア後もひたすら回しながらやりこみや実績を目指すことになるんですが、この中で採集コンテンツが異常に時間かかるのが難点といえば難点ですかね。他二つに対してスティック操作やテキスト送りなど、複数の操作が必要になり、ボタン一発で複数回こなせない作りなのがその原因なのですが、これ削除しちゃうと味気なくもなるしねぇ、まぁまぁまぁ。指が痛くなるし、またAボタンが壊れないか心配になった(笑)
他気になった点は二つ。
日本語の使い方は完璧なのに、惜しい。「足が早い」とか慣用句の使い方もばっちりなのに、なぜ「足元をすくわれる」って言っちゃうんだよぉ。正しくは「足をすくわれる」です。まぁ、国民の9割が間違えて使ってればそれが正しい使い方になっちゃうのが我が国ですし? その用例で辞書にも載ってそうではある。ちなみに「誤用・足元をすくわれる」はKemcoゲー最頻出用語です。これマメな。
もう一つは、本来、リアルな錬金術というものに死者蘇生や人造生命は禁忌というわけではないんだろうけども、あまりにも某錬金術漫画が有名なため、個人的にはこのタブーに触れたと思われるシーンが気になってしまいました。
2024年10月18日
579.Xbox Series X で、で、でびゅ〜〜〜!
はい! ででん!
……空気清浄機かな?
てことで私あるへもついにXbox Series Xデビューしました。
2024/10/15発売の新型モデル「Xbox Series X オールデジタル ロボットホワイト」ですよ。
あるへはXbox Oneになってからパッケージソフトを買わなくなったので、Series Xは欲しい、でもディスクドライブはいらないと常々思っていたんです。まさかその願いが叶うとはね。
私はオリジナルのSeries Xには触ったことも実物を見たことも無いのでアレですが、おそらく性能に違いはないと思われます。性能やデザイン(色は別として)はそのままで、ディスクドライブだけを削り、その分8000円ほど安くなっています。税込みで6万円でした。
ただ盲点があって、私の環境の場合、映像はPC用モニター、音声はサウンドバーと別々の機器で再生しています。昔まだHD画質だった頃はXbox→サウンドバー→モニターと直列で繋いで遊んでいたんですが、モニターが壊れて4Kモニターに買い替えてからは、サウンドバーが4K信号に対応しておらずちょっと慌てたんですね。
奇跡的にXbox One XにはHDMIポート以外に、音声データをやりとりできる光デジタルオーディオというポートがあって、これをサウンドバーに繋げることで危機を回避したのでした。
Xboxから二本のコードが伸びていて、一本はHDMIコード。4K信号を直接モニターに。もう一本は光デジタル。これも直接サウンドバーにっていう状態。
ってぇのをSeries Xが届いてさあ接続だって時に思い出して(笑)
具体的には三つの機器を直列で繋いで画質が1080pしか出ないことに驚いて、ようやく自分が今まで何故その配線にしていたのかを思い出しました(笑)
Series Xの出力はHDMI一個しかないのが痛かったですね。光デジタルの穴がないんですよ。あとは電源とUSBポートが裏に二個、表に一個。何気にすげぇのが専用追加ハードディスク用のスロット(笑)
だけなんですよね。光デジタルはつけておいてほしかったなってのはまぁ個人的要望ですけど。
なので急遽電気屋に走り込んでくっそ高い分離機を購入してきたのでした。大型電気量販店なのでフルプライスですよ。Series X買うだけでも予定より早まった分貯金がすっからかんで、親に借金する羽目になってしまいました。くぅぅ、サラ金だろうが親だろうが友達だろうが借金はしないって誓ってたのに。
ようく考えればたとえばいったんサウンドバー接続は諦めてしばらくはコントローラにヘッドフォン指して音を楽しむとか、それこそHD画質で我慢するとか、なんならAmazonでもっと安い分離機探すとか(買ってきたのは8000円した……)あるんですけど、ねぇ、目の前に最高のブツぶら下げられてあと一歩で体験できるって時に、ストレスかかるやりかたで代替したり、性能を下げたり、再び部品が届くまで数日待つなんてできますか!!!?
私はできませんっ!
つうわけでXboxから伸びた一本のHDMIコードを分離機に繋げ、映像データと音声データに分け、一方は再びHDMIコードでモニターへ、もう一方は光デジタルコードを繋げてサウンドバーへってやり方で無事堪能する準備ができました。
で、さっそく起動ですよ。
正直、つけた瞬間の感動ってそこまでではありませんでした。起動音はOneと同じだし、なんならホーム画面だって同じだし。でもですよ? あれ、ホントに今電源点けた? ちゃんと起動してる? ってレベルで無音なんですよ。やばくないですか? 私が昨日まで使ってたOne Xは正直初めての起動でもファンの音が気になったし、経年劣化や煙草のヤニで油が切れた今となってはファンの音が結構うるさく感じてたんです。秋から冬にかけて負荷の軽いインディーゲーなんかは比較的おとなしいですけど、夏場にFFとかやろうもんならヘッドフォンとか別手段用意しないとファンの音でまともにBGMを堪能できない状態でした。
技術の進歩すげぇよな。無音、まじで無音なのに、排気口に手を当てるとしっかりと力強い温風が吹いてるんだもの。正直、これだけでマジで買ってよかったって思ってる。あとはオマケ。
いやオマケなわけあるかい!
つい昨日まで遊んでたFFオリジン。とっくに実績コンプしてエンドコンテンツを飽きるほど回ってました。
それをね、あらためてSeries Xに落として遊んでみたのよ。
さっきからすごいしか言ってないけど(汗)ホントすごいよね。まずOneの3倍近いデータをダウンロードしてました。90GB近く。さすが、これがOptima……最適化ってやつか。そりゃ落としたデータ量と扱うデータ量違うんだから、変わるよね。
軽く遊んでみただけでも「あれ、ここってこんなにきれいだったっけ?」「この光こんなにきれいだったっけ?」って感動とため息と感嘆しっぱなしですよ。
本当に光の扱いというか処理がすごくパワーアップしてると感じました。磨かれた床に反射するキャラクターの若干ぼやけた鏡像とか、影とか、砕けたクリスタルの乱反射の具合とか。
それでいてやっぱりSeries Xは無言、というか無音。ほんっとーうに静か〜な中で、素晴らしいBGMやサウンドの細かいところまでをしっかり堪能できました。
これがOneではごぉごぉ鳴って(以下略)
ロードくそはぇぇ、そもそもXboxの起動も早すぎ! モニターの起動が間に合わない。だったらもう本体のスリープモードいらなくない?のレベル。
Series X|Sでしかできないゲームは当然だけど、実はそれだけだとこいつの真価は実感できない。なにせ涼しい顔して当たり前のように動作するから。
だけどOneでやっていたことをSeriesにもさせてみたり、昔発売したゲームや遊んだことのあるゲームをこいつで改めて遊んでみると、この箱……否、空気清浄機がいかにバケモノかってのを思い知るのよね。
高さが出て本当に「箱」だよね(笑)
白いからさ、余計に箱感あって、空気清浄機か、さもなければちょっと大きめのティッシュボックスか(笑)
ディスクドライブついてないからかもだけどOne Xよりも軽く感じたな。
縦置きにするとおしゃれなThe Hakoだからさ、形の良い四角形を見ると人間て本能的に上に物置きたくなると思うんだ。それで誤って排気口に物置かないように、あえて不安定な凹んだデザインになってるのかなって思った。
縦置き前提デザインだけど、私は転倒が怖くて横置き派です。すると、底面のクソでか真っ黒ゴムパッドの存在感がやべぇ。
皆に言っておきたい豆知識。経験上なので確実なこと言えないけど、本体購入時についてきたコントローラはAmazonで5000円台で量産してるコントローラよりワンランク上のクオリティがあると思ってます。おそらくエリコンには負けるんだろうけど、大事にしなよ?
ほんと、いつもいつもいつも純正だから買ってんのにすーぐ壊れたりボタンの効きが悪くなるんだから。
特にLB、RB。360時代からいつだって真っ先にLB、RBの反応が悪くなる。次いでYボタン。
それに比べてXbox One Sについてきたコントローラも、Xbox One Xについてきたコントローラも、信じられないくらい長持ちしたよ。そしてどっちもモンハンで壊したよ(笑)
さて、まだ購入して数日なので上辺だけのことしか理解できてませんが、これからはこいつを、壊れるまで使い倒してやりたいと思ってます。
あぁ、壊れるまでと言えば本当はXbox One Xだって壊れるまで使い倒してやりたかったよ。それもこれも全てはワイルズのため。私もバージョンアップを迫られていたのさ。
本体が届くまでの数日間は、まるでマリッジブルーのような心境で来る未来へのワクワクと、長く連れ添ったOne Xとのお別れに沈む気持ちと、結構ワクワクモヤモヤソワソワズーンな毎日でした(汗)
2024年10月11日
578.The Ascent
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「アセント」のレビューです。
見下ろし視点のツインスティックシューティングアクションRPG、かな。風の噂でハクスラと聞いていたけど、ちょっと違うね。本来の意味での、敵がワラワラでてきてブッ倒しまくってごりごり進む、そういう意味でのハック&スラッシュで、現在のディアブロやボダランに代表される、ルートをかき集めてレアアイテムを掘る、という意味でのハクスラではありませんでした。
いやめっちゃ面白かったです。
まずなんといっても世界観が良かったですね。
見下ろし視点で、右スティックはエイムに使うのでカメラを操作するという概念がありません。それが勿体なく感じるくらいに作り込みが凄まじく、遠景の迫力もさることながらオブジェクトの一つひとつやキャラクターのモーション、どれをとっても隙が無く、圧倒的なサイバーパンクの世界観に没入できました。
私は忘れてて使いませんでしたけど、カメラモードがあるので写真好きな人は使ってみましょう。オプションからモードをオンにするのを忘れずに。
さてこのいつとも知れない未来の世界。多数の異星人が居て、舞台は架空の星ヴィールスでの出来事。実質この星の支配者たるアセントグループの甘言に乗ってはるばるやってきた主人公は、ここでゴミみたいな暮らしを強いられ、今日も下水のような場所へ仕事をしにやってきました。
暴力と権力が支配するディストピアな世界で、いったいどんな活劇が待っているんだろうとわくわくしながら進んでいると、いきなりアセントグループ、壊滅・倒産してしまいました(笑)
というところからスタートです。
日本語翻訳がほぼ完璧で、それぞれのキャラの言い回しや性格をしっかり表現できており、コーデックスなどゲーム内辞書も読んでいて非常に面白く、おそらくストーリーはサイバーパンクとしての王道だと思われるものの、こういった世界観やストーリーにはそれほど馴染みがないので、かなり熱中して楽しめました。
サイバーパンクやSFのお約束といえばなんちゃってジャポーンのアジアン中華ファンタジーですが、今これを書いてる2024年7月現在、リアルでとある大手ゲーム企業の、とある大作シリーズの新作が大炎上しており、私も屈辱的な裏切りを感じさせられた日本人の一人です。
この部分を簡潔に済ませようと思っても、どうやってもあれこれ言いたいことが噴出してきておさまらないので、三日悩んだあげく書くのはやめました(笑) とりあえずこの会社には失望しました。すでに所持しているヴァイキングの旅が未プレイですので、そこが私のこのシリーズ作品の完結作になるでしょう。
そんな現在ですから、もういっそのことこのなんちゃってアジアンファンタジーが逆に気持ち良い! そもそもここは地球から遠く離れた知らない星で、異星人もたくさんいるファンタジーな星ですから、そうなればこんなジャポ〜ンも許せるってもんです。
この世界では日本の文化というより、日本語が、完全にデザインとして利用されている感じですね。看板読むのが楽しかったです。
で、大真面目なSFかと思いきや意外と茶目っ気があったり、街の至る所に活気があって、ディストピアといいつつも意外とみんな「生活」してるなってのが本当に素晴らしい。みんな終わらない労働地獄に苦しんでいるけど、たぶん我々日本人ならこんなブラック星でも生きていけるはずです(笑)
世界観の話ばかりでなく、ゲームとしてはRPGがベースにあるアクションシューターで、横着せずにしっかり経験値を稼ぎ、レベルを上げれば、その補正がゲームプレイを楽にしてくれます。
なので、ネットには最強武器がどうたらとか結構紹介されているんですけど、武器のバランスは非常に良好で、どの武器にも長所と短所があり、いわゆるぶっ壊れみたいな武器は……まぁたしかにディールブレイカーはぶっ壊れか(笑)
何が強いって、攻撃力ではなく、ストッピングパワーですかね。もちろんガトリングなんで弾幕は凄まじいですが、同時にショットガンなので、手数の暴力で敵の行動をキャンセルしちゃうんですよ。これが強さの理由だと思っています。
が、最初に述べたようにレベル差が重要なデザインなので、ちゃんとレベルが足りていればどんな武器でも楽しく戦えると思いました(ディールブレイカーはクリア直前のご褒美武器。妥当)
DLCも、本編攻略後の続きとして楽しめるのですが、本編に比べてプログラムの詰めが甘く、動作が不安定になったり、音が抜けたり、会話に音声がなかったり、超高速チャットで読む暇すらなく飛ばされたり。
本編のストーリーや個々のセリフは読んでいて面白かったので、こちらでも是非読んでみたかったですね。コーデックスも更新されないのが寂しい。
DLCエリアは高性能で高レベルな敵が密集しつつ、援軍も多いので一戦一戦が大乱戦になります。本編はぬるめだったので、そのギャップに驚くかも。再三いいますが、様々な武器を試すよりは、大人しくレベルを上げたほうが楽になります。
しかし、この敵が強くて倒せないとなった時に、今まで拾ったいろんな武器を試してみたりするのですが、オーソドックスながらもどれも個性的で、いろんな武器を使ってみたくなる魅力がありますね。素材が足りなくてもどかしかったです。
本気のガチで作られた本格サイバーパンクアクション、汚水とネオンと金属のみで作られた街の中を行ったり来たりしながら、やがてピナクルに到着した時は本気で感動してしまいました。
いやぁ、これめっちゃいいですよ。お勧めです。
ただし、ロードは長い。
(長いんだけども、エレベーターや電車に実際に乗って、ぼーっとしたり、うろうろしたりできる。NPCも居て、思い思いのことをしてる。相方と喋ってたり、パッドいじってたり。高級なエレベーターだと飲み物が置いてあったりして、飲んでくつろげってことかと理解したとたん、ああ、やっぱりこの軌道エレベーターも実際に電車乗ってる時間くらい長いんだろうなと思い至り、すごく生活臭を感じて愛おしくなりました)
TIPS
・二回目以降遊ぶ時。再開コマンドを指定するとロードが始まる。もう一回再開を指定すればゲームが始まる。
・実績にも指定される近接武器のスペシャルアタックはLT
・銃を持っている時のLTは「武器を上げる」。誤訳じゃなくて、そういう意味。普段は腰だめ撃ちだけど、LTで武器を上げて、頭と目の位置に持ってきてる。背の低い遮蔽物を越えて射線を通したい時に使う。
・レベル足りてるはずなのに敵がくそ硬ぇと思ったら、そいつはロボットかもしれない。見分けが付きづらいぞ。有機体(人間)の敵には物理。もっとよく効くのは火。逆にロボット相手にはエネルギー属性。もっと効きがいいのがデジタル属性。終盤だけどI/Oコンバータが便利。
・床に黄色く光るリングがあったら、ハッキングでタレットを起動できる。説明されないし攻略にも必要ないから気づきにくいけど、知ってると楽できる場面はある。起動してるタレットはハッキングできない。
・サイバーデッキアップグレードは最大強化値に対して、配置されてる数が若干多い。拾うだけでOK。ハッキングで出来ることが1項目ずつ強化されていく(そしてたぶん、口が悪くなっていく)。
・建物の中で発生するサブクエストは、外からではわからないので、怪しい所は入ってみる。特にDLCエリアはバグなのか仕様なのか本編で確認できた多くのアイコンが見えなくなっている。
・マップに表示される宝箱は、強化素材や装備が入ってる高級宝箱やアイテムそのもの。ランダム性はない。マップに表示されない白い宝箱はお金だけが入っている、無視してもいいやつ。
・全体マップには表示されているのにミニマップに表示されないときは、階層が違う。
・オーディオコンフィグのインデントモードは、たぶんゲーム内用語「インデント(アセントグループの契約社員兼奴隷、つまりあなた)」のことだと思う。主人公視点で音が聞こえるようになり、よりはっきり、大きく様々な音が聞こえるようになる。ただしめちゃくちゃうるさい(笑) おすすめ。
2024年10月04日
577.キングズディセント
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Kings Descent」、英題はHeirs of the Kingsかな。
の、レビューです。
いつものKemcoRPGで、まだ灰汁(あく)の残る古い時代の作品と見受けますが、そのストーリーやキャラクターが意外と面白かったんですね。
私が最近贔屓している佐川ちゃんや、まだまだ人間観察が足りてないマコっちゃんとも違う感覚を受けて、なんだか非常に新鮮でした(笑) 知らない人かとも思ったけど、別の作品で見たことあったかな?
本作に限って言えば、やや理屈が弱く、推測や伝聞のみで簡単に話が進む脆さはあるものの、謎が謎を呼ぶ本編ストーリーの勢いや、何よりキャラクターそれぞれが非常に魅力的で、彼らの会話が聞いていて十分に面白いので、その辺の弱さが気にならない、いや、許して無視できてしまうんですね。このライターの魅力はその辺にあるのかな。案外、神作だったドラゴンラピスとか書いてるかもしれませんね。知らんけど! 違ってたらごめん。
あとは……なんだろ。
ゲームとしては十分ぬるい難易度。タイトル画面で急に歌いだしたのはびっくりした。そしてオヤジが強すぎる!!! 頑張って隠してるけどインパクトありすぎるビジュアルがタイトル画面でモロバレしてますよ(笑)
街中のなんでもないMOBにも立ち絵があるのにもびっくりしました。
古いゲームとはいえ、意外と凝ってるなぁという印象。そしてそれだけの力を入れるに十分な内容だったので、きちんと満足できました。
翻って辛口評価をするとするなら、本来「王」とは、すなわち人と智を集合させた力と権力の象徴だと考えます。王とは、適所に適材を配置し、人が集合することにより生まれるパワーを操る人物の象徴だと思うんですよ。と考えると本作は、そんな理想の王を表現するには登場人物が圧倒的に足らず、各々がほぼ全て己の力こぶのみで状況を打開するパワーファイターであり、ゲームの題名や世界観として王やKingの名称を使うにはだいぶズレた認識だなぁと思わざるを得ません。現実の海賊と、ワンピース世界の海賊はまったく違う存在みたいな感じ。ナイトとか、いにしえの三英雄とか別の言葉に置き換えても、違和感がないんですよね。つまり王という存在の解釈にまだ広がりを持たせる余地が残っており、もったいないと思いました。だってこの世界には、「王」はいるのに「国」がないんだもん。
スフィア盤はやっぱりめんどくさい(汗)