2024年04月26日
554.彩色のカルテット
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Chroma Quaternion」のレビューです。……く、クロマ クォータニオン???
まぁいつものKemcoゲーっすよ。ただ、色々とパワーアップしていて、豪華だなとは感じました。燭台などの光源はちゃんと発光しているし、チップセットは色鮮やかで、レイヤーなども使って下層をくぐるような立体的なマップになっているし、戦闘でもよく動きます。
エピソードの掛け合いの中にはぴえんだとか100日後がどうだとか、割と最近よく耳にした単語が(今だともう古いかな)出現しており、かなり新しい、当時の最新のExe-Create作品なんじゃないかと思いました。
一つ前にこの制作チームの化石みたいなゲームやりましたから、余計にその差を感じられましたね。
それなりにKemcoゲーをこなしてきた身からすると、本作に何か特別に秀でたものや尖ったものがあるわけではありませんが、ゲームシステム、ゲームバランス、そしてキャラ立ちや世界観など、ほとんどの要素の基礎力は出来上がっており、非常に安定したゲームプレイだったと思います。
まったくの赤の他人でありながら、毎回スタッフロールで見知った名前が出てくると、なんだか彼らの成長が透けて見えるようで嬉しくなっちゃう今日この頃です。
一方で、キャラの移動などで画面が滑らかに遷移する本作では歩数カウントの仕組みが見直されたのか、これ以外の全ての実績を解除した時点で20万歩に届いておらず、実績要件の50万歩まで残りの30万歩分を稼がなければなりませんでした。
従来のExe-Create作品であれば、スティックにほんのわずかに触れ、キャラをほんの少しずらすだけで10歩分くらいカウントされるのが常だったので、累計歩数50万歩とか言われても本編攻略中に知らない間に解除されていることが当然でした。
攻略完了後にかなりの放置作業を覚悟していたのですが、終盤の空飛ぶ乗り物が、ノーエンカ、当然遮るものなし、そして移動速度が速く、ためしてみたら風呂入って帰ってくるころには解除できたのでほっと一安心。
検証はしてませんが上下左右より斜め移動で放置すると早い……かも?
さて、次の作品はアルファディア ジェネシス2ですね。もうやらなくてもわかりますわ。これから一週間くらい、死んだ魚の目をして過ごすことを。
クオリティの落差が激しすぎる……。
しかもストア説明にはシリーズ随一のボリュームだと!? FF14やってもいいすか?(笑)
2024年04月19日
553.The Last Campfire
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「ラストキャンプファイア」のレビューです。
エンバー族と呼ばれるラブリーでカワヨなキャラを操作して、テクテクちょこちょこ森のなかを行ったり来たり。希望を失って石になってしまった他のエンバー族を、パズルを解いて助けてあげると、ステージの中央にあるキャンプファイアに続々と集まり、一定数を集めると次のステージへ、といったパズルアドベンチャー形式のゲームです。
滑り台を滑り降りて、泥の中に頭から突っ込むのがめっちゃかわいい(笑)
作品としてはショートアドベンチャーで、数時間あればコンプまで楽勝です。
本作を俯瞰して、「絵本のような」と形容できます。本作の主人公に特定の名前はついておらず、全編を通してナレーションが進行を務めます。まさに、絵本や童話を読んでいるようで、鳥の鳴き声や川のせせらぎといった雰囲気と相まって非常に素晴らしい世界観を提供してくれるのですが、裏を返せば、そのナレーションやエンバー族の大義などほとんど全てが抽象的で、捉えづらい物語でもありました。
なんだろねぇ……これは、たとえば移民とか約束の地を目指して放浪する民族たちの胸中をイメージすればいいのかなぁ。
眼鏡を外して、定まらない焦点の中で常にCの向きを探してるような状態なんですが、ラブリーなキャラクターや温もりのあるステージデザインなど雰囲気は素晴らしいので、そんなふわっとした状態が逆に居心地よくもありました。
道が閉ざされ、孤独と寒さと絶望に震えて石になってしまったエンバー族がたくさんいますが、主人公の行動によりそれは救済の物語となり、全然悲壮な感じはしませんね。パズルは数分で解けるくらいの簡単すぎず難しすぎず。解き応えはあります。
ストーリーの全容は把握できないまでも、エンディングではちゃんとほっこりできて、おいしいお菓子のようなゲームでした。
2024年04月12日
552.Asdivine Cross
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「アスディバイン クロス」のレビューです。
一にも二にもラーニングゲーでした。
FFの青魔法の、敵から技もらって覚えるあのシステムです。
別に常にどんな時でもラーニングを狙ってどうのこうのするわけではないのですが、ラーニングのシステムがあり、さらに実績として全てのラーニング技を覚えるよう指定されている以上、常に頭の片隅と言わず半分くらいはラーニングのことを考えて冒険しなければならないのが苦痛でした。
ちゃんと調べたわけではないのですが、聞くところいや目にしたところによると、本作はアスデバシリーズの二作目にあたるようで、なんとKemcoがXboxストアに華々しく降臨したと同時に放った最初の作品「アスディバイン ハーツ」の、以前の作品だったようなのです。
恒例となる植木鉢での種栽培はないし、戦闘速度の倍速機能もない、戦闘中に流れるテロップもスキップできないためテンポが遅れるし、歩数や戦闘回数などのゲーム内チャレンジ機能もありません。
ゲーム自体をやりこんでステータスを強化し、俺TUEEEを堪能してくださいというKemco否Exe-Createらしい爽快感や達成感はこの頃から変わらぬものの、上記のそれ以外を司るスムーズさというのか、まとめて言えばもっさり感が半端なかったです。
プレイ中は、また時代が逆行して古めの作品なんだろうなとは薄々感づいていましたが、まさかアスデバハーツより古いとは。
で、ラーニングの話に戻りますが、これがまた本作の目玉システムのくせに、とにかく効率が悪いんですよね。
ちょっと前にプレイしたクリスタルオーサにもラーニングキャラがいたのですが、あちらは殴ると敵の技を覚えられるという画期的なものでした。とりあえず初見の敵は素で殴っとけばそれで良かったのです。
本作はきちんと敵がその技を唱え、目当てのキャラに発動してくれないと覚えることが出来ません。
ということはですよ?
Kemcoのお家芸、種食いまくって武器強化しまくって、見敵必殺プレイが根本から否定されるというわけですよ。
武器に状態異常とか付けて敵が麻痺しようものならラーニング狙えないのでアウト。
そもそも種食いすぎたり、レベル上げすぎて、特にSPDが上がりすぎると、敵が一回行動するまでこちらは何十回もガードで見送りしなければならないという地獄が待っています。
さらにはExe-Create作品の敵モンスターというのは何百種類もいて、そのほぼ全てにラーニング可能な技が設定されています。
魔物図鑑というのがあり、覚えたか覚えていないか確認することは可能なのですが、操作性というか識別性がすこぶる悪いです。
そもそも戦闘中にこれらの情報を確認する術がないので、一度出遭った敵はいったん殺して、メニューで確認してから、改めてその敵を探さなければなりません。
ボスなどは一期一会ですから、勘に頼るしかありません。
超絶便利なアイテムとして、未入手のラーニング技を一つ無条件で覚えられるという神アイテムもあるので詰むことはないのですが、ゲーム全編を通しても宝箱などから入手できる量は数えるほど、あとは恒例の課金ポイントで買うしかありません。高すぎるというほどではないですが、とにかく量が必要なので結果的に何千ポイントと必要になります。
これらを駆使して攻略するとしても、地道に未入手を調べつつ可能な限り吸っていく作業は必須となります。なんたって200以上ありますからね!
そしてトドメは今までKemco作品を遊んできて初となる周回要素。
本作の真エンディングは二周目以降なんですね。まぁ、サクサクですけど。新要素なども解禁されてそこまで辛いものではないですが、時間はかかりました。
本作はまだお手軽軽快サクサクRPGという方針に移行する前の作品なので、RPGとしての悪習も残っています。ダンジョン自体が比較的長く、ギミックが少し凝ってたり良い部分もあるのですが、とにかく画面を長く歩かせるつくりで、特に中盤の展開はこのクッソ長いダンジョンを何度も往復させるストーリー展開なのが辛かったです。
そんなわけで、ラーニングというプレッシャーと、二周目ありという情報が苦痛と時間を引き延ばす怪作でした。その裏返しとして、長く触れた分、達成感とかもありました。
アスデバシリーズ、本作は二作目だそうですね…。ハーツが三作目ということは、そう、こんだけもっさりした作品が、確定であと一つは残ってるってことですよ。
あ、ストーリー? んー。トッテモオモシロカッタデスー。
2024年04月05日
551.砂の国の宮廷鍛冶屋
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「The Court Blacksmith of the Sand Kingdom」のレビューです。
本作もまた販売元はKemcoですが、一般にはRide Onゲーと呼ばれているようで昔プレイした「マレニア国云々(以下、前作)」と同じジャンルの作品です。冒険に行って素材をがっぽり掘ってきたら、拠点でアイテムをしこたま作り、それを売って得た資金で戦力を強化、また冒険へ、の流れが楽しい錬金術ゲーですね。
先に評価を付けとくと、「楽しい」けど「面白くはない」ゲームでしたね。何かを達成する、クリアする、作る、掘る、強くなる。起こしたアクションから得られる快感はちゃんとあって、アトリエ系ゲームとして、また前作のようなRide Onゲーとして楽しさはありました。
ただ、世界観やストーリー、人物の掘り下げなどを見るに、お粗末ではないものの扱いが素っ気なく、そこに面白みを見出すことはできませんでした。
で、まずは本作の出だしを振り返ってみますと、まだまだこの手のジャンルに私が慣れていないせいなのか、主にゲームの進め方について最初は結構混乱したんですよね。実は前作はまったりじっくり楽しむことが出来たのですが、攻略期間はだいたい一ヵ月ほどかかっており、振り返って見るとかなり無駄行動が多かったのです。
現状作れる物を一定の数と決め、常にその数の在庫があるように下から下から少しずつ積み重ねていくようなスタイルだったので、ストーリーの進みは遅く、ちまちまちまちま微妙に不足した分を補填しつつ、溢れた素材でようやく一つ二つ新レシピを開発する、そんなプレイスタイルでした。
むしろ、だからこそ楽しかったとも言えるのですが、物凄い時間がかかった、という記憶がはっきりと残っており、今回はそこまで時間をかけずにどうしたら楽しめるか、そんなことを考えていたんです。
で、ちょっと攻略サイトでも覗いちゃったもんだから、最強の職とか、最強の装備とか、これさえやっとけば戦闘で困ることはない最強ビルド、とか、まぁ目に入っちゃったんです。
結果的に、その情報は知っておいて良かったし、非常に役立ったのですが、そのせいで余計効率を意識してしまって、だいぶ遊びづらい思いもしました。
で、一晩寝て頭をリフレッシュして、シンプルに考え直してみたんですよ。
素材や在庫の管理、特に序盤は金欠で何をするにも足りない尽くし。いったいどう立ち回ればいいのか。実はここがコーエーのアトリエにはないRide Onらしさというか、だからこそのKemcoというべきか。
本作にも前作と同様、時間制限はありません。
であるならば、探索に行ってしこたま稼いできた素材をアイテムに作り替えたら、そいつら全て売り切るまでニートになってりゃいいじゃん、ってことに気付いたんですよ。
そうすれば在庫がどうの、売値がどうの、金策がどうの、一日にできることや回数が決まっているどうのこうの、全部無視してシンプルに遊ぶことができると気付いたのです。
冒険に行く、持ち帰った素材全部使って今作れる最高のアイテムや、必要なアイテムを作る、素材が余ったら全部売り物に作り替える、そいつが全て売り切れるまで引きこもる(笑)、枯渇したらまた冒険に行く。
この繰り返しで非常にシンプルに遊ぶことが出来ました。いやむしろ楽しさに目覚めました。気が付いたら頭痛がするまでノンストップで遊んでました(汗)
前作では個人的にオート時のAI行動が馬鹿で戦闘は楽しくないと感じていたのですが、今作はAI時に使用するスキルを一つ一つONOFF指定できるようになったこともあるかもしれませんが、かなり賢く、的確な殲滅力、範囲で確実に敵を屠ってくれます。無駄行動をまずしないんですね。そのため戦闘のテンポが非常によく、戦闘は楽しかったですね。また、攻略サイト等において紹介されているぶっ壊れビルドも本当に強力で、戦闘の快適さに大いに役立っていました。こういうので良いんだよ。
とまぁ、一連の、ゲームとしての面白さ、楽しさは本当に素晴らしいもので、細かい所も改善されており良かったのですが、さてお話はというと……。
今作はまず登場人物の数が非常に少なく、全編を通しても彼らとのエピソードはかなりあっさりで深みがありません。ラスボスでさえ自らネタバラシをしなければならないほど尺がありません。
また、メインのお話自体も国という俯瞰視点で傍観者のように、関係ない所で進んでいき、一般人レベルの噂話で流す程度です。
幼馴染の存在や、作業場に住み着いた妖精なども、本当にこのキャラは必要なのか、存在意義を疑うレベルでエピソードが浅く、とても楽しめたものではありません。
本作でぎりぎり許せるのはギルドのおっさんと、ヒゲのおっさんだけです(笑)
タイトルにもなっている「砂の国」ですが、舞台が砂の国だからといって、本作のあらゆる要素に砂の国らしさは皆無でしたし、エンディングでの作業場内での幼馴染と小妖精の一幕はマジで意味不明でした。「え、まさかこのまま二周目にループすんの??」とかありえない想像まで働くほど意味がわからず、直後にただのネタ振りだったとわかった時には殺意すら覚えました。
で、冒険中のイベント、だいたい詰みます。これはどうにかならんの?(笑)
ダンジョンに潜ってメインストーリーを進めるため、特定の地点に進むとイベントが始まるのですが、こいつが高確率で正しく終了しないんですよね。
何もかもが動かなくなり、詰みます。
ただし、Yボタンのイベントスキップボタンだけは生きてるので、イベントスキップすれば何事もなくプレイを続けられます。
思い返してみれば前作にもこの不具合あったかも。これだけは絶対になんとかしてほしいですね。
一度だけ、イベントスキップボタンが出てこないまま詰んだこともあって、そんな時はロードしてからイベント自体を即座にスキップすることで難を逃れましたけど。
あまり伝わらないと思いますが、やって見ればわかる。
アトリエ部分、プレイするゲーム部分のクオリティはさすがの圧巻ですが、世界観やお話、魅力的なキャラクターたちとのエピソードに関しては前作の足元にも及ばないなというのが本作の感想ですかね。