しかし、2017年の春季労使交渉で初めて「宅配便の荷受量の抑制」を求めたことが明らかになりました。つい先日の話ですね。要するに、人手不足の状態にインターネット通販などの市場拡大によって長時間労働が常態化しているのです。
「 現在の人員体制では限界」として、要求に盛り込んだのです。これには会社側も応じる方向です。
ネット通販の拡大などで、17年3月期の宅配便取扱個数は前期比7%増の18億5000万個と過去最高を見込んでいたようですが、想定を超えるのが確実な状態。実は、昨年末は急増した荷物をさばききれず一部で配達の遅延も生じていました。
ヤマト運輸労働組合はドライバーなど6万人が参加するトラック運送業界でも最大の労働組合です。労働組合と聞くと、会社側とバチバチの喧嘩をするようなイメージもありますが、労使一体での改革に乗り出す方向です。
18年3月期の宅配個数が17年3月期を上回らない水準に抑えることを一つの目標として挙げています。
では、どのような取り組みをしていくのでしょう?
具体的には、
?@ネット通販会社など割引料金を適用する大口顧客に対して値上げ
?A交渉が折り合わなければ荷受けの停止を検討
?Bドライバーの労働負荷を高めている再配達や夜間の時間帯指定サービスの見直し
などなど。この物流大手の業務改革は、以前より物流業界での共通の課題である人手不足に対してのモデルとなって、業界全体に追随企業が出てくるのも時間の問題と思います。
さらに、ヤマト労組は宅配個数の抑制と併せて「退社から次の出社まで10時間以上あける」という「勤務間インターバル制度」の導入も求めています。交代制で勤務をしている中で、翌日が早番であれば、早めに帰宅したいところですが荷物の仕分けなどが間に合わず、夜遅くまで勤務せざるを得ない状況もあるとの事。
ヤマト運輸ではこうした物量のアップに対して、人員補強で対応を続けていましたが、ここにきて思うような人材確保が出来ず過労働気味になってしまっているのです。
まさに物流危機。経営戦略の見直しもせざるを得ない事から3月に予定していた中期経営計画の発表も9月頃まで延期としています。
私たちの「 便利」の陰にはギシギシと軋み始めてながらも立て直す為に必死になっている人たちがいるんです。
タダごとではないと感じます。
実はこの状況がプラスに作用した会社とは?
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