これは非常に少ない数値です。先進国の中でも最低レベルです。この数値は農林水産省が公表した2018年度の食料自給率です。低下傾向に歯止めが掛からず、前年度からさらに1%下がってカロリーベースで37%という過去最低の数値。
ずっと昔まで見てみると、米の不作で大きく落ち込んだ1993年度以来。
それでは詳細を分解してみてみます。
食品分類ごとの自給率
「だからどうした?」って言わずに現状をしっておきましょう。
主食である コメは97% でほぼ自給できます。 いも類は73% 、 野菜は77% 、 魚介類は59% とまぁまぁ良下げですよね。
しかし、畜産物は資料の大半を輸入穀物に頼っている状態で、 肉類が51% 、 牛乳・乳製品59% 、 果実は38% 、 小麦12% 、 豆類7% 、 油脂類が13% となっています。
コメ以外は既にグローバルなフードバリューチェーンの中に深く組み込まれているという事です。
食料需給は人口爆発と温暖化でひっ迫
こうした傾向をさらに強めているのが、ある二つの課題といわれています。それが「 世界の人口増加 」と「 地球温暖化による気候変動 」です。
人手不足だと日本では騒いでいますが、世界規模で見渡すと「世界人口の増加に見合った生産と供給ができるのか?」という問題に各国が向き合っています。
世界人口は、2020年の約78億人が2050年には約98億人に達すると予測されています。その差は20億人!率に置き換えると26%の増加です。
これだけの食料の生産・供給は可能なんでしょうか?
これに加えて、温暖化が年々進んでいます。2018年10月に公表されているIPCC(国連機構変更に関する政府間パネル)の特別報告書では、2006〜15年の平均気温は、1850〜1900年に比べて「 0.87度 」上昇した可能性が高く、陸域ではすでに「 1.53度 」上昇したとされています。
大したことないような気もしますが、実感してませんか今冬の様子を体感してみても。それだけでなく、日本の農産物の主産地が変化してきていたりと、このまま温暖化が進むと、世界の食料生産にも影響が出てくるでしょう。
日本も含めた世界中の異常気象は、温暖化が原因となっている可能性も否定できないと思います。穀物生産に直接打撃を与える干ばつも増えています。
こうした、気象による農業への被害は民族紛争につながったりと悪循環が始まり、深刻な飢餓を生み出す要因にもなっているのだと報告されています。
だからこそ、認知度もこれからというところですが「SDGs(エスディージーズ)」 持続可能な開発目標 が発展途上国のみならず先進国も、もちろん日本も積極的に取り組み出しているのです。
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