海藻の業界では、中国産わかめの相場の話題でいっぱいです。
中国産わかめ(塩蔵)の仕入原価が急に100円/kg以上も値上がりしました。「これじゃ国産の等外品とかわらんのじゃ!」「価格面が強みの中国産がこれじゃ売るだけそんじゃ!」と、定着してしまった中国産わかめの価格変更に頭を悩ませています。
さかのぼる事20年前、中国産わかめは国産の1/5程度の価格でした。いまでも中国産は価格が安い事が売りになっているわけですが、価格差が接近してきているのは事実です。
なにが起こっているのか?
中国産の高騰については、「中国国内の需要増加」が一番の要因といわれています。
コロナ過以降、経済活動の回復が世界トップクラスに早かった中国では、国民に「健康志向」が拡大したのです。
「海藻類全般は免疫力向上など身体にもたらされる効果が多い事が見直され、わかめがにわかにブームとなっている」
そんな話が広がって、昆布、ひじき、のり、などの海藻類も中国では活発化しているそうです。
結果として、中国のわかめ加工・卸は、輸出するより国内で販売した方が高く売れる!という事で、日本をはじめとする近隣消費国への輸出量を制限し始めているのです。
今まで「輸出用」の産業だった海藻類が、あの人口で食の嗜好変化が起きたのならば、影響を受けないわけがありません。
実際に生産量も減少はしているものの(15%~25%減と言われている)自然災害などでの増減の範囲であり、まぁしかたがないな、と言ったところ。
また、加工会社の数が減少している事もあります。
これは、排水に対する規制が厳格化され、2022年2月開幕の北京冬季五輪を直前に控え「海をきれいに」という環境保護ムードが高まっているそうです。
すると、排水設備にかけるお金は無い!という水産物の加工会社がこの2-3年で次々と工場を閉鎖し、輸出向けのわかめカット、ボイルなどの1次加工を行う海藻加工会社や、小規模海藻メーカーの相応数が姿を消しました。
これも少なからず日本企業の輸入コスト上昇に影響を与えています。
ここにきて、価格ありきで扱われてきた「中国産わかめ」の、価格変更も考えなければらなない状況になってきています。
スーパーやドラックストアなどで見かける30-40gくらいの¥100前後の乾燥わかめも、考え直す時期になってきています。
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