最終的には、心の働きの脳内メカニス?ムについて述べていきます。
ひらめき力
ひらめきの天才の脳?A
アインシュタインの天才的な思考を脳の構造から探るー脳梁が厚い
脳の表面だけではなく、脳内を撮影した写真からも際立った特徴が発見された。
私たちの大脳は、左半球(左脳)と右半球(右脳)にわかれており、
左半球と右半球では得意とする機能が異なる(4/12紹介予定)。
これら左右の半球は2億以上もの神経細胞から出ている線維(軸索)の束 『脳梁』
でつながっており、
情報のやり取りが行われている。
アインシュタインの脳梁と、彼が亡くなった年齢と同世代の健康な男性15人、若い世代の健康な男性52人の脳梁を比べてみた結果、どちらの世代の平均的な厚さと比べてみても、アインシュタインの脳梁はほとんどの部位で厚いことが判明した。
脳梁が厚いということは脳梁を通る神経線維の数が多く、両半球のつながりも強いことを示している。
脳梁は、思考や意思決定に関わる両半球の前頭前野もつなげている。
昨日から紹介してきた、これらの結果から、アインシュタインの天才的なひらめきには、彼の大きな前頭前野や厚い脳梁が関わっていたのかもしれないと考えられている。
ただし、この脳の構造が生まれつきのものか後天的なものかはわからない。
また、この脳の特徴が全ての天才に当てはまるとは言えないだろう。
76歳のアインシュタインの脳梁は若者の脳梁より厚かった
左右の大脳半球をつなぐ神経線維の束が『脳梁』である。
脳梁は、左右の半球間での情報のあり取りに関わっている。
アインシュタインの脳梁の断面の写真から、その厚さが計られた。
さらに厚さは同世代(70〜80歳)の15人の男性、および若い世代(24〜30歳)の52人の男性の脳梁の厚さと比べられた。
その結果、アインシュタインの脳梁のほとんどの領域が、同世代の平均のみならず若い世代の平均の脳梁よりも厚かった。
発展コラム
解剖された、その他の天才の脳
天才の脳といえば、ドイツの数学者カール・ガウス(1777〜1855)、日本の作家、夏目漱石(1867〜1916)、日本の植物学者、民俗学者の南方熊楠(みなかた くまぐす)など、何人かの脳が調べられている。
重さが調べられている脳もあるが、測定方法の信頼性の高さや、死亡時の健康状態などの問題があり、脳の重さと能力との関連についてはっきり言えることはないという。
玉川大学脳科学研究所の坂井克之博士は「脳の重さや体積よりも、情報を統合し、処理し、伝達する神経回路の仕組みの方が、能力の差を語るうえで重要な意味を持ってくるのではないでしょうか。
ただし、どのような神経回路の構成が高い能力と関係しているのかはわかっていません」と語る。
参考文献:ニュートン別冊 脳力のしくみ 2014年7月15日発行
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2019年04月09日
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