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2021年09月28日

『俳句のような省略の美』ペンタックスの小型高性能単焦点レンズとガラスプリズム光学ファインダーから教わったこと(後編)

 で、話は本題から少しはずれますけど、リミテッドレンズよりもかなりお求めやすくなってるプラスチックマウントの単焦点コンビ、35?oと50?oって、どのサイトを見ても高評価すね、

 リミテッドレンズにも、マクロ撮影まで寄れる35?oがあるけど、むしろ遠景撮影にあっては、プラマウントの35?oのほうが、シャープで好きやって意見まであるほどやし、50?oも50?oで、シャープさの中に独特の味わいがあって、これもプラマウントらしからぬ高性能レンズになってる、

こちらのサイトは、それぞれのレンズの短所と長所を的確に指摘されていて、
ペンタックスのレンズ選びに、とても役立ちます!

pentax memo さんのサイトより PENTAX レンズガイド
https://pentax-memo.brassworks.jp/lenses/guide/

 じゃあ、これらふたつのプラマウント単焦点レンズもふくめての話ってことで、

 ザックリ言うと、ズームレンズは散文的、単焦点レンズは韻文(インブン)的という、

 そもそも、散文と韻文ってどういうことすか、

 散文は物事をより分かりやすく正確に伝える説明的な文章、韻文はその反対で、その場面の感動を、印象的なひとことで伝える、詩のように心から心へ直接響くような文字表現、

 ズームレンズだと、いろんな画角を自由に使えるから、すべてを語りすぎて、ついつい解説的になって、逆に、単焦点レンズのほうは、ひとつの画角だけで、その場を表現しようとするから、多くの部分を省略しながら、ここだけは絶対に写そうとかいう、そんな違いすか、

 だもんで、ズームを短歌、単焦点を俳句、という言い方でもええと思う、

 ところで、ここんとこ、サブカメラに、GR3とかオリンパスペンとか、チラチラと物欲が湧(わ)いてるようですが、

 でも、俳句的カメラを貫(つらぬ)くとしたら、サブカメラは持たんと、その日その日でいちばんしっくり来る単焦点レンズ1本だけで、行くべきではないかと、

 それは、やせ我慢ちゃいますの、

 たしかに、そうとも言う、けど、このスタイルにだんだん慣れてくると、気持ちがじつにスッキリして落ち着くのも確かなんで、

 といいますと、

 サブカメラがあると、なんかこう、気持ちがフワッとして、静まらないというか、

 あれもこれもでなく、ひとつのカメラ、ひとつの画角でスッキリいきたいと、

 そう、あたりまえのことやけど、たったひとつの画角しか無ければ、ズームレンズみたいに、どの画角にするか悩まんと、すぐ撮影モードに入れるし、ひとつの画角から、どれだけ多彩な表現ができるか、それ一点だけに集中できるから、結果、より心に響く写真が撮れるのではないかと、

 その日1日の写真が、同じ画角でならぶ、まとまりの良さも悪くないすね・・・ところで、光学ファインダーについては、露出の確認がすぐできない不便さがありますけど、なぜあえてこれを評価するのか、

 フィルム時代に、自動でピントを合わせるAF(オートフォーカス)が登場して、カメラメーカーはこぞってより静かで正確で素早いAFの開発に突き進むわけやけど、他方、趣味でのんびりカメラと付き合いたいアマチュアのあいだでは、「そんな急がんと、ピントくらい自分で合わせたらええやん」という意見も根強くあって、それは今この時代にも、カメラの本質を的確に突いてるわけで、

 そういえば、フィルム時代って、露出の確認とか、現像するまで分からなかったんすね、

 世の中が便利になるのはもちろんええねんけど、趣味の世界ってそう簡単に割り切れるもんでも無いし、

 不便を楽しみたいんすか、

 そもそも、ええ景色に出会ったら、ずっとその前に居てたいと思わへんか、つまり、液晶で露出の確認もええねんけど、その手前で楽しみたいというか、いま目に見えてる景色、そこから受ける感動を、四角い光学フレームでどう切り取るか・・・そういうところでゆっくりしたいんや、職業カメラマンと違って、ゆっくりした時を過ごすためのカメラなんやし、

 最近のカメラは、急がしすぎるってことすか、

 GRでよく言われるのは、「さっと取り出してさっとしまえる」、「すぐれた速写性」、「最速スナップシューター」とか・・・あるいは、GRに限らず、カメラ本体の中で作品作りまで出来てしまいます、とか・・・でも、極端に言ったら、それほど急いでるわけでもないし、作品作りは、帰宅して大きなパソコンモニターでやったほうがええし・・・それより、もっともっと引き算して、価格も一桁(ひとけた)以内に抑えて、動画機能も省いて、メチャシンプルでかつ手にする喜びも感じられるような、ビデオと一線を画したシンプルなカメラにできひんかなあと、

 しかし、それを言ってしまうと、メーカーとしてもやること無くなるんちゃいます、

 そうかなあ、今いっせいにクラシックな外観のカメラが各社から出てきてるけど、それなら、一度くらい、ビデオ機能やAF機能などスッキリ取り去って、往年のカメラらしいカメラに立ち返ってもええんちゃうかなあと・・・たとえば、時代に逆行するようやけど、マニュアルフォーカス時代のオールドレンズとおなじ感覚で使えるような、しっかりしたフォーカスリングを備えた、リミテッドレンズが使いたいんや・・・何でもできる忙しいカメラもあれば、あえて機能を省いて、その分、ゆっくり過ごせるような雰囲気ゆたかなカメラも、あって当然しかるべきではないかと、

 ああ、何となく分かりますわ、俳句ってそういうことすね・・・ココロを動かされる場面で、1枚の写真を写して、しばしその余韻を楽しむというか、そういう撮影プロセスもふくめたゆっくりした時間を楽しみたいと、

 五七五の言葉の組み合わせだけ追い求めるなら、人工知能が爆速で、いくらでも組みわせを作ってくれるけど、本質はそこやないわけで、

 そうなってくると、フィルムカメラやオールドレンズが、じわじわと人気なのも、分かってきますね、

 オールドレンズの好きな人々のあいだでは、ふつうマイナスとされるフレアなんかを、逆に楽しんだりするわけで、カメラの世界は、ビデオと違って、そういう文学的な芸術的な要素というのも根強くあるわけで、非効率を楽しみたいというか、

 じゃあ、ビデオが散文的で効率的、カメラが韻文(インブン)的で非効率的と、そういう見方もできそうすね、

 ここ最近は、カメラとビデオがごっちゃになってるんで、そろそろ、動画機能や編集機能は省略して、光学ファインダーで露出とピントを合わせて、帰宅してから結果をながめるような、そんな、ゆったりした時間が楽しめる、カメラらしいカメラが世に出てきてほしい、

 そうなったら、フルサイズセンサーでも、より低価格でより軽量なレンズやカメラが作れますし、そこも強みになりますね、

 PENTAXさんにはオールドレンズの大いなる遺産があるわけやし、AF機能とか動画機能とか、あれこれ引き算していけば、フィルム時代の名機 LX くらいのサイズ感で、よりタフで低価格でコンパクトなフルサイズ機が出せると思うんやけど・・・あと、マニュアルレンズを新たに設計する場合やけど、レンズに刻印された距離と絞(しぼ)り値を、飾りとかでなく、じっさいにその組み合わせで、簡単正確に合焦範囲が決められるような作りに、ぜひして欲しい、



タグ: pentax
posted by なおいのおじさん at 09:01| カメラ
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