ふと知り合いに会いたくなってとか特定のものが食べたくなってふらりと旅をする。
考えたら贅沢なことなのだろう。時間とお金。
それよりも前提となるのが健康な身体なのだ。自分の足で歩けて自分の手で食べ物を口に入れられることは何事にも変えられない。当たり前の動作にこそ幸せはある。
国内外の観光需要がコロナ禍から回復してきている。それに伴ってホテル代がかなり高騰している。
金曜日はまだ安いが土曜日になると1.5倍になる。
東京へは6週間に1回、2泊するのだが金曜日は何とか9000円以下で泊まれるが土曜日は1万円を超える。12月の鍼予定は19日。金曜日はなんとか東京に泊まるが、土曜日は東京を諦めた。
東京から関西までの間であまり行かない土地に泊まるのもひとつだ。今回は清水でマグロを食べてみようと思っている。清水だと7000円ほどで泊まれる。3000円分美味しいものを食べられるのだ。
今回の広島・山口の旅の前にそういったことをしていたので、ホテル代に費用をかけるのを抑えようと広島と山口のホテルも一番安いところを選んだ。
広島では風呂は大浴場のみで部屋にはないホテル。カプセルでなく個室だからちゃんと眠れる。それで2300円。ふつうのビジネスホテルと比べると5000円も安いのだ。5000円あれば美味しいものが食べられる。山口も5000円ちょっとのホテルにした。
交通費もケチる。1時間ちょっとは各駅停車でも我慢できる。あとは高速バスをうまく利用した。
今回の旅は人と食べ物。
広島には昔行っていた料理屋の板さんが料理長を任されている店がある。そこへ行って広島の料理と酒を味わいたかった。
広島は10年住んだ街。どこへ行くわけでもない、広島の空気を吸って酒を呑むだけだ。
およそ1年ぶりに会うN君は変わらなかった。変わらないことが良いことだ。
生牡蠣を食べて地酒を十分味わった。
山口は35年前から行っている焼き鳥屋さん。
マスターはもう82歳になる。相変わらずの口調で来るお客さんに話しかける様子は変わらないが、身体はかなりしんどいようだ。焼き終わると椅子に座るようになっていた。
この日は出張の人が4組。その人たちと会話が弾む。この店で多くあった出来事だ。
店が終わってから名古屋から来ていた人たちと呑みに行ってホテルに戻ったのは2時だった。
人生をどう過ごすか。
20代、30代の時と今では思うことが違うのは当然のことだろう。もう先が見えているのだ。
残りの人生を楽しく過ごしたい。じゃあ楽しいって何なんだ。
自分のことが自分で出来て、何か毎日喜びを感じられることか。自分で言えば美味しいものを食べて酒を呑んでくらいしか思いつかないが。
他に楽しいこと、ハマることを見つけないといけない。
この1か月で会社の同僚が二人亡くなった。61歳と64歳だった。死んだら無だ。
もうすぐ12月24日。受傷から10年になる。不自由ながらも死んで生き返って10年なのだ。