今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は黒沢 咲プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/iQm8GFOM00g
2023年2月9日 第2試合
東1局 2本場
東家 小林 剛 40800
南家 堀 慎吾 25000
西家 黒沢 咲 9200
北家 伊達 朱里紗 25000
(敬称略)
まだ東1局の親が連荘中。
放銃の黒沢さん以外の子二人は原点(25000点)のまま。
最初に親・小林さんの手は
ドラ 小林手牌
こちらはタンヤオやピンフ、678三色同順などが見えます。
もしリーチ・タンヤオ・三色同順になれば12000で、このクラスをアガるとトップ確率が高くなります。
メンツ手なら4シャンテンでダブが重なるとポンしてダブ・赤5800点とこれも押し寄りになりそう。
ツモ 打
次に南家・堀さんの手は
ドラ 堀手牌
トイツでポンすれば役が付き、ドラ1枚あるので・ドラ40符三翻、5200点以上になりそうです。
こちらはメンツ手3シャンテンですがどこからでも鳴けるのでその分、テンパイスピードを補えます。
ツモ 打
堀さんが切ったを黒沢さんがポンして打。
打 ポン ドラ 黒沢手牌
西家・黒沢さんはとチンロウトウ(清老頭)の材料が4ブロック分あります。
清老頭は1と9だけで作る役満なので4トイツはすべてポンしてのタンキ待ちかシャンポン待ちにするといいでしょう。
また、清老頭にならなくても9の三色同刻や混老頭・トイトイもあり、役有りになりそうです。
最後に北家・伊達さんの手は
ドラ 伊達手牌
を切ればタンヤオかピンフになりそうなメンツ手2シャンテン。
もしここからテンパイしてもリーチ・タンヤオ・ピンフ3900点止まりなので相手の動きを注視しながら進めましょう。
赤やドラを使える時は満貫なので押し寄りになりそうです。
ツモ 打
次巡、黒沢さんは
ポン ドラ 黒沢手牌
三色同刻やトイトイ2シャンテン。
ちなみには山に1枚、は2枚ずつあります。
同巡、伊達さんは
ドラ 伊達手牌
マンズができ、形が良くなったので落とし。
次巡、堀さんは
ドラ 堀手牌
・トイトイも出てきました。
同巡、伊達さんは
ドラ 伊達手牌
受け入れのピンフ1シャンテン。
伊達さんの切ったを小林さんがチーして打。
チー ドラ 小林手牌
赤やドラを引かない限り2900点の手です。
更に小林さんが切ったを黒沢さんがポンして打。
ポン ポン ドラ 黒沢手牌
打としたのは、ドラ表示牌がで黒沢さんから2枚見えでの方が1枚多いからと引きを見てのようです。
次巡、黒沢さんは
ポン ポン ドラ 黒沢手牌
ツモ 打 で清老頭の材料は揃いました。
後はポンか引きだけ見ればいいでしょう。
山にはが2枚、が3枚と全生きです。
次巡、小林さんが打、これを堀さんがポンして打。
ポン ドラ 堀手牌
堀さんの1枚は黒沢さんの手にあり、黒沢さんの手が進まない限り切られなさそうです。
次巡、小林さんは
チー ドラ 小林手牌
ダブが重なりダブ・赤5800点〜なら押し寄りになりそうです。
同巡、堀さんは打、黒沢さんの清老頭が少し遠のきます。
同巡、伊達さんは
ドラ 伊達手牌
タンヤオになるツモテンパイ即リーチ待ち。
待ちは山に3枚、は0枚の合わせて3+0=3枚。
伊達捨牌
伊達さんの捨牌のポイントはとカンチャンターツが手出しで切られていて、カンチャンより良いターツが手にある可能性が高いのを示しています。
つまり伊達さんはリャンメン待ちやドラ(赤)ターツが手にある可能性が高いと言えるでしょう。
形が既に決まっていると危険な内側からになりやすく、ではが手にある可能性が少しぼかせます。
リーチの直後、黒沢さんは
ポン ポン ドラ 黒沢手牌
ポンならテンパイの清老頭1シャンテン。
2巡後、小林さんは
チー ドラ 小林手牌
ツモ 打 と黒沢さんの必要牌かもしれないを残しています。
同巡、伊達さんがツモ切ったを黒沢さんがポンして清老頭テンパイ。
ポン ポン ポン ドラ 黒沢手牌
待ちは山に1枚、は2枚の合わせて1+2=3枚。
もしかしてリーチの伊達さんの放銃もあるか・・・?と思われた直後、伊達さんツモアガリ。
リーチツモ ドラ 裏ドラ 伊達手牌
リーチ・タンヤオ・ピンフ・ツモ・赤の満貫二本場、2200-4200。
裏ドラ表示牌のを見たからか、黒沢さんは浮かない表情をしています。
Mリーグ初の清老頭テンパイの一局でアガリはお預けとなりました。
今局の黒沢さんの配牌は
ドラ 黒沢配牌
トイトイ、チートイツ、9の三色同刻、混老頭、清老頭、三暗刻、四暗刻が狙える手でした。
チートイツとトイトイの基準は鳴きやすいかどうか?で判断しています。
鳴きやすさは5<4と6<3と7<2と8<1と9<字牌の目安で判断。
この手のトイツはの19牌なので比較的鳴きやすい部類です。
この4トイツを全部鳴いて4ブロック、残りを引いてトイツにしたシャンポン待ちかタンキ待ちにする構想だったようです。
ポン ポン ポン 例1
ポン ポン ポン ポン 例2
もし清老頭にならなくても字牌を引けば混老頭・トイトイ・三色同刻の跳満。
ポン ポン ポン 例3
清老頭は6種のうち5種を使う必要がある、鳴いても作れる役満の中でも難易度が高い部類です。(大四喜に近い)
1つ、2つポンできてもパオ(包:役満を確定させる鳴きをさせた人が放銃者と折半)があるのでそれ以降、おいそれとは鳴かせてもらえないケースが増えます。
対局後のインタビューで黒沢さんは
「(清老頭テンパイ!)そうですねーあの多分1巡目にポンしたのが人生で2回目かもしれない!
もしかしたら初めてかもしれない!
(アガリ牌山に3枚いた!注:裏ドラ表示牌にで2枚だった)まあ1巡目にポンしたら『役満だ』と思ってもらおうと思いました。
そんなに居たんですねーあー!ちょっとドキドキし始めた頃だったのでテンパイ、残念でしたけど。」
更に伊達さんはインタビューで
「清老頭だと思いました!ホントに清老頭なんだ!と思いまして、」
ツモ 打 リーチ ドラ 伊達手牌
のポンされた状態でタンヤオ確定するが引けたので
怖いんですけど勝負手で勝負だ!という所で非常に怖かったです。
怖かったです、はい。」
Mリーグであまり鳴きを使わない選手が何人か居ます(黒沢さん、瀬戸熊さん、村上さんなど)が、そんなタイプの人が一段目(6巡目まで)から鳴いてきた時は満貫以上の可能性が非常に高くなります。
鳴く理由の一つとして「打点が十分だから」一段目からでも躊躇なく鳴けるわけです。
打 ポン ドラ 黒沢手牌
黒沢さんは1巡目から鳴いて役満の3シャンテンに。
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今回のまとめ
・あまり鳴かない人の早い鳴き(一段目=6巡まで)は満貫以上の可能性大
打 ポン ドラ 黒沢手牌
黒沢さんは1巡目から鳴いて役満の3シャンテン。
・自分が欲しい牌が鳴かれたらチェックし、そこが入ればリーチ
伊達さんの欲しいが黒沢さんにポンされ
ツモ 打 リーチ ドラ 伊達手牌
ツモ 打 リーチ 。
・清老頭は激レアなトイトイ
清老頭は6種のうち5種を使う難易度の高いトイトイ。
黒沢さんは
ドラ 黒沢配牌
の4トイツをポンしてとのシャンポン待ちかタンキ待ちの構想だと思われる。
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