今回もMリーグの一局だけを掘り下げます。

今日の主役は内川　幸太郎プロです。

まずは動画からご覧ください。

https://youtu.be/8XKDpI5Tle0





２０２３年２月１３日　第１試合

南３局

東家　　内川　幸太郎　　25300

南家　　伊達　朱里紗　　40700

西家　　日向　藍子　　　22900

北家　　萩原　聖人　　　11100

（敬称略）

この半荘も最短あと２局。

トップ目・伊達さんと二着目・内川さんとの点差は15400点差で、4000オールツモや18000ロンなら逆転。（連荘）

三着目・日向さんは倍満ツモ以上でトップ目。

ラス目・萩原さんは跳満ツモかロンで三着目、倍満ツモかロンで二着目、三倍満ツモでトップ目。




最初に親・内川さんの手は

ドラ 内川手牌

こちらはドラ１のメンツ手３シャンテン。

もし先制リーチを打てる時は、親リー相手に向かってくる人はあまりいないかも。

ツモ 打






次に南家・伊達さんの手は

ドラ 伊達手牌

伊達さんは赤＋ドラのタンヤオかピンフになりそう。

リーチ・タンヤオ・赤・ドラやリーチ・ピンフ・赤・ドラのどちらも満貫で、メンツ手の２〜３シャンテンと見えテンパイが早ければアガリを見て進めるのも良いかもしれません。

ツモ 打






続いて西家・日向さんの手は

ドラ 日向手牌

こちらは赤もドラもない１アンコ＋２トイツの３シャンテン。

三暗刻や赤引きしない限り満貫には届かなさそうなので押し過ぎに注意。

ツモ 打






最後に北家・萩原さんの手は

ドラ 萩原手牌

遠い５６７三色や遠めのピンズホンイツはありそうな５シャンテン。

ドラを引けば５６７三色方向、ピンズか字牌トイツが増えればホンイツで良さそう。

ツモ 打









次巡、内川さんは

ドラ 内川手牌

２トイツ＋１アンコでトイツ手も意識した方がいいかも。





同巡、日向さんが打、これを萩原さんがポンして打。

ポン ドラ 萩原手牌

・赤・ドラ3900~・ホンイツ・赤8000点を見ているようです。



ここで（動画１：００〜）解説の河野直也プロは

「今日ねあの僕達が話しているのは南場？でこの四着目のの『ポン』って言って安い事って結構少ないよねっていう風に見るんで

『じゃあ萩原さんは何をやってるんだろう？』って考えると切ってのピンズのホンイツかな？っていう風に見ていくと、相手の手っていうのは考えやすくなりますね。」

ラス目・萩原さんの仕掛けについて分析されています。

萩原さんは三着目と11800点差、二着目と14200点差で大差のラス目。

そんなラス目が1000点や2000点の仕掛けをしないのはお分かりになるでしょう。

萩原さんが鳴くなら満貫の見えるピンズホンイツや赤３（ドラ３）くらいの手しか無さそう。　





次巡、日向さんは

ドラ 日向手牌

３トイツ＋１アンコでトイツ手寄りになっています。

もしかするとリーチ・ツモ・三暗刻のような手になるかも。






同巡、萩原さんは

ポン ドラ 萩原手牌

ピンズホンイツかドラメンツ。






次巡、萩原さんは

ポン ドラ 萩原手牌

場に２枚切れ打。









次巡、内川さんは

ドラ 内川手牌

３トイツ＋１アンコでこちらもトイツ手寄り。

後はイーペーコー目も。




同巡、伊達さんは

ドラ 伊達手牌

タンヤオ確定でこれならリーチ・タンヤオ・赤・ドラの満貫。






また同巡、萩原さんは

ポン ドラ 萩原手牌

自風トイツになりホンイツにしない満貫ルートも。

を引くか鳴くかするとテンパイする１シャンテン。






次巡、内川さんは

打 ドラ 内川手牌

ツモ 打

場に１枚切れを見て打。








同巡、萩原さんは

ポン ドラ 萩原手牌

ソウズ落としてホンイツ。








次巡、内川さんは

ツモ ドラ 内川手牌

１シャンテンになり、ここから１枚切る場面。

これでカンとカンとカンの比較になりそうです。

カンは山に０枚でここが埋まることはありません。

ついでにカンは山に４枚、カンは山に０枚。

つまり３つのカンチャン受け入れのうち、山にあるのはカンだけ。

内川さんは打。


ドラ 内川手牌






同巡、伊達さんは

ドラ 伊達手牌

の１シャンテン。（切りフリテン）








更に同巡、萩原さんは

ポン ドラ 萩原手牌

引きを待つホンイツ１シャンテン。









次巡、内川さんは

ドラ 内川手牌

テンパイ即リーチカン待ち。



内川手牌

この捨牌の切り順に大きな違和感があります。

第一打からと一見、タンヤオ狙いに見えますがツモ切り、手出しでタンヤオ牌（２〜８）が切られた後から手出し、手出し、手出しと９が２枚も切られています。

それと第一打なのにリーチ前巡手出しです。

ということはのそば、特には持っているかもしれません。（を持っているならは切らなそう、でも切らなそう）

から・・・と離して切るとも考えづらい。（タンヤオでもない）

私でも思いつくのはからの切りはありそう。

この捨牌は作為的な臭いがします。








この内川さんのリーチに伊達さんは

打 ドラ 伊達手牌

現物０の伊達さんはリーチ現物の中スジ打。


これが一発放銃。


リーチ一発ロン ドラ 裏ドラ 内川手牌

リーチ・一発・ドラ、５０符三翻9600点。



このアガリで

内川　　34900

伊達　　31100

日向　　22900

萩原　　11100


内川さんがトップ目に立ちました。

半荘はこのまま内川さんトップで終了。






試合後のインタビューで内川さんは

「（トップ、おめでとうございます！）ありがとうございます。

（逆転トップ、お見事でしたね！）いやー、スレスレですね。

スレスレのトップ、惜しい二着という感じだったんですけど。

（大きな加点となった南３局リーチ一発ドラ、カンの９６００ですけど

萩原選手がピンズに見えている場というところもあったと思いますが？）

そうですね、ピンズに見えていたのでピンズミスれないんですけど

元々薄いんだったら出アガリ（ロン）の手かなと思って

マンズがかなり場況が良くも選べなかったので

を切るかを切るか

自身の手がドラ１だったので赤期待というのと

どっち切ってもひっかけになるんですけどあと直前で日向さんが手出しの

まあちょっと強めの数字打った後の手出しだったので

ピンズの下（）の方が枚数少ないかなっていうそのぐらいのアレしかなかったので

を先に打っといてていう布石にはしましたね。

との判断はそこだけです。

マンズを残すことは確定していた感じですね。（ありがとうございます。）

ほんとに苦しい中ですけれどもなんとかトップを取ることができました。

実はね先日大阪でオフ会がありまして

えー皆さんにほんとに勇気を頂きました。

たくさんの色紙も頂きましたしもう帰り際には全員に背中叩いて頂いて気合い入っ入れて貰ったお陰でトップが取れたと思います。

えー上を目指したいと思いますので引き続き応援の方をよろしくお願いします。（ぺこり）

（サクラブレードを構える内川さん）」



インタビューで話題になった萩原さんの捨牌が

萩原捨牌

６巡目でターツ落としを始めた場面。

ツモ 打 ドラ 内川手牌

内川さんは打でもカンの中スジひっかけ、打でカンのどちらでもスジひっかけになります。



後は前巡の日向さんが

日向捨牌

打 ドラ 日向手牌

より後に手出し
からのそばを持っている可能性が高く、やが想像できます。

※実際はでは全山。（４枚）



もう一つ、麻雀でしてはいけない放銃第１位が「オリ打ち」です。

オリ打ちとはオリようとして切った牌で放銃する事を指します。

その理由として１：通ると思った牌で放銃の選択ミス、２：手順上安全に進められる方法が他にあるなどの判断ミスの２つのミスが重なっているからです。


伊達さんは先に切り５巡目

ドラ 伊達５巡目手牌

この手、鳴きを見てタンヤオなら、先にだけでも切っておかないといけないですし、ピンフを見るならを残してのリャンカン形とリャンメン残し、落としが自然です。

ドラ 仮想手牌１



後は伊達さんが放銃した場面。

ドラ 伊達手牌

１枚切る場面。


内川捨牌


場を見ると

日向捨牌


萩原捨牌


伊達さんからが３枚ずつ見えています。

現物０の伊達さんですがはのダブルワンチャンスはのワンチャンス。

スジを追うよりも先に切る牌があったように見えます。

それにが３枚見えでペンチャン待ちも薄くなっています。

あるいはリーチに押し返す手もあります。

現物０の堀さんはよく押し返すのを見ます。





今回のまとめ

・オリ打ちは放銃のワースト１

１：通ると思った牌で放銃の選択ミス

２：手順上安全に進められる方法が他にあるなどの判断ミス

１と２の２つのミスが重なっている致命的なミス

ドラ 伊達手牌

ここから１枚切る場面。


内川捨牌

日向捨牌


萩原捨牌

伊達さんからが３枚ずつ見えていて現物０の伊達さんだがはのダブルワンチャンスはのワンチャンス。

が３枚見えでペンチャン待ちも薄い。


５巡目伊達さんは

ドラ 伊達５巡目手牌

この形だがピンフやタンヤオ変化を意識するなら切らずに

ドラ 仮想手牌１

形的にリャンカン＋リャンメンを残したい。


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