今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。

今日の主役は内川　幸太郎プロです。

まずは動画からご覧ください。

https://youtu.be/gGeTU4gp0ss






２０２３年２月２１日　第２試合

南２局　１本場

東家　　鈴木　優　　　28700

南家　　高宮　まり　　 19700

西家　　鈴木　たろう　 13900

北家　　内川　幸太郎　37700

（敬称略）

この局を入れて最短あと３局。

トップ目・内川さんと二着目の点差は9000点で優さん2600オールツモや9600ロンで変わります。

二着目・優さんと三着目・高宮さんは高宮さんの満貫ツモで入れ替わります。

また、三着目・高宮さんとラス目・たろうさんはたろうさんの1300-2600ツモや6400ロンで入れ替わります。




最初に親・優さんの手は

ドラ 優手牌

これはピンフかイーペーコーになりそうなメンツ手３シャンテン。

2600オールくらいの手が欲しい所ですが、赤もドラも無く高い手になるかは微妙です。

ツモ 打




次に南家・高宮さんの手は

ドラ 高宮手牌

メンツ手なら４シャンテンと早くもなさそうです。

タンヤオやピンフも多少ありますが赤もドラも無い役なしテンパイの方が可能性が高そうなのでここは様子見になるかもしれません。

ツモ 打





続いて西家・たろうさんの手は

ドラ たろう手牌

これをメンツ手と見るなら３シャンテン、ドラを使えなくなる場合も多そうなのでここはチートイツ・ドラ２なら跳満狙いもできます。

ドラを重ねたらポンして・ドラ２、3900もあります。

ラス目のたろうさんは最短あと３局でせめて満貫以上の手をアガりたい状況です。

ツモ 打





最後に北家・内川さんの手は

ドラ 内川手牌

１９字牌が九種九牌ありますが、Mリーグに途中流局はありません。（八種九牌、四人リーチ流局などはなし）

なので国士無双や１９字牌トイツが増えればホンロウ・チートイツ、チャンタ、純チャン狙いはあります。

メンツ手と見るならこれは６シャンテンと激遅な手です。（おそらく４人の中で一番遅い）

ツモ 打






次巡、優さんは

ドラ 優手牌

雀頭の無い２シャンテン。





同巡、たろうさんは

ドラ たろう手牌

ドラにくっついてリャンメン受け入れに。





次巡、優さんは

ドラ 優手牌

雀頭になるかわかりませんが、雀頭候補はでき、１２３三色変化も少しあります。





同巡、高宮さんは

ドラ 高宮手牌

こちらも雀頭が不安定ですが、３シャンテン。





また同巡、内川さんは

ドラ 内川手牌

やっと１メンツ完成の４シャンテン。

まだまだ時間がかかりそうです。





次巡、高宮さんは

ドラ 高宮手牌

カンチャン受け入れ３つでタンヤオ変化や６７８三色変化も見たい所。





同巡、内川さんは

ドラ 内川手牌

役になるトイツになった３シャンテン。





次巡、優さんは

ドラ 優手牌

中ぶくれ形ができたのでここが２メンツになるとブロック数が足り、形的に安定しやすくなります。

中ぶくれ形はイーペーコー変化も残り、ピンフを作る時などで重宝します。





同巡、たろうさんは

ドラ たろう手牌

ドラが重なり４トイツでチートイツ２シャンテン。

ポンの満貫〜もありそうです。






同巡、内川さんは

ドラ 内川手牌

なかなか手が進まない内川さんのがいつ出るかがたろうさんの運命を分けそうです。





次巡、優さんは

ドラ 優手牌

ペン待ちになった時の為の布石とイーペーコー、へのくっつきを同時に見て打。






同巡、高宮さんは

ドラ 高宮手牌

２メンツ完成の２シャンテン。




また同巡、たろうさんは

ドラ たろう手牌

ソウズ２メンツを諦めて打。


このを内川さんがチーして打。

チー ドラ 内川手牌

内川さんはバック（後付け）２シャンテン。




内川さんが切ったをたろうさんがポンして１シャンテン。

ポン ドラ たろう手牌





このポンの直後、内川さんは

チー ドラ 内川手牌

これで１シャンテン。

肝心のは場に１枚切れで山に１枚。




次巡、高宮さんは

ドラ 高宮手牌

役なし１シャンテン。





次巡、たろうさんは

ポン ドラ たろう手牌

受け入れに変化した１シャンテン。





同巡、内川さんはツモ切り、これをたろうさんがポンしてテンパイ。

ポン ポン ドラ たろう手牌

カン待ちは山に２枚。


ここで解説の浅井堂岐（たかき）プロは

「切ってるんですよねー。

ドラトイツ固定されてるかなって思うかもしれないですねー。

連続手出しですから。」

ラス目のたろうさんがポンする以上、ドラトイツ以上と見ることはできます。

から打

から打





次巡、高宮さんは

ドラ 高宮手牌

リーチ・赤2600点、カン待ちリーチ！

待ちは山に３枚。

ちょっと安いのは不満ですが、ロンして一発か裏で5200、ツモれば1000-2000ならそこまで悪くないか。








次巡、たろうさんはツモ切りですが内川さんはポンせず。




次巡、優さんは

打 ドラ 優手牌

優さんから４枚見えでカン待ちが否定されています。

優さんは落としのようです。









同巡、たろうさんは

ツモ ポン ポン ドラ たろう手牌

・赤・ドラ２の満貫一本場、2100-4100。



半荘の結果は

内川　　＋５２．８

たろう　 ＋１１．２

優　　　−１５．８

高宮　　−４８．６




試合後のインタビューで内川さんは

「（ちなみになんですけど配牌が９種あったじゃないですか、国士無双に行かなかったじゃないですか）

二番手の優さんは親番だったと思うんですが僕が国士行ってしまうとまずタンヤオ仕掛けが凄くしやすくなるていうのがまず一点、

二点目は役牌を全部絞って（相手に鳴かせない）しまうとたろうさんとまりちゃんが鳴いてかわしてくれない。

自分はアガれないと思ったんですよ。

なるべく自然に進めながら字牌を溜めて『たろうさんまりちゃん鳴いてくれ！』って行ったらポン！

『ナイスゥー！』て思いながら（たろうさんが）2000−4000引いてくれたら並びになるんで

『完璧ですたろうさんありがとうございます』って思いながら

自身の国士っていうよりも他の二人にアガってもらって着順操作というかやりたいことをやったっていう。

あんまり言いたくないんですけどね。わかんないですからね、そんなに。（王子スマイルきらーん！）

いえいえ、いいですよ。」





今回はトップの内川さんの配牌→第１ツモで

ドラ 内川手牌

１９字牌が９種９牌あります。

Mリーグに途中流局はないので八種九牌を宣言できません。

となるとここから国士無双を見るのか？がテーマの１つになります。


ここであるデータを見て欲しいのですが、af1k5mという方が過去に九種九牌？国士無双？どっちがお得？というnote記事を上げています。

https://note.com/mjan/n/ne593c854cff4


その中で国士無双のテンパイ確率（配牌時）が


８種　　９．９９％

９種　２０．８３％

１０種３９．９３％

１１種６８．６３％


という数字で示されています。

今回の内川さんは９種なので国士狙いではテンパイが５回に１回程度入ることになります。

その内アガリはテンパイした中の何％という数字になるので仮にアガリ率５０％なら国士をアガれるのは１０％程度です。

そう考えるとこの場合、トータルで国士狙いで９０％くらいは失敗に終わることになります。



それともう一つ大事な要素があります。

この時の内川さんは北家で親の上家にあたります。

ここで親の優さんがタンヤオ・赤３の食いタンだったとして、内川さんがなどを好き勝手に切っていたら、チーされて優さんトップの可能性が高まるだけです。

北家は親に自由に鳴かせないのも役目の一つです。

その理由として親は南家と西家からはポンしかできないからです。


↓内川さんの本です




今回のまとめ

・北家は親に鳴かせない役目もある

親は上家の北家からしかチーができなくて北家が甘いと親が鳴いてトップを取りやすくなるから。

・１９字牌が何種あるか？で国士無双狙いするかを決める

内川さんの手は

ドラ 内川手牌

Mリーグに途中流局は無く、八種九牌で流せないから最初に浮かぶのは国士無双。

８種　　９．９９％

９種　２０．８３％

１０種３９．９３％

１１種６８．６３％

１９字牌が９種の国士テンパイ確率は２０％ちょっとと低い。

もしアガリ率５０％なら１０％しか成功しない。



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