活動当時、ブラックモア自身はあくまでバンドの一メンバーに過ぎないと明言していた。けれども、メンバーの入れ替わりや音楽性の変遷を今になって振り返ってみれば、彼のワンマン・バンドもしくはソロ・バンドと言える性質のものであったことは否定のしようがない。最初はバロック的様式美を採り入れたハードロックを志向していたが、セールスは思うように上がらなかった。やがてメンバーも変遷する中で、次第にポップな要素も取り込んでいった。本盤『ダウン・トゥ・アース(Down To Earth)』は、その転換点とも言える内容である。様式美ハードロックのある種の仰々しさは、このアルバムの前の段階でも徐々に薄れてはきていたが、劇的にキャッチーな方向に向いたという意味では、この作品がバンドの転換点となった。なおかつ、バンド形成時以来のボーカル(ロニー・ジェームス・ディオ)が脱退し、代わりにグラハム・ボネットという野太い直球タイプのボーカリストが加入している(とはいえ、その後、グラハムはまもなく後任のジョー・リン・ターナーに入れ替わる)。
1. All Night Long 2. Eyes Of The World 3. No Time To Lose 4. Makin' Love 5. Since You Been Gone 6. Love's No Friend 7. Danger Zone 8. Lost In Hollywood