実際、ルー・リードの作品の中には、実にとっつきにくい(意味不明の?)と定評のある『メタル・マシーン・ミュージック(邦題:無限大の感覚)』(1975年)という、ノイズ満開の、リリース当時には返品騒ぎさえ起こったアルバムすらあったりする。本盤『コニー・アイランド・ベイビー(Coney Island Baby)』は、ソロ第6弾となるアルバムである。上記『メタル・マシーン~』と同じ年の年末(英その他では翌年)にリリースされたもので、前作の難解さの反動か、ルーのアルバムの中では、反対にとっつきやすいものに仕上がった。30年以上経った現在からすると、彼のソロ・キャリアを見渡した時に、その後の方向性やスタイルがよく表れた作品になっていたように思う。