音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2016年06月06日
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テーマ: Jazz(1967)
カテゴリ: ジャズ




 人生、いろんなすれ違いというのは、多かれ少なかれ誰しもが体験するのかもしれない。ちょっとした行き違いから仲直りすることなく永遠に会えなくなった友人、逆に若い頃にはすれ違っていた人がそこそこの年齢になって人生最大の友になるような人、はたまた、違うタイミングで出会っていれば結婚していたかもしれない人(そして、いい年になってからその友人と再会して親友になったり、はたまたテレビドラマ風に言うと不倫関係になったり?)、等々。

 ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)とブルーノート(あるいはその主宰者のアルフレッド・ライオン)にも、そんなちょっとしたすれ違いがあったのかもしれない。ロリンズは1949年にブルーノートでのレコーディング(バド・パウエルの『ジ・アメイジング・バド・パウエルVol. 1』)に参加しているが、マイルスとのセッションで評価を得たロリンズはプレスティジとの専属契約をすることになり、それは1956年まで続くことになった。

 契約が切れた後、ロリンズはようやくブルーノートでの初リーダー作の吹き込みを行う。それが1956年末に録音された本盤『ソニー・ロリンズVol. 1(Sonny Rollins Volume One)』ということになる。その時点までに、 『サキソフォン・コロッサス』 (ちょうど半年前の録音)に見られるように、ロリンズは既に“完成されたサックス奏者”だった。おそらくはそれゆえに、プレスティジとの専属期間中にサイドマンとしてのブルーノート録音もなかったのだろう。

 それでもって、本盤の演奏を聴くと、それまでのロリンズとはどこか違うようにも思う。5.「ソニースフィア」に見られるように、アドリブは冴えているし、3.「グロッカ・モラを思う」ではロリンズならではのバラード演奏が披露される。その違いは何なのかを考えてみると、“枠がついている”点にあるというふうに思う。細かいことを言えば、“型にはまっている”わけでは決してない。ロリンズのインプロビゼーションはちゃんと絶好調なのだが、その演奏の周囲に、絵画でいえば“額縁”がついているのである。おそらくこれは、よく言われるようなプレスティジとブルーノートの根本的な違いにあるのだろう。良くも悪くも放りっぱなしの自由奔放さ(当然それが名作を生むこともある)と“枠のついた”自由度。本作は典型的に後者のパターンであるように思う。



[収録曲]

1.Decision
2.Bluesnote
3.How Are Things In Glocca Morra?
4.Plain Jane
5.Sonnysphere


[パーソネル、録音]

Sonny Rollins (ts)
Donald Byrd (tp)
Wynton Kelly (p)
Gene Ramey (b)
Max Roach (ds)

Blue Note 1542
1956年12月16日録音







 CD/ソニー・ロリンズ/ソニー・ロリンズVol.1





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Last updated  2016年06月06日 07時23分58秒
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